東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

どたばた

2015-01-29 18:23:14 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)


来週の催事搬入を控え、またどたばたしているこの頃です。画像にはありませんが、被官様(三社様)の鉄砲狐と同時進行中で「十五夜さんの手も借りたい」「蛸になりたい」「イカになりたい」という状況。この狭い仕事場へいらしたことのある方だったら即納得されるかと思いますが、お弁当屋さんの厨房のように真ん中に広い調理台があって、その上に松花堂弁当の箱が整然と並んでいて、お煮しめや卵焼きを順々に盛りつけていけるようであったなら、作業の効率も格段にいいのに、、。
人形の彩色もお弁当のおかずの盛り付けに似ているような気がします。ひとつの人形を塗るのではなく、一色の絵の具を湯煎にかけて溶かしながら、複数の種類の人形の同じ色の配色部分に塗りすすめていくのです。その点、全部の人形を弁当箱のように並ばせてスムーズに色を置いていくことが理想なのですが、、、。
丸〆猫たちや狐類は塗り終わってきているのもあるので、乾き次第に包装して片付けて場所を広くしなければ、、、そればかり考えています。ぴいぴい類の組み立てもまだなのでエンジンかけなければ、、、。

 

 

(検索 今戸焼 今戸人形 今戸 神社 縁結び パワースポット 招き猫 発祥の地 白井 半七 善次郎 尾張屋春吉 土人形 郷土玩具 隅田川 浅草 江戸 東京)


お知らせ(みそろぎ人形展~民俗と創作の出会い~)

2015-01-17 21:39:15 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)


来月2月4日(水)から2月10日(火)まで「丸善」丸の内本店で「みそろぎ人形展~
民俗と創作の出会い~」という催事が予定されており、私も出品させていただくことになりました。お声かけいただくのは初めてです。もうだいぶ前ですが日本橋の東急百貨店で毎年正月恒例になっていた「全国郷土玩具展」(後に東急東横店でも)に出品させていただいたり、ひと頃招き猫の即売会でお声掛けいただいて出品したこと、そしておととし青山の「べにや民芸店」さんのお世話により新宿伊勢丹での催事に並べていただいたこともありました。
今回の催事では郷土玩具の作者さん、創作的な人形の作家さん、海外の人形作家さんなどによる作品が並び、展示・販売されるそうです。私にとっては「世間様に自分のやっていることを観ていただきたい」という希望に尽きます。一応出品予定のリストみたいなものを提出しましたが、それら全て出せるのが目標ではあります。昨年暮れ浅草の羽子板市にも並べていただいた「丸〆猫」(まるしめのねこ)や他にも昔存在していた丸〆猫のバリエーション、そして「ぴいぴい」の類をはじめ手掛けている人形を並べてもらえたら、と思っています。

搬入が無事終わるまで緊張しています、お近くの方、お時間ありましたらお立ち寄りください。

この催事のサイトへ→

 

 

(検索 今戸焼 今戸人形 今戸 神社 縁結び パワースポット 招き猫 発祥の地 白井 半七 善次郎 尾張屋春吉 土人形 郷土玩具 隅田川

浅草 東京)


大沢家政婦紹介所

2015-01-17 20:52:30 | 街角

記憶に残っていらっしゃる方も少なくないかと思います。
「働きたい方 いらっしゃーい 大沢家政婦紹介所」と看板がかかった景色。
看板こそ残っていませんが、あの市原悦子さん主演の人気ドラマシリーズ「家政婦は見た!」の舞台になった家政婦紹介所のロケ地です。東急世田谷線の「下高井戸駅」から数十メートルの線路際に建っています。毎回ドラマの終わりに怪我をした「あきこ」さんが野村昭子さん演じる所長さんに見送られ下高井戸駅方面に歩いていました。あのドラマは楽しみにしていました。市原さんと野村さんの絶妙な掛け合い。あと山田すみ子さんも同僚として出演されていましたね。後で知ったのですが山田さんは「吉本新喜劇」の大看板だったそうですね。市原さんと野村さんは同じ俳優座のご出身だと聞いています。このシリーズはもう打ち止めになってしまって他の女優さんの主演でリメイク?されたみたいですが、市原さんの存在感あっての面白さだったので、、、。もし自分がプロデュ―サーだったら市原さんの後には室井滋さんにやってもらいたいです。

下高井戸を発車した電車が通り過ぎるところ。昔はまだこんなにおしゃれなヨーロッパのトラム風な電車ではなくて、鶯色の古い電車でした。私の高校はここの隣の京王線の明大前の近くだったので、学校の帰りに「ボロ市」に寄って行ったこともあり今でも懐かしいです。古い電車の内部は木造で油の臭いがしたりエンジンの音も懐かしい感じでした。
なぜここに寄ったかというと実は間抜けな話なのですが、1月のボロ市もちょっと覗いてみたくて豪徳寺まで行ったのですが、日を勘違いしていたのです。12月も1月もボロ市は15・16日なのですが、曜日の感覚はあっても何日かというとぼけているんですね。豪徳寺に立ったのは14日でした。自分では15日と思いこんでいたんです。
せっかく来たのだから、、と家政婦紹介所を思い出して下高へ寄ったのです。
3枚目の画像は山下駅(豪徳寺)で撮ったもの。右の緑と白に塗り分けられた電車は形こそ現在のモダンな電車ですが、塗り分けのデザインは「ペコちゃん」のイメージでしょうか?その昔、東急新玉川線(当時は玉電?)が玉川通りを走っていた時代の名物車両で「ペコちゃん」の愛称で親しまれていた、と聞いています。私は実物を観たことないのですが、白黒写真で観た色分けはこんな感じだったような気がしますがどうでしょうか。因みに当時は新玉川線と世田谷線は繋がっていて三軒茶屋から分岐して下高井戸まで運転されていたとかどうか、、。我が家の近所にも都電荒川線が健在ですが、世田谷線は独特な雰囲気で憧れます。

擦り込み

2015-01-15 02:06:36 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)


ご依頼を受けた干支の羊を追加して作っているところです。素焼きした木地に胡粉で地塗りをし、更にその上に「キラ(雲母粉)」を塗り彩色をすすめていきます。目を置く前に「丹色」の粉を擦り込み刷毛で目の周りや体の造作に沿ってボカシを入れます。
これまで冷たい感じのパール地に温かみが出ているように見えませんか。
目のまわりや体の造作に沿って「丹」のぼかしを入れることは「今戸焼の人形」だけの特徴ではなく、他の土地の産地でも行うことですが、特に「今戸」では天保3年に記された「玩具聚図」という人形玩具の彩色手本帳で具体的に指示されているのです。
古い伝世品の今戸人形すべてにこうした擦り込みがされているとは言えませんが、一応「今戸人形」の特徴のひとつとして実践しているつもりです。

擦り込みぼかしを入れたあと、目の下地に黄色を塗り、その上から透明感のある赤を重ね、黒眼を置きます。

 

 

(検索 今戸焼 今戸人形 今戸 神社 縁結び パワースポット 開運 白井 半七 善次郎 尾張屋春吉 土人形 郷土玩具 隅田川 浅草 東京 干支)


米屋さんと肉屋さん

2015-01-15 01:45:03 | 街角

最近よく通りすぎる旧・中山道と王子新道の交差点に近い仲宿商店街。いい感じの店構えの家が少なくありません。たくさんありますが、今日撮影してみた古い煉瓦造りの米屋さんとそのとなりの肉屋さん。さすが旧・中山道沿いだけあって歴史を感じさせてくれる風情。肉屋さんの入った3連の店舗の造りもノスタルジックであり、エキゾチックでもある感じではないでしょうか。

その建物の側面もいい感じです。ここからお寺の入り口なのですが、つい最近まであったお堂がなくなってしまいました。新しく建て替えるのでしょうか。
赤羽に住んでいて、とても羨ましく思うのは、商店街に活気があること。活気のある魅力的に見える街或いは商店街の条件とは、、、?独断で言わせてもらえばそれぞれ小売りの専門店が揃っていること。例えば「糸屋さん」「ボタン屋さん」「古本屋さん」「新本屋さん」「お茶屋さん」「文房具屋さん」「画材屋さん」「古道具屋さん」などが健在な商店街だったらいいなと思います。更にこうしたいい感じの懐かしげな店が並んでいると最高です。

デ・クーニング展

2015-01-09 21:49:14 | アート・文化

昨年秋から東京八重洲のブリジストン美術館で開催されている特別展。
昨年中から観たいと思っていたのが、忙しくて果たせませんでした。12月、羽子板市過ぎに「国立劇場」か「デ・クーニング」かと迷った挙句、「伊賀越」は12月しか観られない。「デ・クーニング」は1月までやっている。という判断となりましたが。ぼんやりしているうちにもうすぐ終わりだと気づき、今日はとりも直さず出かけてきました。東博へは行く機会も少なくないですが、他の美術館は本当に久しぶり。ブリジストンも何年ぶりでしょうか。結果としてすばらしい。行ってよかったです。自己流の観方なんですけど、キャプションを見ないで作品を観る。気になったらキャプションを読む。という感じなので、終いまでタイトルを読まないで観た作品が多いですがやっぱりすごい。説明的な情報を取り入れず、作品の中から感じる情報は受け入れるという感じなので、わかるわからないということにはこだわらずに観たのですが、面白いこと楽しいこといろいろやっていますね。マスキングテープがそのまま貼り残してあるのも「へえー」という感じ。何より、色や形がそこにある必然性というのがあるんだなー、、。
でもこういうタッチでその必然を逃さず置くって大変なことだと思いました。1960年代の作品群ということで、そのあとの人々が珍しくもなく踏襲しているようなこともありますね。でも瞳の強さと唇の強さ。こういう絵ってまねできるものではないです。

常設展示室に「スーさま」(カイム・スーチン)の小品がひとつ展示されていてうれしかったです。今の身の上では時間は作れるのだから、もっといいものを観にでかけなければもったいないなと思いました。油絵の具から離れて久しいですが、またいじってみたくもなりました。


煮出し汁によるこけし絵付け

2015-01-09 20:58:36 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)


昨年秋に仙台の高橋五郎さんから新たに出版されたご本を賜り、ページを繰っていたら何と以前試しに塗ったこけしの画像と記事がありびっくり。子供の頃からこけしも好きですが、こけし会のような団体に属したこともなく、普通の街の本屋でも売っていたようなこけしに関する本を読みかじった程度の知識しかなく、あまりどうこう言うことはできませんが昔、五郎さんとお話していて、現在使われているような化学染料が登場する以前のこけしには何で彩色されていたのか興味津々でいたのでした。ちょうどその頃、江戸時代の古い今戸焼の人形にも植物の煮出し汁が塗られている作例を確認しているので、一度煮出し汁でやってみたいといくつかの人形に塗り始めていたのでした。
土人形や張り子の人形の場合、色を塗る下地に胡粉を塗り真っ白にして、その上から顔料なり染料なりを置いていくので、膠をつなぎとして煮出した「蘇芳」や「きはだ」(黄柏)に膠の厚みがつき、重ね塗りすることで透明で重厚な色味や照りが出てくることを身をもって実感できたのですが、こけしの場合、木地に沁み込ませるように塗るので余り色部分に厚みが出るのはおかしいのではないかと思いました。また、一回さっと置いただけではうっすらぼけた痕にしかなりませんから、はっきりと発色させるには、重ねる必要があります。ちなみに現在のこけし工人さんたちは「スカーレット」や「ローダミン」などの化学染料にアラビア糊を少しつなぎとして混ぜるように聞いています。試しに使った白木の記事は作並温泉に泊まったときこけし屋さんからわけてもらったものですが、明らかに素人の絵付け体験用の6寸くらいのこけしです。本の画像の右のは全くの白木に「蘇芳+きはだ」で描いたもの。左は予め「きはだ」で地塗りした上に「蘇芳+きはだ」で描いたものです。梅の花状のをタテに5段描いていますが、一番上は一回、その下は+一回重ねるという風に下にいけば行くほど赤部分は重ねてあります。また、緑の部分は藍とキハダを混ぜました。下に黄色があるのとないのとでは発色がかなり違います。これらのこけしではやっていませんが、「蘇芳」を何も混ぜないで塗ると紫色なので、赤とは別に紫として区別させることは可能だと思います。
私自身古い真っ黒になったこけしで、明らかに煮出しを使っているというものを観たことがありませんが、こけしが生まれた時代に既に三春や堤、相良そして今戸などで煮出汁で彩色されていたので、こけしも同じやり方をやっていても不思議ではないかと思います。また植物煮出し以外にも土人形で使われていた「鉛丹」や「べんがら」などの顔料が使われていてもおかしくないと思います、ちなみに五郎さんの所蔵されている「古い遠刈田こけし」にはかすかに顔料のような痕がみえたように記憶しています。
時代が下って、終戦直後から昭和30年代くらいまで、顔料で代用して描かれたこけしが残っており、収集家の人は「邪道」のように言うのを聞いたことがあるように思いますが、当時として手に入る色で塗ったということがその頃の生活そのものであったかもしれず、王道とか邪道とか傍で言うことでもないように思いました。

関連する記事として
「蘇芳(すおう)ときはだ」→

 

(検索 今戸焼 今戸人形 今戸 神社 縁結び パワースポット 開運 招き猫 発祥の地 丸〆猫 土人形 尾張屋春吉 郷土玩具 隅田川 浅草

東京 伝統こけし)


窯出し

2015-01-09 01:18:24 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

先日の「初窯?」の冷めたのを取り出しているところです。
毎度のことなのですが、近所の工事現場からもらってきた粘土を水簸(すいひ)にかけ、水気を飛ばして練った天然の土なんですが、焼く前の土から素焼き後のこのようなベージュっぽい色に変化してかちっと固くなるという科学的変化というもは不思議です。前々から不思議に思っていながら焼成前と焼成後との質量を測って比べるとか何もしていないのですが別の物質に変わっているからこそ中に入れたガラ(土玉)も音立ててカラカラいうわけですね。

窯の中身は三社様境内の「被官さま」の鉄砲狐がほとんどですが、羊や丸〆猫も混ざっています。

次に窯入れすべきものも既に揃っているので、これから詰めて素焼きします。年末年始割と夜更かしして仕事していることが多かったせいか、へとへとで昨日と今日は布団の中に入っている時間が多くなりました。深夜のラジオ番組でこれだけは聴きたいというのがあって、後悔しないよう頑張って仕事しながら起きているのですが、そのツケですね。

初窯

2015-01-02 21:32:59 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

新年2日。お雑煮やおせちは口にしますが、至って平凡な時間な経過をしています。
茶道の世界で「初釜」とか聞きますが、焼き物の世界では「初窯」というのかどうか。鍛冶屋さんとか火を使う職業では竈や鞴を神聖にお清めして「荒神様」をお祀りして火の安全、仕事の無事など祈っているように思います。焼き物の世界、ことに昔の「今戸焼」ではどうしていたか?以前お話を聞く事のできた今戸焼陶工の方々は既にいらっしゃらず、残念です。わが家は電気窯ですが、現状のところ何もしないでいますが、どうすべきか知ることができればそのとおりにしてみたいです。
暮れ以来型抜きして乾燥させていた狐や羊が溜まってきたので年明けはじめての窯入れをしています。

底のほうには狐を集中させ、上のほうに羊や丸〆猫を詰めるつもりが、詰め忘れた狐がまた出てきたり、、、まだ詰めたいものもありますが、念をいれて乾燥させようと無理に詰めませんでした。

蓋を半開きにして焼成開始。乾燥させた人形や炉内に残った水分を完全に飛ばして逃がすため、炉内温度が500℃を越えるまでは半開き状態を維持させます。窯からの余熱が勿体ないので、周りに次に窯入れ予定の人形や石膏鉢に入れた泥しょうなどを置いて乾燥を促しています。

今年もよろしくお願いいたします。

2015-01-01 18:40:14 | 日々


2015年が明けました。みなさまにとって健やかな一年でありますよう。
今年もよろしくお願いいたします。
とご挨拶しつつ、お正月は憂鬱になります。今日元旦は私の誕生日。ああこれでまた歳をとってしまうな、、、。と一年を山手線の路線図に重ね合わせると、一番どん底な気分の品川辺り、真夏は巣鴨辺りという見立てがいつも頭にあり、今品川という感じです。(品川区の方ごめんなさい、現実の品川にけちをつけているわけではありません。あくまで山手線の形の見立てです。別に大阪環状線でもいいのです。大阪環状線だと新今宮辺りでしょうか。あくまで環になっている一番下の駅という見立てです。
ゆうべ年越しは仕事場で狐の型抜きをしていました。三社様にお納めすべき狐です。
その様子を画像に撮ってアップしようとしていたのですが、なぜか画像がダメになってしまいました。急きょ「お正月だから縁起の良い姿のもので、、」と思いついたのがこれ。6世白井半七作(蘆斎)と思われる今戸焼の「釣香炉」です。宝船ですね。昔はこんな細やかな細工ができたのですね。これは今戸人形ではなくあくまで今戸焼の焼き物です。今では作る技術は望めないことでしょう。(今戸焼の窯元では)。以前このブログの「今戸焼」のカテゴリー内でご紹介したものですが、改めてお正月向けにアップしてみました。今夜観る夢が「初夢」でしたっけ。昔は枕の下に「宝船」の刷り物や「獏」の刷り物を敷いて寝たとか聞いています。みなさまよい初夢を見られますよう。

 

 

 (検索 今戸焼 今戸人形 今戸神社 縁結び パワースポット 開運 招き猫 発祥の地 白井 半七 善次郎 土人形 尾張屋春吉 郷土玩具 浅草

隅田川 東京 )