東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

秋のお彼岸 お参り

2024-09-23 18:57:39 | 街角

 秋のお彼岸。入りの日は用事で親戚を訪ねていたので家におらず、2日目が天気がくずれて、今日3日目に自転車で今戸へお参りに出かけました。

今戸人形の江戸以来の伝統を引いて製作されていらっしゃった最後の生粋の今戸人形師だった尾張屋 金澤春吉翁(明治元年〜昭和19年)の御墓所です。

 いつもお墓をお掃除させていただいてからお花やお線香をお供えしていますが、今日は既にご家族の方々のお参りされた後のようで、きれいなっていてお供えされた花もまだいきいきとしていたので、水だけ替えさせてもらい、持参した花やシキミも一緒にお供えさせてもらい、お線香をあげさせていただきました。春吉翁の作品をはじめ昔の今戸人形をお手本にしながらうまくできることお導きくださいますよう。。。

 一昨日あたりからか天気が楽になりました。涼しい風が吹いてお参りの往復が楽でした。帰り、千束町の軽食屋さんに寄ってもんじゃとかき氷をたべてきました。値段といい味わいといい、近頃の高級食材を使って値段も高級なもんじゃとは明らかに違ったチープで気さくな感じの味。宇治小倉ミルク+アイスのかき氷は氷の山の上にもかき氷の下にもずっしりのあずき。自家で煮た食感。街なか、繁華街の店だったらこの値段でこのずっしり感は期待できないのでは??と思いました。

 これから例年の製作の流れと同時に昨年来滞ってご迷惑をおかけしているものも作り上げてお渡しする責任を感じています。


追加搬入(5日目)

2024-09-01 16:02:01 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 会期5日目。残すところ残り2日。遅れ馳せながら追加の人形を運び込みました。2種類。

 ひとつは「座猫(大)」昨年の日本民藝館展で選に入れていただき、雑誌「民藝」の民藝館展特集のグラビア画像に採り上げていただいたのと同じ手です。

 昔の今戸人形には大小さまざまな座猫が作られていて、前垂れを描いたもののほか、このように草花た吉祥柄を描き込んだものもあり、当時庶民の手には届かない高価な「御殿玩具」の影響下に生まれたタイプではなかったか、という声も聞きます。

 もうひとつは「朱鍾馗」。最後の生粋の今戸人形師だった尾張屋 金澤春吉翁(明治元年〜昭和19年)のお作りになられた人形を手本に起こしたものです。全体が朱色(赤)がかった色調で、「赤物」と呼ばれる人形や玩具のひとつと言えます。昔、医療の発達していなかった時代には病は想像以上に恐ろしい存在だったはずで、瘡(疱瘡)は薬もなく呪いで対処する他ありませんでした。

 疱瘡神の仕業であり、疱瘡神は赤い色を好むと信じられていたので「赤絵」と言われる赤系統の顔料染料を主に印刷された絵(鯛、だるま、みみずく、鍾馗様などを描かれた)や赤い人形、玩具を子供に与えれば、疱瘡は赤い絵や人形玩具に引きつけられ、子供が守らられる、という切実な願いでした。

 血の色のような赤が理想だったのかもしれませんが、顔料の成分として長い間真っ赤な顔料は庶民の手に届くものではなかったので鉛由来の丹色(オレンジ色っぽい)や朱色で宛てられていました。尾張屋さんの彩色には昔の色彩の感覚が伝わっていたのだと思います。

 鍾馗様の割型が長いこと家の中で行方不明だったのが先ごろみつかり久しぶりに抜き出しました。


追加搬入(3日目)

2024-08-30 16:53:33 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 

 

 

 

 

 前日搬入のあと、追加分を急ぎ塗り上がった分を3日目午後に持ち込みました 追加してもスペースをくまなく埋める嵩ではありませんが、また追加に持ってきたいと思います。 

 


「みそろぎ人形展」前日搬入

2024-08-28 04:36:54 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 

昨夜、搬入日で会場へ行ってきました。作業するスペースの問題で、能率がよいとはいえず、前日までに完成させて並べることができたのは限られており、初日いちばんには私のブースには招き猫の火入れ他ががならんでいるくらいですが家でできあったものを毎日追加に出かけられたら、と思っています。どうかご推量ください。よろしくお願いいたします。


憚りながら。。。。(;一_一)

2024-08-20 11:47:21 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

今日8月20日。「みそろぎ人形展」搬入まで1週間。。ヤバシ(-_-;)

 ネットとかに疎いのでどうなっているかわからず確かめようがわからないのですが一昨年開催のときのように(昨年度開催の際には手術のため入院していたので入院前に少数の作品をお願いしたのみ。)出品リストが公開されているのでしょうか?

 もしそうだとすれば自分分のリストの数量についてはあくまでそうであったならばという希望値であることをご了承ください。今現在の支度の状況から、初日に希望全種類並べるのは厳しく、会期中に出来上がりを追加できるよう頑張りたいと思います。ご迷惑おかけしますがよろしくお願いいたします。

 


窯入れ·素焼き

2024-08-09 23:23:31 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 すべて予定しているものを型抜き終えたのでもないのですが、特に大型で乾燥に時間のかかる火入れは最優先で型抜きして干していたものが乾燥できているのと炉内で場所を占めてしまうので、早々に窯詰めして素焼きを済ませておこうと動いているところ。

 かねがね狭いスペースでの場所のやりくりに気を揉んでいるのですが、窯を稼働させるにあたって、廻りの可燃物は退かさなければならず、その移動先についても頭を抱えます。

 寝違いのためなのか右腕が痛くて充分に使うことができずに難儀。しかとりあえず炉内に乾燥完了分は詰め終わって、素焼きに稼働させています。明日早朝に炉内温度を見ながら水分を逃がすための半開きの蓋を閉め、炉内の温度を上昇させます。そのために目覚ましをセットして。

 追記:長いこと見当たらなかった鍾馗さまの割型がみつかり、抜き出しています。

 


お知らせ(みそろぎ人形展 2024)

2024-08-06 09:12:12 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 毎年恒例になっている「みそろぎ人形展」今年は例年より早い開催となるようです。

 うっかりして早めの会期となることに気がつくのが遅かったため、後れて今ドタバタ支度しているところです。

 私事ついでに、今年にはじまったことではないのですが、作業しているスペースの問題で、この上半期には打ちのめされるような場面にたびたび遭遇して、自分ではこれを「8時だよ全員集合的カタストロフィ」と名付けたくなります。

 あの番組をご覧になられた方ならイメージしていただけるしょうか?番組前半のコントで天井からタライが落ちてきたり、梁が折れてぶつかったり、最後の落ちは家が崩れたりして♫テテレテッテケテッテ テッテケテテ テテテ〜♫とお決まりのメロディーで終わります。

 これなんです。今年の干支の辰(竜)の彩色していて、塗ったものを乾かすのに並べて干していたら、その土台がいきなり崩れて落ちてこなごなになったり、狭いスペースで「火入れ」など大型の型抜き作業の動き結構慎重になるんですが、やっと抜きあがったところに棚上から木箱落ちてきて直撃されたり、型抜きした人形を窯スペースで自然乾燥させいたら、先日のゲリラ豪雨で横なぐりのシャワーが家の外壁を伝って窯スペースへ降ってきて乾燥しつつある人形が濡れてバリバリ全滅したり。。。ドリフのコントそっくりです。

  そんなこんなで打ちのめされて、お世話になっているお店等にもお納めが遅れていて申し訳ないですが、こればっかりは行動で誠意を示す他ないので遅れても作ってお納めしたいです。

  そんな中での「みぞろぎ人形展」。これ世間さまとの大切な接点のひとつとして参加させていただけるのはありがたい限り。ただ先日のドリフ豪雨でやられてしまったことあり、会期中に追加に追加みたいに出来上がったものを並べさせていただくようなことあるかもしれませんがよろしくお願いいたします。

 現在制作中です。

会場は例年と同じ、東京駅丸の内北口前の「丸の内 丸善オアゾ」4Fのギャラリーです。自分の出品ついては追って具体的にお知らせいたします。

 

 


採土

2024-07-17 19:11:56 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 4月以降更新していませんでした。ご無沙汰しておりました。

さて地元の中学校時代の同窓生の人たちに、近所で工事があったならば、材料となる東京の土キープのため知らせてほしいとかねがねお願いしていまして、教えてくださる方々に感謝しています。

 今朝もお知らせいただいて掘り出された土をいただいてきました。現在の隅田川の流れから直線で数十メートル離れていない地点です。

 

 掘り出された土の山の中には胎土とは関係ないものも混ざっているので粘土層の片割れらしき部分だけ目視で取り分けていただいてきました。

 昨晩まで雨に濡れて湿って粘り気があるので、このまま水簸(すいひ)にかければ作業もやりやすいと思います。

 ひとりの作業でできる作業は劃られていますが、こうして材料をもらえるときにキープできればいくらか安心です。

 思い込みと言われれば、それまでですが、腐っても東京の土で作っています、ということが作る矜持にもなっています。

 


まだ4月なのに。。

2024-04-28 13:31:43 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

一昨日まで家の用事で亡父の故郷の山形ととなりの宮城に出かけて帰ってきたところですが、あちらでもウグイスやカエルの声が聞こえてくるくらいに季節がすすんでいました。

 今日の東京、まだ4月であるのが信じられない蒸し暑さです。私の住む赤羽では年に一度の馬鹿まつりで駅周辺でいろいろなイベントがあるようで人出があるようですね。

 水浴びしたいくらいの陽気なので水簸(すいひ)作業向きでもあります。

先日作業して沈澱している上澄みの水を取り除いてできた空きスペースに撹拌した泥しょうを篩(ふるい)にかけながら流し込みます。

撹拌用のバケツにできた空きスペースには水を張って採ってきた土を柔らかくしていたバケツから加えておいて撹拌にまわしていきます。

 

 

 


田んぼといっしょ?

2024-04-15 18:42:44 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 だいぶ日差しも力強くなってきて汗ばむほどになってきました。土づくりして貯めてあった分がなくなってきて給水鉢に寝かせてあったのを練って使える分がぎりぎり。水も痺れる冷たさではないので水簸(すいひ)作業を今日再開。

昨日今日、所によっては蚊柱が立っているのを目にしたり、泥を撹拌しているところに早速蚊が寄って来たりと、今さらながら自分の作業のサイクルがまるで稲作のと重なっているのかな?とひとり合点したりしてます。田んぼに水を引いて代掻きだ田植えだという地方もあるでしょう。そういう作業の傍らカエルの合唱も始まるイメージです。我が家は住宅密集地の中でカエルの声にはご縁がありませんが、泥バケツの前に腰掛けていると、何やっているのか猫さんが遠巻きにチェックしに来ます。


葛藤

2024-03-28 10:13:11 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 こういう問題はひとり腹に抱えておくべきか、でも生来隠しておけない性分だからアップしてしまいます。お納めさせていただいているお店のお客さんで、拙作の両手挙げて招いている狐が欲しいという方がいらっしゃるそうで、おそらく狐拳の狐をイメージされているのだと思います。狐拳は庄屋と猟師と狐で拳を打つ人形で組でこそ意味をなすものです。愛好家の方が狐拳の狐一体をまねき狐として楽しまれることには一向に構わないことなんですが、狐拳の狐だけ注文されるのは本来意味から逸脱することを作り手自らに要求されるようで自分自信が欺瞞に働いているような気になっています。

  ただそのお客さんのご希望を叶え差し上げたいので将来的には狐拳とは別の独自両手招き狐を創作して差し上げたいとは思いますが今すぐというのも厳しい話。そこでかなり昔、三十年くらい前に狐拳として型起こししていた時期の現在よりも大ぶりな狐を暫定的に単体で彩色してみました。あくまで件のお客さんのご希望のためにです。

 こういう小さなことが後になって今戸人形への社会的認識のズレに繋がったりはしないか。。と。例えば今は常滑系の形の亜流的な招き猫があたかも江戸時代以来の今戸の伝統みたいに思っている人のほうが多いような感じがしますが、これも前の時期ひとつのボタンのかけ違いからこうなってしまったといえます。狐の人形ひとつでもそういうことになりはしないか葛藤しています。

 

 


お知らせ「中野ひな市 2024」

2024-03-26 17:29:16 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 今年もまもなく長野県中野市のひな市が開催されます。ひな市スケジュールに中、「全国土人形即売」という枠の中で拙作のもの出品させていただく方向でお送りさせていただいてます。自分にとって作ったものを並べていただけることが何よりもありがたいことです。お出かけの方いらっしゃればご高覧賜りたくよろしくお願いいたします。


松の太夫

2024-03-26 12:16:42 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 数年前に起こした江戸時代の太夫をお手本に作った太夫の形に尾張屋さん風の配色パターンで塗ってみました。裲襠に松が描かれているいわゆる「松の太夫」風な彩色に初挑戦。型が尾張屋さんのものより丸っこい感じなのと腰から下がやや詰まっているのですが、面描きは尾張屋さんのゆったりのんびりしたタッチをそのままでは難しいので筆を走らせるようなイメージで描いてみました。自画自賛になるかもしれませんが、ファーストトライとしては悪くはないように思いますがどうでしょうか。裲襠の配色は春吉翁作のものには別のパターンもあります。額の辺りのバランスも更に練習が必要だとは思っていますが。。ブギウギではないけれどズキズキワクワクしながらの彩色です。


窯入れ·素焼き

2024-03-20 10:51:23 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 炉内スカスカで満を期して、という状態ではないのですが急ぎでこうなっています。当然炉内いっぱいにして素焼きするのが自分なりの納得ですが、、。確定申告とかのハードルがなかったら、、とボヤぃても。。。まあ人生山あり谷ありとかいいますけど。。。ボヤッキー。

これからMAX800℃の素焼き。炉内500℃に達するまでは蓋を密封せず水分を逃します。

 明日遅くに炉内温度が100℃以下に下がっていれば取り出すことができそうです。

 無事に焼き上がりますように。。


春のお彼岸

2024-03-18 11:52:08 | 日々

 

 お彼岸2日目。江戸伝来の今戸人形生粋の最後の作者 尾張屋·金澤春吉翁 (明治元年〜昭和19年)の御墓所へお参りさせてもらいました。風が強かったですね。突風の中、自転車に負荷がかかって進みにくかったり、ペットボトルが路上に舞い上がったり、、。日差しは暖かく、寒くはありまでんでした。お掃除させてもらってからお線香をあげてお参りさせてもらいました。