北海道新聞10/05 16:00、10/05 19:36 更新
豊川重雄さんが制作したアイヌ民具が並ぶ作品展
【石狩】旧石狩町生振出身で、元札幌アイヌ文化協会長の故豊川重雄さんが制作した伝統民具の作品展「豊川エカシの技」(実行委主催)が4日、石狩市民図書館で始まった。豊川さんが市内の私設資料館「石狩尚古社」に寄贈した作品を中心に約30点が展示されている。ほとんどが初公開で、アイヌ文化を知る貴重な機会となっている。
豊川さんは10代から20代にかけて家業の漁業に従事。30歳ごろから札幌・定山渓温泉の土産店に勤務するなどし、クマの木彫りやアイヌ民具を制作する木彫家として活躍した。昨年84歳で亡くなった。
展示品は、アイヌ民族の伝統的民具で豊川さんが実際に山で使用したマキリ(小刀)や、儀式で使うイクパスイ(捧酒箸(ほうしゅばし))など。1987年、豊川さんがアイヌ民族の伝統的な漁法を再現・伝承するため、道の許可を得て石狩川でサケ漁を行った際、儀式で使ったイナウ(木幣)もある。
実行委の一員で、アイヌ文化研究のために豊川さんと2週間に1回は会う仲だったという札幌市の山内一夫さん(80)は「石狩でこれだけ多くのアイヌ民族資料を紹介できる機会は多くなく、貴重だ」と話した。
見学に訪れた石狩市内の阿部靖さん(74)は「アイヌ民具を見たのはほぼ初めて。すべて自然の木で作られており、素晴らしい」と見入っていた。
石狩尚古社館主の中島勝久さん(73)は「豊川さんは札幌に移ってからも『石狩アイヌ』と名乗り、郷土を大切にしていた。活躍の記録を石狩の人に見てもらいたい」と呼び掛けている。
入場無料。27日まで。毎週月曜日と11日は休館。
8日午後1時半から、石狩市郷土研究会顧問の田中実さんが「石狩アイヌの富豪漁業家~豊川アンノランと一族」と題して、石狩市民図書館で記念講演する。アンノランさんは豊川重雄さんの祖父。資料代300円。申し込み不要。問い合わせは市民図書館(電)0133・72・2000へ。(成田智加)
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/sapporo/1-0323625.html
豊川重雄さんが制作したアイヌ民具が並ぶ作品展
【石狩】旧石狩町生振出身で、元札幌アイヌ文化協会長の故豊川重雄さんが制作した伝統民具の作品展「豊川エカシの技」(実行委主催)が4日、石狩市民図書館で始まった。豊川さんが市内の私設資料館「石狩尚古社」に寄贈した作品を中心に約30点が展示されている。ほとんどが初公開で、アイヌ文化を知る貴重な機会となっている。
豊川さんは10代から20代にかけて家業の漁業に従事。30歳ごろから札幌・定山渓温泉の土産店に勤務するなどし、クマの木彫りやアイヌ民具を制作する木彫家として活躍した。昨年84歳で亡くなった。
展示品は、アイヌ民族の伝統的民具で豊川さんが実際に山で使用したマキリ(小刀)や、儀式で使うイクパスイ(捧酒箸(ほうしゅばし))など。1987年、豊川さんがアイヌ民族の伝統的な漁法を再現・伝承するため、道の許可を得て石狩川でサケ漁を行った際、儀式で使ったイナウ(木幣)もある。
実行委の一員で、アイヌ文化研究のために豊川さんと2週間に1回は会う仲だったという札幌市の山内一夫さん(80)は「石狩でこれだけ多くのアイヌ民族資料を紹介できる機会は多くなく、貴重だ」と話した。
見学に訪れた石狩市内の阿部靖さん(74)は「アイヌ民具を見たのはほぼ初めて。すべて自然の木で作られており、素晴らしい」と見入っていた。
石狩尚古社館主の中島勝久さん(73)は「豊川さんは札幌に移ってからも『石狩アイヌ』と名乗り、郷土を大切にしていた。活躍の記録を石狩の人に見てもらいたい」と呼び掛けている。
入場無料。27日まで。毎週月曜日と11日は休館。
8日午後1時半から、石狩市郷土研究会顧問の田中実さんが「石狩アイヌの富豪漁業家~豊川アンノランと一族」と題して、石狩市民図書館で記念講演する。アンノランさんは豊川重雄さんの祖父。資料代300円。申し込み不要。問い合わせは市民図書館(電)0133・72・2000へ。(成田智加)
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/sapporo/1-0323625.html