東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

地口ゑ手本から①

2010-04-03 07:24:05 | 今戸人形(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

2007_0101_000000p1010253 ボロボロになった和綴じ本。初午の稲荷祭だとかお祭に掛ける「地口行灯」というものがあります。現代でいうところの駄洒落、とかボキャブラといった類の滑稽な言葉遊びを絵に仕立て、木枠に貼って飾るものです。必ず「元句」(もとになる言葉)があり、それをもじって滑稽な言葉にします。行灯に描かれた絵と言葉を観て、元句を思い出し、その脱線のしかたを楽しみます。

「地口ゑ手本」はそうした遊びが昔から流行っていた物証でもあるし、際物屋が描く地口絵(描いたものを商品として売り、買って木枠に貼って飾る。)の虎の巻であったことが興味深いと思います。

私の手元の「ゑ手本」ですが、表紙は「芳春画」とあり、中身の絵師は「龍斎 英一戯画」とはあるものの、版元や発行年についてのページが失われているので時代はわかりません。

その中の見開き、、、、

右ページ

「お手がなるなら銚子とさとれ」 (元句)

「後家が這うなら 養子とさとれ」

後家さんの姿の悩ましいこと、、!

元句は諺なのかよくわかりませんが、この手の言葉は音曲などに残っていますね。

「お手がなるから 銚子の替り目と 上がってみたれば お客が三人庄屋ポンポン(コンコン?) 狐拳」(清元 「申酉」 本外題「再茲歌舞伎轢」(またここにかぶきのはなだし)文政九年初演)というのがありますね。

左ページ

「じだい我等は都の生れ」 (元句)

「じだい あねさま 今戸の生れ

元句は長唄「風流 船揃」(安政3年初演)の一節のようです。「今戸のあねさま」というのは裃雛の女雛のことで伝世の人形はもとより、近世遺跡からの出土品の数も膨大で、今戸焼の人形のベストセラーのひとつだったと思われます。後ろに描かれている手あぶり火鉢もまた、今戸焼っぽいですね。

川柳「柳多留」に「村の嫁 今戸のでくで 雛まつり」というのが有名ですが、「今戸のでく」というのは「裃雛」のことを指しているのだと考えられます。

それにしても、この「ゑ手本」はていねいに元句まで説明して種あかししてますが、大抵は地口と絵だけで、自分で元句を考えることが遊びのひとつです。

絵と同じ構図の裃雛の後ろ姿の画像はこちら→

裃雛の画像はこちら→

 

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