東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

暑すぎる、、乾くのが早すぎる。

2019-05-28 22:31:31 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 先週末からのこの暑さは何だったんだろう、、、。これで夏本番になったらどうなるのだろうという不安。

 先週末、高校で同じアトリエにいたクラスメートだった人のお墓参りに八王子へ。いくらか風があって日陰に入れば凌げたとはいえ、さすが都内指折りの暑い町。服もバケツを被ったようにびしょびしょでした。

 家では足腰が痛むので無理しすぎないペースを意識しながら型抜きの作業。このスペースには直接の冷房がないので隣の部屋から扇風機で冷風を送りながらの作業。何より驚くのは、土の乾きの速さ。画像のように石膏の割型の上に置いておくと、木の板の上よりも吸水力があるので早いのは当然ながら、、一晩でぼぼ表面は白く乾いてしまいます。

 数日前に抜いておいた人形はいきなり天日で干すと危ないので室内に置いておいたのがいつの間にかカラカラに乾いています。素焼きに向けて早く乾いてくれるのはよいけれど、これだけ暑いと彩色の膠の効きがよくなくなるのが心配。

 粘土や洗濯物の乾きがよいのはうれしい反面、植木の水やりも心配。朝たっぷり水やりしたつもりでも午後には萎れていることもあり、油断できないという感じ。先ほどお湿りがきていくらか気温も落ち着いたかのよう、、。でもこの夏どうなってしまうのかやたら心配しています。


ケロケロ(同声合唱)

2019-05-19 01:25:40 | 日々

 先週の土曜日、例によって歌舞伎つながりの知人より、越谷の田圃での鳴き始め情報をもらい、実際案内してもらえる、という約束であったのが、突然の発熱やら鼻孔や喉の腫れのため残念ながら延期とお願いしていたのですが、本日またお誘いいただいたので出かけてきました。ここは越谷市の川柳という地区です。しっかり田の面に水が張ってあり、田植えも済んでいます。

 先日の見沼田圃の見山付近に比べて木々の茂みとかは少なく、以前はまとまった田園地帯だったところが宅地化によって田が減っている地域という印象です。時間は6時半過ぎ、実際は画像以上に薄暗い空でした。それまで聞こえていたひばりの声が止むと、にわかにかえるの声が、、、。人気や車の音で止んでしまいますが、しばらくして向こうからこちらからと次第に合唱の様相になりました。

 田圃の縁を踏んでみても飛び込む様子はないので、水の中で鳴いているのでしょうか。アマガエルとかシュレゲールアオガエルのようなカスタネットの音のような甲高い声ではなくてゲコゲコ、ビッビッ、という感じの声の合唱。姿は全く見えないのですが、ツチガエルとかトノサマガエルの仲間のようなカエルたちでしょうか。

 それにしても今年はじめて聞くカエルの合唱です。来てよかった、、。


久しぶりの水簸(すいひ)

2019-05-17 22:44:15 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

久しぶりの水簸(すいひ)作業です。おかげさまでべにや民藝店さんでの作品展を終えて、さあこれから、というところでおかしな風邪にやられてしまい熱は出るは、喉や鼻をやられて声もでない、その次には眼の調子までおかしいという日々を経て、やっと何とか病み上がりかけというところです。楽しみにしていた田圃へも2回目以降出かけていませんでした。

いつもの作業風景ですが、、。画面上にならぶふたつのゴミバケツ。向かって右のは掘ってきた土を撹拌するバケツ。左(手前)のは撹拌した泥しょうを篩(ふるい)にかけて、不純物を取り除いた泥を沈殿させるバケツ1号。手前にふたつ並んでいるバケツに入っている水は、今ちょうど沈殿バケツから前回沈殿させていた上澄みの水として汲み上げた分で、これから撹拌バケツに足して掻きまわして、どろどろを沈殿バケツの上で篩にかけて流し込みます。

 2枚目の画像では一枚目よりも沈殿バケツの水位があがっていますね。右のバケツで撹拌して篩にかけたドロドロを加えているからです。

 こうして左のバケツの水位がほぼ九割方満タンに近くなっているので、今日の水簸はおしまいで、二日くらい寝かせておくと、沈殿して上澄みを水を取り除いて「水簸」を繰り返します。

 右の撹拌バケツには他のバケツで水にふやかしている掘ってきた土と水を加えあさってまで蓋をして寝かせておきます。

 水も冷たくなく水簸(すいひ)に関しては作業しやすい時期だと思います。これから暑くなっていくと蚊が出てくるのでそれが面倒です。


ケロケロ(ソロ)その①

2019-05-08 23:18:19 | 日々

 べにや民藝店さんでの作品展、みなさまありがとうございました。最終日の6日は家族の通っているデイサービスからの送迎車からの受取の関係で、午後3時までしか会場にいられなかったので、その後の経過についてはまだ把握しておりません。会期は過ぎましたが、これから会場内に展示していた古い今戸人形などをしまいに行く予定です。

 最終日前日に、歌舞伎好きつながりの方が来場くださったついでに貴重な情報をくださり、こころ踊りました。お勤めされている越谷での蛙の鳴き始めがあったということなんです。昨年もバスの停留所から携帯でライブ音声を聞かせていただいて、その後、越谷へ行ってみたのですが、時既に遅く?まったく声は聞こえませんでした。夏場に見沼田圃数か所へ出かけ、実際蛙たちの姿を確認したのにまったく鳴き声は聞こえず何故なんだろうという感じでした。

 実体験では例えば父の故郷である山形では、夏の盛りでも合唱するのが聞こえたし、埼玉でも例えば栗橋と加須のあいだ一面田圃というところで夕暮れからものすごい合唱を耳にしました。昨年の夏の見沼田圃はなぜなんだろう。ただ、夏に現場で見かけた蛙たちは思い出してみるととても小さな姿の子たちばかりで、ひょっとすると春に生まれたおたまじゃくしが蛙になったばかりだから鳴かなかったのだろうか、つまりその親たちの春の営みの時期こそ大事なのだろうと考えていました。

 今日早速、昨年夏に訪ねた、さいたま市見沼区の「見山」の田圃へ行ってきました。JR北浦和駅前から市立病院ゆきのバスの終点から少し歩いたところ。黄昏時で、さいたま副都心のビルが遠くに見えます。

 見沼代用水東側の水路。橋から川下である東側を観た風景です。

 昨年の夏、蛙の姿をみた辺りは既に真っ暗。畑だらけのところなので、足元を照らす電灯など全くないところで、空の明るさで足元が見えるという感じで、最近東京ではあまり体験できない暗闇です。わかったことですが、昨年「ひつじ田」になっていて、蛙を姿を観た水田は今年は水をひいていないので、湿り気がなく、蛙が住める環境にはなっていないようです。しかし、暗闇の中、合唱ではなく、ソロの鳴き声は聞こえます。

 さっきまでしきりに聞こえたひばりの声も日が沈んでやみ、ときどき蛙のソロが聞こえます。

 真っ暗闇を歩くというのも最近ではあまり経験しないことなので、それだけでも堪能しました。浦和の三室にはその昔スイミングスクールがあって小学校3年から4年くらいまで通っていました。この辺りその近くで、途中バスからスイミングスクールがあったところの景色も見えましたが、随分変わったものです。それも当たりまえ、45年以上経っているのですから、、。それにしてもまだこうした暗闇が残っているというのは貴重です。近いうちに、昨夏蛙の姿を確認した場所2か所を改めて訪ねてみようと思います。


作品展9日目(残り2日)

2019-05-05 06:08:27 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

昨日5月4日(土)は作品展初日から数えて9日目。この間、初日夜の「ギャラリートーク」や2日目、東京民藝協会の例会として広島県民藝協会の千葉孝嗣さんによる「宮島の鹿猿」についての発表、日々訪れてくださったお客様や追加として初日オープニング以降、初日に間に合わなかった素焼きまでして準備していた人形たちを自宅で仕上げ、ほぼ毎日のように駒場東大前のべにや民藝店さんへお届けして、できた隙間に補充していました。

 上の画像の「都鳥のがらがら」ですが、初日前に「ひょうたん」を描いたものを新しく加え、数も多く並べていたのですが、初日、2日目にはほぼ売り切れ、家にあった素焼きの残りを急いで仕上げて、追加しましたが、追加後2日間のうちに完売しました。(うれしい驚きとともに、もっとたくさん焼いておけばよかった、、という気持ちです。)

「竹に雀」(たけす)の土笛は三日目に仕上げて搬入したもの。この雀の笛は都内の近世遺跡から出土することが多く、人気があったものだったであろう型ですが、低温の有鉛透明釉薬によって楽焼仕上げ、いわば「舐め人形式」(泥絵の具による彩色だと幼児が口にしゃぶると色落ちするので、楽焼仕上げにすることで、色落ちなく舐めても大丈夫という発想で登場したもの、しかし、実際には有鉛の釉薬自体が有毒であることがわかり、明治に使用を禁止されたというものでした。当初。無鉛の透明釉薬を使って往時のような「舐め人形式」の仕上げを目指していましたが、まだ焼成についての実験中なので、今回は泥絵の具と植物の煮出し汁で彩色して出展しています。初日には間に合わなかったもので早くご紹介しようと思っていたのが、日々の家での追加のための作業を優先したため、画像のご紹介が遅くなってしまいました。

きはだ(漢方薬の黄柏)と蘇芳(すおう)の植物煮出し汁を基調として、群青色が使われはじめる天保以前の彩色パターンを目指した裃雛の対。これはひと組しか出展しなかったもので、翌日お求めいただいたそうです。

 「みみずく」は初日夜には一個を残してほとんど売れてしまったので、家に残っていた素焼きに急遽彩色して追加したのが画像のものたち。初日に並べていたものとは若干の変更があります。耳のところに青口の金色を指していたのを銀色に変えてみました。また、胸の部分に黄色と黄土色を混ぜて塗り、上から墨で、毛並みのように描いていた一回目に対して、二回目は黄色部分をきはだ(黄柏)の煮出し汁の重ね塗りにして微妙に透明感や金色のような質感が出たので、墨での描線は省略するという試行としてやってみましたがどうでしょうか。ご意見をいただければうれしいです。「みみずく」については近年複数の張り子の作家さんによって「宝珠」や「壽の文字」、「吉祥文様づくし」などをえがかれたものを観ていて、近世遺跡から出土した色のとれた遺物の形状を参考にモデリングした土製の「みみずく」に張り子製とにたような吉祥の彩色をしてもつまらないので敢えてこういう感じにしてみたつもりです。眼の色は藍色に胡粉を混ぜた「沈んだ水色」や「金色」という選択肢もありますが、最近NHKの「チコちゃんに叱られる」で「あかんべーは赤目で魔除け」のような内容の話を聞いた記憶があり、目が赤いことで魔除けの意味合いが強調されるとともに凄みもあると思って朱色にしています。

これらの画像の他、尾張屋春吉翁の作をお手本にした「大黒天ねずみ」を把握している3とおりの配色で塗ったものを追加してあります。

残り今日(5月5日)と明日の会期ですが、もし初日には並んでいなかった追加の人形も並べていますのでお時間あったらお出かけください。昨日は午後一時過ぎから閉店まで会場におりました。今日(5月5日)も一時過ぎから数時間会場に詰める予定です。ご質問等ありましたらお聞かせいただけるとうれしいです。これまでの会期内に都合三回もを足を運んでお求めくださったお客さまもあり、わざわざお越しくださるお客様にはとてもありがたく感謝しています。