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弓の的当てに夢中、笛吹きも 千歳末広小でアイヌの子どもの遊び体験

2014-07-22 | アイヌ民族関連
苫小牧民報  (2014年 7/19)
 千歳末広小学校(山口輝校長)で18日、アイヌ文化学習が行われ、2年生(在籍87人)が昔の子どもたちの遊びを体験した。同校が全校的に取り組んでいる教育プログラムの一環。弓で的当てを楽しんだり、笛を吹き鳴らしたりしながら、自然と共生してきた人たちの暮らしに現代っ子が想像力を膨らませた。
 体育館で行われた同学年3クラス合同の授業。児童はイタドリやヨブスマソウで作った笛「チレクテトプ」、マユミやオンコを材料とする弓「ク」を初めて目にした様子で、ツルで作った輪を投げて二股の木「カリプ」で受け止める遊びが紹介されて興味津々といった観。
 ゲスト講師は同小勤務当時に文化学習を担当し、退職後も協力してきた元教員餌取弘明さん(69)=安平町=。道内の山野に生えている草木を使った道具それぞれを説明し、「弓矢の遊びは獲物の狩り、輪投げ遊びもサケをもりで突いて捕る漁につながる。すべて大人になってから役立つことでした」と解説した。
 文化学習担当の杉森卓也教諭が続けて「昔のアイヌの子供たちは、みんながボールで遊ぶように自分たちで作った物を使って、森や川を遊び場にしました」。この後、児童お待ちかねの体験タイムが始まった。
 体育館には遊び場が三つできた。舞台上に山にいる動物を描いた的が据えられ、児童は子供向けの矢尻のないポン・ク(小さな弓)の的当て遊びに夢中だった。
 頬を膨らませてから長いパイプのような笛を吹いて音を鳴らそうと懸命の表情が見えた。一方では空中に放られたり、転がされたりしたツルの輪を先が二股の枝で捕まえようと一心不乱の光景と歓声が広がった。
 2年1組担任の佐藤学登教諭は「子供たちが楽しみながら段階を踏んで文化について学んでいます」と話した。今回の教室にわくわくしながら臨んでいた古屋洋平君は「弓矢の遊びが一番面白かった」と笑顔で感想を語った。
 アイヌ文化学習は同小で1996年から市内の先駆けとしてスタートし、実践が続く全学年対象の年間通じた教育プログラム。口承文芸や遊び、命、食、暮らし、人権と段階を踏みながら本道の自然に敬意を払いながら暮らしてきた人たちについて児童が学んでいる。
http://www.tomamin.co.jp/20140714998
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