東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

採土

2024-07-17 19:11:56 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 4月以降更新していませんでした。ご無沙汰しておりました。

さて地元の中学校時代の同窓生の人たちに、近所で工事があったならば、材料となる東京の土キープのため知らせてほしいとかねがねお願いしていまして、教えてくださる方々に感謝しています。

 今朝もお知らせいただいて掘り出された土をいただいてきました。現在の隅田川の流れから直線で数十メートル離れていない地点です。

 

 掘り出された土の山の中には胎土とは関係ないものも混ざっているので粘土層の片割れらしき部分だけ目視で取り分けていただいてきました。

 昨晩まで雨に濡れて湿って粘り気があるので、このまま水簸(すいひ)にかければ作業もやりやすいと思います。

 ひとりの作業でできる作業は劃られていますが、こうして材料をもらえるときにキープできればいくらか安心です。

 思い込みと言われれば、それまでですが、腐っても東京の土で作っています、ということが作る矜持にもなっています。

 


まだ4月なのに。。

2024-04-28 13:31:43 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

一昨日まで家の用事で亡父の故郷の山形ととなりの宮城に出かけて帰ってきたところですが、あちらでもウグイスやカエルの声が聞こえてくるくらいに季節がすすんでいました。

 今日の東京、まだ4月であるのが信じられない蒸し暑さです。私の住む赤羽では年に一度の馬鹿まつりで駅周辺でいろいろなイベントがあるようで人出があるようですね。

 水浴びしたいくらいの陽気なので水簸(すいひ)作業向きでもあります。

先日作業して沈澱している上澄みの水を取り除いてできた空きスペースに撹拌した泥しょうを篩(ふるい)にかけながら流し込みます。

撹拌用のバケツにできた空きスペースには水を張って採ってきた土を柔らかくしていたバケツから加えておいて撹拌にまわしていきます。

 

 

 


田んぼといっしょ?

2024-04-15 18:42:44 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 だいぶ日差しも力強くなってきて汗ばむほどになってきました。土づくりして貯めてあった分がなくなってきて給水鉢に寝かせてあったのを練って使える分がぎりぎり。水も痺れる冷たさではないので水簸(すいひ)作業を今日再開。

昨日今日、所によっては蚊柱が立っているのを目にしたり、泥を撹拌しているところに早速蚊が寄って来たりと、今さらながら自分の作業のサイクルがまるで稲作のと重なっているのかな?とひとり合点したりしてます。田んぼに水を引いて代掻きだ田植えだという地方もあるでしょう。そういう作業の傍らカエルの合唱も始まるイメージです。我が家は住宅密集地の中でカエルの声にはご縁がありませんが、泥バケツの前に腰掛けていると、何やっているのか猫さんが遠巻きにチェックしに来ます。


葛藤

2024-03-28 10:13:11 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 こういう問題はひとり腹に抱えておくべきか、でも生来隠しておけない性分だからアップしてしまいます。お納めさせていただいているお店のお客さんで、拙作の両手挙げて招いている狐が欲しいという方がいらっしゃるそうで、おそらく狐拳の狐をイメージされているのだと思います。狐拳は庄屋と猟師と狐で拳を打つ人形で組でこそ意味をなすものです。愛好家の方が狐拳の狐一体をまねき狐として楽しまれることには一向に構わないことなんですが、狐拳の狐だけ注文されるのは本来意味から逸脱することを作り手自らに要求されるようで自分自信が欺瞞に働いているような気になっています。

  ただそのお客さんのご希望を叶え差し上げたいので将来的には狐拳とは別の独自両手招き狐を創作して差し上げたいとは思いますが今すぐというのも厳しい話。そこでかなり昔、三十年くらい前に狐拳として型起こししていた時期の現在よりも大ぶりな狐を暫定的に単体で彩色してみました。あくまで件のお客さんのご希望のためにです。

 こういう小さなことが後になって今戸人形への社会的認識のズレに繋がったりはしないか。。と。例えば今は常滑系の形の亜流的な招き猫があたかも江戸時代以来の今戸の伝統みたいに思っている人のほうが多いような感じがしますが、これも前の時期ひとつのボタンのかけ違いからこうなってしまったといえます。狐の人形ひとつでもそういうことになりはしないか葛藤しています。

 

 


お知らせ「中野ひな市 2024」

2024-03-26 17:29:16 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 今年もまもなく長野県中野市のひな市が開催されます。ひな市スケジュールに中、「全国土人形即売」という枠の中で拙作のもの出品させていただく方向でお送りさせていただいてます。自分にとって作ったものを並べていただけることが何よりもありがたいことです。お出かけの方いらっしゃればご高覧賜りたくよろしくお願いいたします。


松の太夫

2024-03-26 12:16:42 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 数年前に起こした江戸時代の太夫をお手本に作った太夫の形に尾張屋さん風の配色パターンで塗ってみました。裲襠に松が描かれているいわゆる「松の太夫」風な彩色に初挑戦。型が尾張屋さんのものより丸っこい感じなのと腰から下がやや詰まっているのですが、面描きは尾張屋さんのゆったりのんびりしたタッチをそのままでは難しいので筆を走らせるようなイメージで描いてみました。自画自賛になるかもしれませんが、ファーストトライとしては悪くはないように思いますがどうでしょうか。裲襠の配色は春吉翁作のものには別のパターンもあります。額の辺りのバランスも更に練習が必要だとは思っていますが。。ブギウギではないけれどズキズキワクワクしながらの彩色です。


窯入れ·素焼き

2024-03-20 10:51:23 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 炉内スカスカで満を期して、という状態ではないのですが急ぎでこうなっています。当然炉内いっぱいにして素焼きするのが自分なりの納得ですが、、。確定申告とかのハードルがなかったら、、とボヤぃても。。。まあ人生山あり谷ありとかいいますけど。。。ボヤッキー。

これからMAX800℃の素焼き。炉内500℃に達するまでは蓋を密封せず水分を逃します。

 明日遅くに炉内温度が100℃以下に下がっていれば取り出すことができそうです。

 無事に焼き上がりますように。。


春のお彼岸

2024-03-18 11:52:08 | 日々

 

 お彼岸2日目。江戸伝来の今戸人形生粋の最後の作者 尾張屋·金澤春吉翁 (明治元年〜昭和19年)の御墓所へお参りさせてもらいました。風が強かったですね。突風の中、自転車に負荷がかかって進みにくかったり、ペットボトルが路上に舞い上がったり、、。日差しは暖かく、寒くはありまでんでした。お掃除させてもらってからお線香をあげてお参りさせてもらいました。


春モード

2024-03-16 17:35:58 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

今日、土いじりに暖房なしで作業できるのを実感。春なんだな、と体感的に知ることができました。久しぶりに火入れを型抜きしています。

 

 うちのように狭いスペースでは火入れサイズの割型を開くのも窮屈なのですが、ストーブなしでいられる気温がうれしく型抜きハッスル中です。冬眠から目覚めたタヌキのような感じでしょうか。。。


春吉翁のご命日

2024-02-29 12:56:17 | 今戸焼招き猫(浅草 隅田川)

今日2月29日は江戸から続いた今戸人形の生粋の最後の作者であった尾張屋 金澤春吉翁(明治元年〜昭和19年)の御命日です。今年はうるう年なのでまさに29日が暦にあらわれて、お参りさせてもらっています。他の年には28日にお参りさせていただいていたのでした。

 前の前のうるう年の御命日だったか、もうひとつ前のうるう年だったかにはドカ雪が降って御墓所で雪かきした憶えがありますが、今年は曇ってはいても落ち着いた天気で何よりでした。

 

 画像の春吉翁は不知火関(小)の彩色をされているところですね。将に化粧廻しの部分を塗られていらっしゃいます。白黒写真なのでわかりませんが、朱色の部分のようにみえます。

 画面向かって右端には裃雛(下総雛とも)の女雛が見えます。

ご生前に映画で記録されている由。しかし、そのフィルムの行方についてはどうなったかどこに眠っているか知るよしもありませんが、動く春吉翁のご様子、仕事段取りなど見ることができたらな、と思います。

 

 

 


今日は猫の日

2024-02-22 09:31:24 | 今戸焼招き猫(浅草 隅田川)
タイトルのように、2月22日はニャンニヤンニヤンで猫の日なんだそうです。今日に合わせて新登場の今戸の猫をリリースとはいきませんがこれまでの拙作の猫画像を貼りつてみようと思います。画像を探すのに時間差ができますが、みつかったら追加したいと思いますにゃー。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

うっかり

2024-02-11 05:45:47 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 

 

  先日仙台宛雛を仕上げて発送し、これから干支ものと初午の授与品や狐もの人形を、と舵をとってはいたものの、カレンダーをしっかり確認せずいたので、明日が11日、そしてあさってが初午だと気がついてパニック。

 王子装束稲荷さまからの授与される招き狐は昨年末にはまだ余裕があるから追加の必要がない認識でいたのが、明けて正月5日に芝居に出かけていた矢先、大晦日狐の行列で完売して底がついた由電話が入ったので急ぎ土で型抜きした分を今慌てて彩色してます。

 暮れ以来の辰の干支ものを早く仕上げてお納めすることと、装束稲荷の狐以外の人形類を王子へお持ちしなければ、という焦りもあるなか、初午当日に狐が底をついて授与できない心配もあって、三つの目標が三つ巴のようになっていました。まずは授与されるものが最優先だと考えて急ぎ彩色を進めています。

 その分装束稲荷以外の狐の人形にしわ寄せが来そうですが、そこいらはご推量いただければ、と思います。

 気がついたのはよかったものの、今夜もまた夜なべになってしまってもう明け方。。。。

 


お知らせ 「雛の会(仙台 光原社)」

2024-02-03 20:08:56 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 暮れからの流れで、何を優先して進めているのか、と疑問に思われる方もおいでか、と思います。羽子板市以来の干支の辰も途中です。

 この仙台宛のものは昨年度に受けていたものの一部で、去年の今頃体調の不振でもしやコロナに罹ったのでは、と不安で寝込んでいたりで、やり残していたものです。今回仙台へお送りした一文雛とひねり鳩は昨年受けた分というわけで、ここでお知らせさせていただきます。

これで干支と王子向け(初午、二の午)へまっすぐ舵を切れるところですが、例年の確定申告の支度というのも頭痛の種ですが。。 

 毎度お伝えしていますとおり、干支については動くところでこの場ので改めてお知らせいたします。

 仙台 光原社「雛の会」のサイトへのリンクを貼らせていただきます。→


うれしい

2024-02-01 02:37:07 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 日々作業で目の前ことで明け暮れていたところ、べにや民藝店さんからレターパック。
開けてみると新刊の「民藝」誌。

 めくってみるとグラビアページに拙作の座り猫と都鳥。うれしいです。これ昨年の日本民藝館展で選に入れてもらったもの。
 暮れは忙しくてとうとう会場へ足を運ぶことができず、また目の前ことで手一杯だったので、本当うれしい驚きです。
 ありがとうございます

すおう(蘇芳)

2024-01-28 19:42:00 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 一文雛や干支の辰。きはだで地塗りした上にすおう(蘇芳)を重ねて塗っています。画像の一文雛の女雛には10回重ねたところ、有卦船には7回重ねているところです。

 煮出した蘇芳の汁はワインレッドのようないろなのですが媒染として混ぜたミョウバンの酸性のためか黄色みを帯びます。


 しかし塗っているうちに微妙に赤みになります。
同じ有卦船に顔料で塗る場合と煮出した植物の汁を重ねて発色させる場合との途中経過を並べてみました。
 
 植物の煮出し汁についてはまだ重ねが途中でこれから更に重ねていきます。