東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

夜干し

2012-11-16 22:21:18 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

P1010972朝夕すっかり寒くなってきました。先月いっぱいアパートからの引越しに明け暮れていたので、来年の干支ものの土人形作りの出だしが遅くなりました。今やっと干支の1種類目の第一陣の室内干しを夜の屋外の風に晒そうとしています。十五夜さんの部屋の物干し台に運んでいるところです。いきなり直射日光に晒すのは心配ですが、ある程度室内干しで乾いてきてはいるのでまずは夜の外気で乾かし、漸時昼間のお天道さまに晒します。

来年の干支である巳の土人形って昔の今戸焼の人形の中に案外見当たらないのです。最後の生粋の今戸人形師であった尾張屋・金澤春吉翁(明治元年~昭和19年)の作の蛇が昔葛西のほうの弁天様だったか水神さまだったかでの授与用に一時期あったような話をどこかで聞いたか読んだかしたような気がするのですが、その実物を観たこともなく、それ以前の明治、江戸の人形も蛇は伝世品も出土品も観たことがありません。

P1010974
仕方なく今年も創作になります。画像の奥に篭に並んでいるのがその中のひとつ。三寶の上に小判の山。その上にとぐろを巻いた白蛇が宝珠を抱いているという構図です。現在ほかにも何種類かの原型を起しつつありますが。型から抜き出してあるのは今のところ画像のものだけです。三寶がなかなか抜き出しにくくて一度起こした型を分割して作り直し、三寶の下の部分と上の部分を別々の型で抜き、組み合わせてひとつの形にし、その上の蛇も別の型で抜いて貼り付けるようにしました。

P1010973手前の篭に入っているのは丸〆猫ですが、これも新しく起こした型です。清水清風の「うなゐの友」に描かれた図を立体化してみました。従来作っているものと構図は同じなのですが、よだれ掛けに首輪がない点、腰をひねったラインと目鼻の感じが異なります。裏の丸〆の彫りも異なるようにしてあります。早く乾燥させて早く色を塗ってみたいです。

物干しに並べようとしているところ、十五夜さんが膝の上に乗ってきました。

P1010975

清水清風「うなゐの友」に描かれた「丸〆猫」の図はこちら→


今戸焼?布袋様の火入れ(手あぶり)

2012-11-09 22:35:13 | 今戸焼(浅草 隅田川)

P1010970_2つい先日終えたアパートの引渡しの際ようよう自宅へ運び出した火入れです。とにかく大きくて肉厚で重いものです。持ち上げるだけでも結構な重量です。

この火入れについては今戸焼なのかな?と思って以前入手したものではありますが、未だ確証もなく何とも言えないものなのですが、今戸焼のカテゴリーの記事として取り上げてみたいと思います。ご覧くださっている方々のどなたかご存知のことがあったらお教えいただきたいと思います。

写真でははっきり見えませんが、素焼きの土の色は今戸といってもよいくらい似ています。入手した折には中に灰が入っていました。そのためか表面が灰で汚れて白っぽく見えます。

胴体を前後2枚の割型から抜き出し抱えている鉢の口縁部分をくり抜いています。頭は別の2枚の割型から、それと両耳もそれぞれ別の2枚の割型から抜き出してそれぞれ接合してあります。

この手あぶりは茨城県内の旧家から出てきたものだそうで、土の色とともに「今戸では?」と思ってしまう拠り所なのですが、都内の近世遺跡から同様のものが出土しているというのを聞いたことも観たこともないのです。或いは伏見人形にこうした型があったのかどうか?

昨日の朝、偶々観ていたNHKの朝のワイドショーで愛知県長浜市にある三州瓦の製作所からの中継で鬼瓦を作っている場面が流れました。そしてそこで作られている製品の数々が画面に現れた中に、この火入れとほぼ同じ構図のものがありました。(もっと小さなもので、瓦質のものでした。)

そうするとこの手あぶりと共通するものが三州にあるとして、今のところ三州との関わりが考えられるということになりますが、今戸焼の発祥についての話の中には三州が技術の先進地であったようなこともあったように聞いていますし、、。しかしこのタイプの布袋様、他でも作られていたのかどうか、、?何かしらご存知の方いらっしゃいましたらお教えください。

P1010971


雑穀?

2012-11-08 18:04:55 | ご近所

P1010965ここは東十条駅の近く、商店街に面した空き地です。ここにはかつて何屋さんがあったのだろう?と考えても思い出せず、、確かに何屋さんかがあったはずなのに思い出せない。通り過ぎる度に空き地に伸びている草を眺めていたのでした。

そして先日目についたのが、雑穀か?とも思える実った穂をつけたいくつかの株です。これって食べられれるものなのだろうか?もったいないな、、。と思いながら通り過ぎるこの頃です。アワ?ヒエ?それとも何でしょうか?収穫して干しておけば冬場のスズメさんのおやつくらいにはなるものでしょうか?

P1010966_3P1010967


今戸焼(50)「暫」の菓子器(白井半七 作)

2012-11-08 17:50:03 | 今戸焼(浅草 隅田川)

P1010968高台の横に「寿み田川焼 半七」の陶印があり、関東大震災による被災の後、関西へ移住した7代目白井半七(今戸で制作した最後の半七)の作だろうと思われます。べんがら(酸化鉄)のようなもので素焼きを化粧をし、全体を柿色にしてから白化粧土でしょうか三升の紋を置いて上から有鉛の透明釉をかけて低温焼成したものでしょうか?ところどころ銀化していて、不思議な変化があっておもしろいと思います。共箱の蓋にも器の底にも「暫」とあります。歌舞伎十八番のひとつ「暫」の主人公鎌倉権五郎の姿に見立てたもののようです。

お茶のことを全然わからないでこうしたものを眺めているというのもおかしな話ですが、器を何かに見立てる趣向というのはあるにしても、暫というのが不思議です。図らずも江戸歌舞伎の随市川の暫の見立てを今戸焼の白井半七が作ったというところに出来すぎるくらいにできた江戸つながりといったものを感じるのですが如何でしょうか?

菓子器ですから当然お茶器よりもふたまわりくらい大きなもので、「暫」の劇中での「あ~りゃ」の化粧声に続いての「でーっけえ」と決まる元禄見得をイメージしたものなのでしょうか?

当時の芝居関係の人による注文で制作され、配り物とされたものか、芝居好きの頒布会のようなところからの注文によるものなのか皆目わかりません。

P1010969


ふじばかまとほっこりマット

2012-11-01 12:33:17 | おともだち

P1010964秋真っ只中?この数日は夜半には薄ら寒くさえ感じられるようになりました。それでも日中にお天道様さえ照ってくれれば、自転車で買い物するくらいでもうっすら汗ばみますね。このくらいのお天気が一番好きです。膠を使うのにも夜半のこのくらいの薄ら寒さならば大丈夫。これからもっと寒くなれば膠の効きのためにはいいですが、湯沸かし器のない陽の当たらない仕事場が寒くなるので(ストーブはありますが、、。)真夏の暑さは嫌いですが明るさという点では、これからのうす暗くなる季節は気分的にも沈みがちなので、このくらいのままだといいんですが、、。

物干し台のふじばかまが満開です。よい香りが部屋にもしてきます。数年前に川口の安行で買ってきた鉢植えですが、鉢の中で根がパンパンに張っていたので今年の正月すぎに株を3つに分けて3つの鉢植えにしました。画像のはその中のひと鉢です。のこりの2鉢は夏の間一階のブロック塀のところに置いていました。夏は太陽の光が真上から照りつけるのでよかったのですが、季節とともにだんだん日差しが斜めの角度になると、わが家のある路地は谷間の底のようにほとんど日照時間がなくなります。2鉢のふじばかまも物干しにあげて陽を浴びせているのですが、画像のひと鉢とは丈も花のつき加減もかなりのギャップがでています。何とか全部の鉢植えに陽に当ててあげたいのですが、、。

話は変わって、猫さんたちには今がちょうど日向ぼっこに最適な季節なのでしょう。もっと寒くなればもっと貴重?十五夜さんの部屋にはぎりぎりで陽差しは届きます。夜は薄ら寒くなるので窓を閉めたほうが幾分寒さも凌げるとは思いますが、しめ切ると今度はストレスになりそうでいくらか開けたままです。そのくせ寒いのかもしれません。昨日近所のスーパーにおかずを買いに行ったところ、ワンちゃん猫さん向きの「ほっこりマット」というのが山積みされて売られていました。一枚買ってきて床に敷いてみたら、十五夜さんもわかるんですね。「ここだよ」と言わなくてもマットの上でごろっとしています。十五夜さんの寝転び方というのはちょっと癖があって、床が柔らかろうが固かろうが、柔道の受身の練習のように弾みをつけてごろんとなるんです。ちょっと癖になっているのか最近マットの上におしっこしますので敷物類もスペアを用意してほとんど毎日洗濯しています。この「ほっこりマット」にもおしっこしてしまったので、スーパーから余分に2枚買ってきて洗濯でまわしていきます。

P1010963