桜の落ち葉が辺り一面を覆う、
冬枯れの寂しさの中、
木の影が、
静かに動く、
弱い陽の光が木漏れ陽となり、
銀色を射る、
椿の濃い緑の葉が辺りを闇とする、、
その奥に薄緋色の一輪、
モミジバスズカケノキの幹の顔が、
人恋しく微笑む、
一本の木、
音の無い空に向かって立つ、
さらに一本、
その向こうにも一本、
気づかないと過ぎ去ってしまう、
椿の林を抜けると、
池に出る、
ガラスのような水面に空が映り、
木々が彩を添える、
池畔に、
スイセン“ペーパーホワイト”が群生する、
冷気に揺れる、
白い可憐なスイセンに、
日本水仙がアクセントとなる、
メタセコイヤが枯れ葉を残して立っている、
シルエットの妙、
ユリノキ、
黒をバックに、
その花がら、
その木の下には、
ツワブキの種が、
風に乗り旅立ちを待つ、
プラタナスの陰影、
青い空に黒い枝、
フランス式整形庭園、
誰もいないベンチを冬の陽が温める、
新宿門に近づくと、
陰影の冬景色から彩りの街に戻り来る、
新宿門の傍らに、
一本のヒマラヤスギが立つ、
新芽を宿す、
一枚のメイプルリーフが枯葉となって杉の木に休む、