ニューヨークに造られた国連本部ビル(事務局棟が39階)の設計は、戦後11人の建築家の協同作業の末、つくられた。NHK衛星TVでそのプロセスのあらましを見た。設計主任は、ウォーレス・K・ハリソン、その下に11人の建築家が集まった。イギリスのロバートソン、フランスのコルビュジェ、ソ連のバソフ、中国のリャン、スウェーデンのマルケリウス、ブラジルのニーマイヤー等だ。最初から、ル・コルビュジェが「リード」したが、設計主任のハリソンは40数回の会議の過程で若いオスカー・ニーマイヤーの案を中心に妥協点にもっていく。ただニーマイヤーは、コルビュジェの弟子であり、コルビュジェが自分の案をニーマイヤーの案に「圧力」をかけて忍び込ませたようだ。この番組で「へ~」と思ったのは、中国のリャンが唯一ビルの広い面を南面させた案を出したこと(私にとっても普通の考え・・)、しかし他の西欧建築家は、事務局、総会場、理事会等の会議場を南北に並べている(建物の広い面は東西に向いている)ことだ。現存のオスカー・ニーマイヤーは、原案の建物と建物の間にあった広いオープンスペースがル・コルビュジェの「圧力」でなくなったのは、「間違いだった、今ならそういうことはしない」と述懐しているのも興味深いものだった。
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