11月もそろそろ後半。さすがに涼しく、肌寒くもなってきました。水が冷たくて手が痺れる季節の前に水簸(すいひ)の作業を済ませておこうと思います。
いつも同じ場所で同じ道具で作業していますし、これまでご紹介してもいますので、またか?
と思われるお方もおいでかと、、、でも基本同じサイクルをまわっているものなのでお許しください。
画面左右に並ぶバケツふたつ。向かって右のは採取してきた近所の土(荒川隅田川の洪積世の土)を水に溶かして撹拌するバケツ。左は右のバケツ泥しょうを篩(ふるい)にかけて不純物を除いた泥しょうを寝かせ、沈殿させるためのバケツです。
まず左のバケツの上澄みの水を取り除いて、沈殿している泥を石膏製の吸水鉢に移します。石膏によって水分が吸収され、適度な柔らささになるまで寝かせます。
空になった左側のバケツへ新たに泥しょうを沈殿させるため、右のバケツ内で撹拌した泥しょうを篩にかけながら左のバケツが満タンになるまで注ぎます。
右のバケツへは随時水を加えて撹拌するので、最初に左のバケツから取り除いた上澄みの水は捨てずにキープしています。
左のバケツが満タンとなれば、右のバケツに隙間ができるので3番目のバケツでふやかしていた土を撹拌バケツに移して水でヒタヒタにして蓋をして次回まで寝かせます。
涼しくなってきたので厄介な蚊に振り回されること少なくなったとはいえまだ強者の秋の蚊が襲ってきたので虫除けスプレーをしました。
蚊といえば、まだ自分が二十代の頃葛飾区内の今戸焼屋さんの仕事場を見学させていただきましたが、屋外で泥を扱うところに水はつきもので、蚊柱が立っていたのとダルマ窯、キセル窯の稼働していない間はトンネルのような空間で蚊たちのねぐらみたいなものだったか。。今戸焼に限らず土の生業には水や蚊柱はつきものなような印象を持ちました。
窯炉内温度が100度を切ったところで蓋を開け、両手にミトンをしながら熱々の取り出しました。籠の中でまだ熱く、仰いでいます。早く冷ましてヤスリがけや地塗りまでもっていきたいところです。