西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

作りなす庭をいさむるしぐれかな  (住まいと庭(2))

2005-06-30 | 住まい・建築と庭
一寸正確な漢字仮名混じりになっているか怪しいが、表題にしたのは松尾芭蕉の句であり私の好きな句の一つである。一寸季節はずれだが、住まいと庭の話として聞いて欲しい。この話はもともと俳人の小澤 実さんが書いた『ひととき』という新幹線グリーン車においてある雑誌で読んだ。(雑誌はグリーン車に席を取って読んだ訳ではなく、万葉学者・中西 進先生の助言により「自由に持ち帰った」ものを読んだのである)小澤さんの解説では、意味は、自分が招かれたのは立派に新しく造った庭(本竜寺)であるけれども折からの時雨は、その「人工庭園」を諌めるように降っていることよ、とのことである。つまり、人知を尽くした人工も所詮は自然にはかなわないものだ、ということである。そして、むしろ、新しい人工に自然が時間をかけて加わって(つまり時雨が何年か降り込んで)親和性が出てくるということでもあろう。この句は、実は疋田洋子先生のご退官(この時は、まだご退官!)の記念会食で宇治平等院の近くの料亭に宮城俊作先生の案内で訪れた時、宮城先生への「挨拶句」として引用したものである。そこでひるがえって疋田先生には、次の句を進呈した。
つくりたる家を良くする大掃除 市路

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