東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

やすりがけ

2020-05-31 11:44:33 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 一昨日営業再開する前にお世話になっている店の方が出来上がった人形を引き取りにわざわざお越しくださいました。私の体調を気遣ってくださってのことでした。いくつかお渡しできたところでスペースができたところで、素焼きした人形の表面に紙ヤスリをかけて滑らかにします。

 室内だと埃がたちやすいので天気さえよければ外で作業したいところですが、このご時世なので人に交わること密につながることが心配で台所で作業しています。埃の始末のため、100均で売っていた洗濯物用のバッグに紐を通して首から駅弁屋さんのように掛け、ヤスリがけででた埃が下に落ちるようにしています。

 ヤスリをかけたそばから濡れ雑巾で埃を拭います。
 
  
 このあと疵や欠けなどないかチェックしてあればなおしが終わってから下地塗りに進みます。
 全工程中で一番根気の要る作業でしんどいと思います。


作業のBGM

2020-05-26 19:47:45 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 何やら解除ということですが、両手をあげて喜ぶような状況ではなく、むしろこれからサバイバルが本格開始と言う感じで怖いですね。ブッチャケこの数年来体調に自信がないのでどうなってしまうか不安は底なしです。ただそんな中ですがるべきは、作業を続けることだと思っています。

 狭くて能率最低な環境で思うようにはかどらずご迷惑おかけしていますが、遅々としてでもつくっていますのでご了承ください。
不思議と「火入れ」のような大きなものは普段はあまりお呼びがないのですがこのところ焼いたものに加え抜き出しているところで、置き場が風呂場だったりしています。というのも十五夜さんの通り道を塞いでしまって何とかしてくれ、と鳴いてくるのです。階段に干していたものを風呂場へ移動しています。

 作業のとき音がしているほうが好きなほうでラジオだとJ-WAVEを時計代わりにしたりとなりの部屋のテレビでNHKをつけて聞いているのが安心感がありますが、今リモコンが行方不明なのでCDを聴いています。昔の今戸焼の人形を掘ってきた東京の土で再現するという思いでやっていますから、よくワインの醸造にモーツァルトの楽曲がよいと聞きますが、神頼み半分で江戸端唄の藤本ニ三吉とか古い歌舞伎の録音を聴きながら作業すれば出来が少しでも江戸前に近づくように思って「梅は咲いたか」とか「かっぽれ」「縁かいな」など聴きながら作業したりクラシックやシャンソンなども聴きながらもありますが、ここのところユーミンとかRCサクセションの70年代の楽曲ですね。半分リアルの世代ではあるんですね。「おっさんがひとりで?」ってな感じですが…。「あの日に帰りたい」とか「翳りゆく部屋」「good luck and good bye」「中央フリーウェイ」なんて定番すぎですが不朽の名作ですね。あと「やさしさに包まれたなら」(アコースティックなバージョンではなくてシングルバージョンというのですか?萌え萌えした感じが最高) 「そのまま」もいいですね。RCの「スローバラード」や「トランジスタラジオ」なんかもリアル世代ではあるんですね。 「僕の好きな先生」には思わず感情移入してしまいます。
ロックというと日本人には無理してコピー感がある感があったのを自然なものにした魁がRCだと思います。日本人のシャイな感覚が自然に反映されているところというのか、、。。

 やること、やりたい作業が山ほどありますが、余談になってしまいました。手を動かさないと…。でもこんな無駄話をしているときおっかない現実を忘れていられるのも事実です。

12年ぶり

2020-05-15 19:32:06 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 コロナで世界中で大変なニュース。どこの街で何があったとかの報道を耳にしながらもともと引き篭もり系の生活を送る自分にとってもいろいろな影響が襲いかかってくるのかな?なんていうと「ハハのん気だね♫」と言われてしまいそうですが、体調のことを思えば、いつ動けなくなるか、がいちばんの不安で、だからこそ、今のうちできることはやっておかなければ…と作業しています。

 お世話になっているみなさんへの人形は一部完成して、まだ
完成までいく工程というのもあります。

 それと同時に干支の事も早いうちから支度しなければ、と12年前の割型を探し出して抜き、
前回はすごく大きくて浅草仲見世の某江戸小物玩具の老舗の看板を張っている旦那さんからことごとくひどいといわれたものをコンバクトにできないか、と考えています。
 葛籠を背負っている丑はかなり念を入れて原型を起こしたものなので、大きいですが、まだ若くて体力のあった自分なりに粘って作ったな、と手前味噌になってしまいます。

 もうひとつの寝牛はやはり12年前に起こしたものなのですが、結局出さなかったもの。
 素焼き状態の「お福牛」は案外おもしろいと言ってくださる方がいらっしゃったのでこれももう少し小さくして作ってみたいと思います。

 その他干支以外のもので、かねてより小さくしたかったものも手を入れていきたいです。

鈴口と紐通し孔

2020-05-12 06:11:14 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 昔浅草仲見世で江戸小物玩具の老舗の看板を張る某店の旦那さんから拙作の人形について「なんで土鈴になっているのか」と聞かれたことがありました。「土鈴を作っているつもりではなくて昔風の今戸人形のように作りたい」由お答えしました。つまり、人形の中にガラ(土玉)が入っていて振るとカラカラ音がするので「土鈴じゃないか」と言われるのでしょう。
 でも昔の土人形全てではないにしろガラを入れて作られていたところは少なくないはずです。
 ガラの入った人形とそうでない人形。これはあてずっぽでしかないかもしれませんが、かつて各地で作られていた土人形は京都の伏見人形からの模倣から始まったか、模倣のまた模倣から芽生えたとかいうパターンだったりするのではないでしょうか。伏見人形から型抜きしたであろう伏見より小さめでおなじような人形があったり、ごく初期の人形の彩色パターンを踏襲していたりするのと同様、ガラを入れて作られていたをことは伏見人形のDNAを受け継いでいた証といっても過言ではないかと思います。
 但し、いつの頃からか伏見の人形にガラが入らなくなり、伏見から遠く離れた東北の八橋人形や鶴岡の人形に残っていたのと同様に今戸人形の生粋の最後の作者であった尾張屋 金澤春吉翁(明治元年〜昭和19年)のお作りになられた人形にもDNAが受け継がれていた、ということでしよう。 
 さてガラ入りの土人形と土鈴との違いは何かといえば、土鈴には「鈴口」と「紐通し孔」があけられている、ということで、内部の土玉の転がる音色の響きをより積極的に奏でさせ、楽しむ、楽器的なところが重要になっている、だから鈴口があり、紐を通して掴みやすく、振りやすくしているということでしょうか。

 これまで何度か、土鈴の愛好家の方たちから、土鈴仕立てに作って欲しい、というご依頼をいただいて挑戦したことがあり、今回もやっているところです。


 頭では、土人形にガラを入れ、鈴口と紐通し孔をあければ土鈴仕立てになるように考えることができても、実際には人形の型全てを転用できるかといえばそうでもないように感じます。
 基本的には鈴であれば土玉が内部で広い面積自由に自然に転がることのできる底と鈴口を持ち、重力で土玉が楽に転がることができるよう有効的に振る力の加わる位置に紐通しが来るようであるべきです。 
 そういう理由から人形の形がすべて土鈴に転用できるとは限らず、無理やり仕立ててみてもよい音色がしなければ、楽しくないです。もうひとつきにしてしまうのは、鈴としての機能を優先するばかり人形の姿に痛ましい思いをさせたくない、ということ。例えば人物でも動物の姿でも、頭やお腹に孔を貫通させるのは残酷な感じがします。重力とか力学的な機能性からいえば頭や首辺りを貫通させることで内部の玉や鈴口のバランスを安定させやすいことが少なくありませんが、痛ましいので背面に突起を作って孔を通すことにしますが、今度は突起が人形としてのモデリングのバランスを崩してしまう。
 
 愛好家のご希望に添えることができれば嬉しいですし、そのための努力は惜しむことにはやぶさかではありませんが、どうしたらよろこんでもらえるか、というところです。


ケロケロ初音(見沼田圃)

2020-05-10 20:34:33 | 日々

 一昨日の夜、越谷市内で勤務しているケロケロ好き仲間から電話があり、ついに田圃で初音が聞こえたたとのご注進。そして話の背後には合唱が聞こえたのでした。
 去年の今頃は越谷の合唱スポットを案内してもらたあと、新越駅前で乾杯して家路についたのでした。
 しかし今年はこういうご時世でもあり、乾杯などしていたらロシアンルーレットになるのか怖いし、電車やバスに乗りたくない。

 やっぱり初音を聴くなら見沼田圃のお気に入りスポットで、でも電車やバスに乗るのは嫌なので、昔のキネヅカをとってチャリで…。昔ウルイとかわらびや玉の大きな野蒜を取りに見沼まで来ていたのですが体力に自身がなくなって心配ではあるものの、思い切ってやってきました。

 やっぱり静かで木々や草花いっぱいでいいところ。ひばりの声。

 ぶどう棚や梨の棚の遥か遠くに多摩か秩父方面の山並みが、さいたま新都心のビル群も小さくみえます。

見沼代用水の東側の流れに沿って今辛うじて稲作がされている総持院付近、見山、加太を訪ねる積もりでした。 
 総持院の手前にあった巨大な龍。こういうの西新井大師近くの神社でもやっているけど、この大きさ‼

 総持院近くの流れはコンクリートとか鉄骨を使わない昔ながらの岸。

 そしてやっと着きました。総持院前の田圃です。



 まだ、水を流し入れて代掻きの時期なんですね。でも姿こそ見えないもののくわっくわっと鳴いているのは聞こえてきます♡
 畦にはヨメナの葉っぱ(たべられます)やヘビイチゴが…。 
 そしてさらに代用水をさかのぼって今日の北限、加太へ。

 こちらもまだ代掻きのようでした。でも鳴き声は聞こえてきました。


 畦に咲いているアザミみたいな花。

 カントウタンボポとセイヨウタンボポが絡まって咲いています。地面の栄養がよくてすくすく咲いています。


♫あかしやの雨にうーたれて このままーあ…♫

 これはミズキ???

 水面の枝にミドリガメ?
行きはよいよい 帰りはへとへとになったけれど、初音は聞こえたし大満足でした。

 埼玉県と東京都の県境の荒川大橋を渡ってぶじ帰宅できました。