「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

愛聴盤紹介コーナー~ワルツ・フォー・デビイ~

2007年03月08日 | 愛聴盤紹介コーナー

CD番号      リヴァーサイドVIC J-60008  
収録年      1961年
ジャンル      ジャズ
題名        「ワルツ・フォー・デビイ」
曲名        ①マイ・フーリッシュ・ハート
           ②ワルツ・フォー・デビイ
           ③デトゥアー・アヘッド
           ④マイ・ロマンス
           ⑤サム・アザー・タイム
           ⑥マイルストーンズ
           +4曲
演奏者       ピアノ   ビル・エヴァンス
           ベース   スコット・ラファロ
           ドラム   ポール・モチアン

ジャズ専門誌による人気投票では必ず上位に入る(数年前に見たときは1位だった)超人気アルバムである。しかし、好き好きもあるかと思うがじぶんが聴くのは①のマイ・フーリッシュ・ハートだけであとの曲はまず聴かない。

ニューヨークのヴィリッジ・ヴァンガードでの実演だが、素晴らしく録音が良い。ジャズは素人だがその再生は極論だがシンバルとベースの音に尽きると思っている。この盤はピアノもさることながらベースの音がよく録れている。これを聴くたびに我が家のオーディオ装置が貧相になる、そう、重低音の再生が十全ではなく今ひとつ不満がある。

オーディオを長年やってきたが難しい課題の一つに重低音の再生がある。中高音はそこそこの装置で何とかなるのだが、重低音、それも澄み切った清澄感と歯切れの良い重低音だけは簡単には出せない。SPユニットとボックスに特別の工夫がいるようだ。


さて、オーディオ談義はこのくらいにして、この盤の内容についてジャズの専門家のコメントを要約して紹介しておこう。

≪菅原昭二≫著書「ジャズ喫茶ベイシーの選択」より抜粋

演奏もさることながら、録音が素晴らしくピアノ・トリオのライブ録音の最高峰といってよい。マイ・フーリッシュ・ハートの冒頭のピアノの二音が空気をいきなりヴィリッジ・ヴァンガードの店内に変えてしまう・・。かけると一瞬にして空気が変わる!これが良くできたライブ録音の醍醐味だがこれはその中でも格別のもので、まぁ、No.1といっていいだろう。

≪チック・コリア≫(ピアノ奏者)
ビルの美しいタッチの秘密を知りたくていつも一番前の席で聴いていた。鍵盤を覗きたかったが無理だった。強い印象をうけたのは、柔らかいタッチで弾くときでも両手に強い力を込めていたこと。力を込めて優しい音を出す。そのことにびっくりした。自分でも試してみたがとても集中力が要求される。最初から最後までよくあんなことが出来るものだと感心した。また、3人が絶妙のバランスで触発し合っていることに興奮を覚えた。だから、リターン・トゥ・フォーエヴァーのときにもインタープレイを重視したんだ。

≪ハービー・ハンコック≫(ピアノ奏者)
マイ・フーリッシュ・ハートにびっくりしたというよりも焦った。ビルが聴いたこともないハーモニーを用いていたから。あるとき、横で彼のプレイをながめてその秘密が分った。5度の音をあまり使わず、主に7度の音を弾くことでハーモニーに新鮮な味を加えていた。早速その日から真似をしたら、マイルスが怪訝そうな顔をして、私を見ていたよ。(笑)

≪ブラッド・メルドー≫(ピアノ奏者)
ビルの素晴らしいところはどんな曲を演奏しても自分のスタイル、自分のサウンドにしていることだ。一音で彼だってわかる。その個性が音楽をやる場合は重要だ。しかも音楽的にも群を抜いて素晴らしい。この両方を高いレヴェルで確立するのが自分の目指すゴールだ。
このアルバムで好きなのは、ワルツ・フォー・デビイとマイ・フーリッシュ・ハート。タッチが美しくフレーズがいつまでも心に残るほど印象的。どうすればこんなに弾けるんだろうと聴くたびに思う。ついついコピーしてしまって、やっぱり無理だってがっかりするんだ。(笑)

                   

 

   

     


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