東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

今戸焼② 灯火器

2010-04-10 21:03:46 | 今戸焼(浅草 隅田川)

2007_0101_000000p1010274 右は「ひょうそく」とか「たんころ」とか呼ばれているもの。植物油を注ぎ入れ、中心のへそのようなところにイグサなどを灯芯として立て、火をつけて使ったといいます。透明釉あるいは黄瀬戸や飴釉のような感じの釉薬をかけ焼いたもの。

左は「灯明受け皿」と呼ばれるもの。透明釉をかけて焼いたもの。

左の土色はいかにも「江戸在地系」と呼ばれる東京の土のようですが、右は幾分白っぽい。しかし東京の土でも採取地によって土色の幅はあったようでもあり或いは、まったく他所の焼きものなのか、自信はありませんが、こういうものも今戸焼にあったというイメージは持てると思います。

ちなみに、今戸焼の製品は必ず、江戸東京の土で作られたか、というとそうでもなく、多治見などから取り寄せた土を使う作例もあるので、複雑です。ただ、日常雑器の類は地元の土のものが多いのではないでしょうか?

これらの灯火器は、障子紙を張った行灯の中で、風を防いで使ったのではないでしょうか?植物性の油の鈍い光で闇夜を照らした時代。現代の照明に慣れた私たちからは、薄暗い室内だったことでしょう。


今戸焼① 猫こたつ(行火)

2010-04-10 19:42:13 | 今戸焼(浅草 隅田川)

2007_0101_000000p1010273 今戸焼の中でも土人形、今戸人形へ関心のある私ですが、母胎である今戸焼というブランド名の定義は曖昧で、どれが今戸焼でどれがそうでないか、ということについては?が多いのです。

落語や文芸などに表れている名称から、こういうものがあった、というイメージはあるのですが、、、。どちらかといえば荒物屋などで扱う日常雑器類というイメージで、もちろん落款だの窯印だのがない製品がほとんどでしょう。どちらかというと「今戸焼」といえば、身近すぎて、安価なもの、という感じが一般的ではないでしょうか?

中には、茶道具など幾分高級志向のものに、窯印のあるものも存在はします。しかし製品そのものに「今戸焼」という窯印をつけるようになるのは、懐古調なブランド名として、日常生活から離れてしまった頃からではないでしょうか?

私は学者でも研究者でもありませんから、間違いなどあれば、ご存じの方にお教えいただきたいのです。

画像は「猫こたつ」または「猫行火」。明治頃には今戸で作っていたといいます。画像のこたつが100パーセント今戸であるとは言い切れませんが、こうした感じのものはあったようです。外側の覆い部分の照りは、「黒みがき」といって、素焼きした生地を那智石(あるいは鴨川石)と灯明油によって磨きあげ、黒鉛を塗って再度焼いて仕上げた、と聞いています。また、中の手あぶりは焼成中に炉内に松の枝を入れ、密封すると燻されて瓦質になるとか聞きました。画像のものには燻された素地に銀色の吹き付けのような柄がありますが、これも一般的な今戸焼の仕上げだったのかどうか?今戸や葛飾近辺以外の関東近県でもこうしたものは作られていたかもしれず、画像のものは、あくまで、こういった感じのものも今戸にあったというレベルでしか把握できません。

十数年前、今戸にあった燃料屋さんのおじいさんに聞いた話ですが、大震災前は、上記のように松の枝を燻しに使うため、帆船で茨城県の岩井あたりから川伝いに運んできていた。といいます。

「黒みがき」「白みがき」という言葉は、白井本家である善次郎家の白井和夫さんから聞きました。聞いた話をしっかり理解できているか自信はないのですが、、。

昭和40年代のはじめ頃までは、遊んでいた町内の家々とか縁下でよく見かけたものですが、いつの間にか昔の道具となってしまった、という感じがします。猫こたつがごろごろしていた頃はまだ「今戸焼」という名前はどこのお年寄りにも通じていたのではないでしょうか? 


お稲荷さんとお狸様?

2010-04-10 17:10:07 | ご近所

041 裏手にはもうそばに隅田川が流れている志茂3丁目。お稲荷さん?(私有地なんで中まで覗くのをためらってしまい、わかりません。)赤い鳥居はお稲荷さん、とよく聞きますから。でもそばにはたくさんのお狸様。これって関係があるのか、単なるガーデニングなのか?そういえば、浅草伝法院の隣の鎮護堂はお狸様で有名ですが、確か「茶枳尼天」(だきにてん)とか書いてあったから、豊川稲荷さんと同じ、仏教の守護神なんでしょう。しかし、同じ名前でも狐と狸と違うのは、どういうことなんでしょうか?狸は「他抜き」に語呂が通じるから、やっぱり「勝負に勝つ」「商売繁盛」という縁起にもつながるわけですが、、。

ご存じの方、お教えください。

狐と狸。何だか赤いラベルと緑のラベルみたいな話ですね。こんなこというと罰当たってしまいますかね。