東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

お参り

2019-02-23 21:40:03 | 日々

 早いもので2月に入ったと思っていたらもう20日過ぎ。来週は2月も最終週。江戸からの伝統を受け継いだ最後の生粋の今戸人形作者であった尾張屋 金澤春吉翁(明治元年~昭和19年)のご命日は2月29日なのですが、今日尾張屋さんへお許しをいただいてご墓所へお参りに出かけてきました。お昼過ぎはぽかぽかとしたお天気で自宅から自転車で今戸へ向かいました。

 春吉翁の作業風景。「きせる窯」に焚きつけているところ。現在の今戸町内からは想像するのも不思議な風景。自分が20代の頃、今戸の町内で燃料屋さんを営んでいらしたお爺さんからお話を聞くことができて、そのお爺さんは尾張屋さんのことも憶えていてお話を聞くことができました。また20代の頃、春吉翁のお孫さんである佑助さんに直接お目にかかる機会があったのもラッキーでした。その後お宅にお邪魔させていただいて長時間いろいろなお話を聞かせていただいたのもありがたかったです。時間の経つのは早いです。佑助さんと奥様も春吉翁とともにお参りさせていただきました。

 紅白の梅。ちょうど今くらいが見ごろですね。

ハスキー君がお散歩から帰ってきたところで、久しぶりに再会することができました。

 来週は父の法事があり、その支度もあるので、ちょっと早いのですが今日お参りさせていただきました。

 往きは明治通りの宮地から三河島、東日暮里、龍泉、吉原大門から山谷堀経由で今戸へ向かいましたが、千束稲荷前を通ったら、まだ境内に地口行灯が飾られていました。

 帰りは金美館通り、根岸、子規庵経由で日暮里へ、西日暮里で道灌山下へまわって駒込、染井、西ヶ原経由で帰宅しました。


裃雛(ドガミシモ)

2019-02-20 03:10:56 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 未だ摩利支天が完成していないところ急がなければならないものがいくつかあり、なかでもしまってあった割型を探し出して型抜きしているのが裃雛の一対。今戸の土人形の中でたくさん作られたであろうベスト3のひとつ。(稲荷の狐と恵比寿大黒とならんで)

 画像の型は十数年前に型を起こしたもので何度か型抜きして作ったものの、まだ更に練り直す必要を感じていて最近あまり作らなかったものですが、昨年の丸の内丸善オアゾでの「みそろぎ人形展」の会場へ自分も籍を置いている日本人形玩具学会の会員の方で郷土雛を専門に蒐集されている方がおいでになって作って欲しいということで、まだ決定版ではないという説明の上、それでもご希望ということなので今型抜きしているというところです。お宅のほうでは、これまでお集めになられた雛を飾っているのでその間にうちの裃雛も一緒に並べてみたいとのこと。

古い川柳に「村の嫁 今戸の土偶で ひなまつり」(柳多留)とあるのは、この裃雛のことだと思われます。かなり作られたようで、都内の近世遺跡から出土する色のとれた土人形に大抵混ざっている。下総や上総方面へ大量に売られていたようで、それが後に、千葉県の芝原人形や飯岡人形の手本となったという話もあります。大量に、また長年にわたって作られていたようなので、一見同じように見えて顔や着物の部分に少しずつ違いのある型が存在します。画像の型は明治時代の型が甘くなっている人形を手本に作ったものなので群青色と赤系統で塗りわけていくことになります。江戸時代の配色もやってみたいのですが、明治風の形にはそぐわないと思うので、型を別に作ってから、と考えています。

 この裃雛の女雛は、「姉様」とも呼ばれていて、地口などにも記されています。


ちょっとうれしい。

2019-02-16 16:35:41 | 街角

 

 昨日日中は定期的な通院で自転車で出かけたのですが、寒くて風花が舞っていました。

帰り道、近道で通り過ぎた神社の境内にあるお稲荷さま。普段は扉が閉じているのですが何故か昨日は開いていて賽銭箱の両脇にちらりと見えた土の狐らしきものが見え、通り過ぎたところを引き返して自転車を置いて、覗いてみました。

 鉄砲狐らしいですがどこのものか?、、、ひょっとして、、。

 欠けて継いである様子。よくよく見れば、拙作のものです。

 一昨年暮れまで浅草被官稲荷に納めていた鉄砲狐です。しかもそういえば、このお稲荷さまの閉じられた扉の外で以前見かけてここのブログでとりあげたことがあり、その後通り過ぎてもなくなっていたので、古びたので廃棄されたものだと思っていたので、今回のこの一対は以前見かけたものと同じかもしれません。でも片方の欠けたのを継いで直してまだお供えしてくださっていたというのは作った本人としてはうれしいことです。

 被官さまのほうはすでに拙作のをコピーした京都製のものに代わっていると思いますが、思わぬところでまだお稲荷さまに寄り添っていさせてもらえるのはうれしいですね。


二の午

2019-02-11 10:12:57 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 昨年の後半はいつもながら納めがノンストップで燃え尽きてしまった、のひとことでした。

大晦日の王子への納めのついでの装束稲荷さまのテントを覗いたら拙作の招き狐がまだ箱にならんでいたのでほーっとして帰宅。

その後年があけてから初午に向けて作ってお持ちするつもりだったのがお雛様で案外時間がかかってしまって画像にある分しか型抜きできませんでした。そして初午の日をうっかりしてしまいました。

 先日愛好家の方からメールをいただき、初午に王子に行ったが、欲しかった招き狐が売れきれと言われた由。

本当に申し訳ありません。とはいっても今川焼や鯛焼きのようにすぐに焼いてあつあつをお届けできるものでもなく、、今週二の午なのでせめて画像の分だけでも装束稲荷さまへお届けします。

(画像の招き狐の彩色は装束稲荷さまからの授与向けのタイプです。日本民藝館展に出品した際はきら(雲母粉)地にきはだと蘇芳の煮出し汁で彩色したパターンで民藝店などへ納めています。)

 


郷土玩具 雛の会(仙台 光原社)

2019-02-11 09:47:23 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 2月4日(火)より14日(木)より、仙台 光原社で「郷土玩具 雛の会」という催しがあり、各地の郷土雛が陳列販売されています。

私へも新年明けの5日に製作の注文をいただいていたのですが、旧年の疲れや体の痛みのため、受注が会期一か月前を切っていたのに加え、足腰のためのプール通いモードだったため、出だしが遅れて、先週末に人形をお送りした、という次第です。日頃から人形の作り置きはしていないので受注してから型抜きを始めるためすぐには発送できずご迷惑おかけしています。

 催事の様子(お店のサイトより)色とりどりですね。

うちからお送りしたものはこんな感じ。遅くなって申し訳ないです。発注をもっと早くいただいていれば動きもいくらか早くできたかも、、、?