東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

魯肉飯

2018-03-30 04:15:40 | おいしいもの

 病院の帰り、駒込駅そばのアゼリア通りを曲がったところにある小さな台湾料理屋さんのお昼のランチのひとつ魯肉飯です。そんなにたくさん食べ歩いているわけではありませんが、担仔麺とか魯肉飯が食べたくなって何軒かで食べました。新宿の台南ターミー、青物横丁の台湾料理屋さん、西川口の台湾料理屋さん、大宮の氷川神社参道にあるおしゃれな台湾料理屋さん。それと赤羽にある台湾料理屋さんはレギュラーなメニューではないけれど頼まれれば作るという感じです。

 それぞれ好みによりますが、ここ駒込の魯肉飯が好きです。肉がころころしていて柔らかく、キュウリが添えてあるのが特に好き。他の店だと黄色いたくあん漬けが添えられていることが多い感じがしますが、キュウリとか瓜系あるいは青菜がどっさりしているとうれしいです。

 どこの中国料理屋さんにもあるというメニューではないので、一度youtubeを観ながら、自分で作ってみたのですが、豚のバラ肉500グラムを用意して(嵩でお豆腐一丁半くらいはある)を賽の目に切って、ことこと煮ながら何度か溶けだした脂身を流し捨て、揚げ玉ねぎみたいな中華材料と醤油とお酒と八角と黒砂糖とで煮ては休め、また煮てと3日目くらいにやっと食べたのですが、結構時間をかける料理なんですね。

 この料理、台湾のソウルフードだとか聞くんですが、昔現地で食べていないんです。また行く機会があったら是非食べてみたいです。


往来の桜

2018-03-30 03:32:19 | 日々

 東京での桜の開花の発表から既にかなりの時間が過ぎ、そろそろ散る時期ですね。この頃生活リズムが逆転していて、夜型生活だったため、闇の中の桜の下の行き来はしていたものの、桜を観に外に出るということも少なく、今日通院のための自転車での往来で目に入った桜を撮ってみました。私の地元東京北区は飛鳥山があるので、区をあげて「桜の街」のようなイメージを流しているようですが、実際どうなんでしょう。どこにも桜の木はあるし、上野の山だの目黒川沿い、千鳥ヶ淵など露出の多いところがいくらでもありますね。

 通院へのコースは関東ローム層の崖沿いに南下して、王子から台地へ上り、昔の藍染川沿いに進んで帰ってくるので、どこを通っても桜はありますが、いくつか静かに咲いているという風情のところで自転車を止めました。

 上の2枚は王子の飛鳥山沿いの明治通りの大曲りから石神井川に平行している、旧・醸造試験場敷地内を走る桜並木です。地面を覆う若草色との響き合いがいいな、と思いました。下草には既にカラスノエンドウの花やイヌノフグリの青い花、ギシギシの若葉がきれいですね。タンポポはまだのようです。

 上は病院からの帰り、染井墓地のところの坂です。ほとんど人が通らないところで桜の枝ののびやかなところがいい感じです。

 王子まで戻ってきて錦絵にも描かれた金剛寺(紅葉寺」脇の石神井川(音無川)です。上流から散った花びらが集まって流れてきています。

 同じく金剛寺前の紅葉橋から下流への眺めです。この辺りは割とカメラを構えている人がいましたね。名主の滝の真裏の山の上のがらんとした児童遊園に大きく枝を伸ばした桜も魅力的だったのですが、ずぼらで撮るのを忘れました。「いらっしゃいませ」的にぼんぼりとか提灯なんかで彩られた桜もまた滑稽で面白くはありますが、人に構われず、構わず咲いているような景色の桜が好きです。

 


お知らせ「中野ひな市」2018

2018-03-21 13:13:45 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 今年も信州中野の「ひな市」の季節が近づいてきました。今回が年末の焼成窯の不調により準備の出だしが遅れたため、人形の発送が遅れないよう、どたばたしましたが、アンテナ的により多くの方の目にかかる機会ですので大切に出品させていただきます。丸〆猫のひととおり、招き猫のいろいろ、ぴいぴいに狐もの、犬ものなど。招き猫の火入れが最大のものです。

 「全国土人形即売市」という枠の中で陳列されるようです。お出かけみなさま、よろしくお願いいたします。

「中野ひな市公式ページ」はこちら→


追加の型抜き

2018-03-20 13:20:56 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 先日2軒のお店へのお納めをしてきたのですが、近々に他に2軒のお店へのお納めがあり、前回素焼きしておいた分では数が足りないので急ぎ追加で型抜きしています。ここのところ嘉永安政風丸〆猫と本丸〆猫、そして丸〆小判猫、昭和戦前丸〆猫でも、朱色のではなくて、青と緑のほうのご希望がきています。

 抜き出して2日は玄関の上り框付近て常温で置いていましたが、ファンヒーターを焚いている台所の換気口前に移動させています。まずは2軒向けの招き猫、そのあとまた他のお店向けの一文雛という順で納めます。気温がまた寒くなってきているので、外での水簸(すいひ)はまだちょっとです。


試作2回目

2018-03-17 14:39:24 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 以前からご依頼いただいていたお稲荷さま授与用の狐の試作の改訂版。これまで他のお稲荷様への製作で手一杯だったので、思いがあっても手いっぱいでご希望に沿った改良?に実働できず申し訳なく思っていました。今やっと改定版の着色を終わってこれから神社さまへお送りします。ご希望に叶っているかどうか、、、。

 ご覧いただいて一目瞭然でこの狐さまのお姿、今戸焼の形ではありません。神社が鎮座されているのは宮城県内なんです。ご神職は昔あったのに今ではなくなってしまった土狐を今に蘇らせたいとのことで、このブログをご覧になって今戸の鉄砲狐を当社へも、というお考えだったのですが、宮城に今戸の狐が流れて行って残っていたというケースは無きにしも非ずですが、宮城の神社の鎮座されている土地であればかつては仙台の堤人形とか花巻人形の狐が並んでいたと考えるのが自然だし、土地の風物にも無理なく溶け込みやすいのでは、と思い、堤風の狐をモデリングしてご提案したのです。形や彩色は前回のでよい、ということだったのですが、側面に入れる文字の陽刻は2番目の文字が細かいので「○○稲荷」の4文字だと小さくなってしまい陽刻もみえずらいので「○○山」の3文字にしてゆったり入れたほうがよい、とのことで、今回そうしてみましたが、浮き出た文字を地色のままにするか、上から色でなぞり書いたほうかよいか、両方やってお送りしたいと思います。文字下手なので恥ずかしいですが、、。

 とにかくこれは今戸ではないんですが、頼まれればできることならお役に立ちたいということでやっているわけで、何でもかんでも全国各地のものの真似をする節操のない奴だと思われたくはありません。自分としては生まれ育った東京のローカルを大切にしたいと思ってやっていることですが、必要とされることであればたまにはこういうこともやるのは間違いではないと考えています。堤風のくじら眼、慣れていないので下手ぴですが、すこしづつ慣れていけばもっとましに描けるかなと思っています。


晴れての作業

2018-03-16 05:21:38 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 「あ~やっと娑婆に出た」という晴々した気分。今日は確定申告の最終日で、ぎりぎりの綱渡り状態で済ませてほーっとしました。窯の不調にはじまって、父の一周忌、期限付きの発送、などもあってぎりぎり先週末から申告用の紙ものをかき集め、電卓いじりで筆で色を塗っているという状態ではありませんでした。毎度のことながら税務署の玄関から申告終わりまでの行列。何に例えたらよいのか、人体図の大腸のつづれ折り風の行列、地獄巡りさながらの3時間余でした。

 やっと晴れて落ち着いて作業ができます。お店から頼まれている人形たちを早くお納めしなければ、と思います。画像の中心の天神さま

一昨年の日本民藝館展向けに植物の煮出し汁中心に塗るパターンですが、筆のすべりが自分なりには気持ちよく、今まで「白緑」で塗っていた平緒(ひらお)の部分を濃いめの「くさのしる」で塗ってみたら案外しまりがあっていい感じだと思います。

 寒さも和らいできているので、水簸(すいひ)の作業も再開していきたいと思います。


べんがら

2018-03-12 00:02:42 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 「狸のぴいぴい」や「御幣猿」、「丸〆狐」の茶色部分を塗っているところです。

若い頃、チューブからパレットや溶き皿にごく当たり前のように絵具を絞り出して使っていた頃、色によってはムラになりやすい色、なりにくい色とか経験的にクセがあることは感じていたものの、今のように土人形に昔のような風合いを出すために泥絵具や染料、植物の煮出し汁など、効率的ではなくとも、素材を膠と混ぜて塗るということを始めるようになり、こんなに面倒なことがあるのか、と今更感じることが少なくないです。顔料でも岩絵の具のような上等なものは土人形には使わないので、泥絵具といって粉状になっているものや、水簸絵具といって粒状でガラス瓶に入って売られているものを乳鉢でごりごりしながらすりつぶして使います。膠と混ぜて筆で塗りますが粒子の大きさの差のためかうまく筆がすべらない、均等に塗れない、と毎度苦労する最たるものがこの「ベンガラ」(酸化鉄)です。

 筆でさーっと塗ったところで画像右の狸のように粒子が塗る地肌につっかえてムラになります。とりあえずべた塗りにすることが目標として何度も塗り重ねて、まだ残っているムラを虱つぶしのように狙って塗る繰り返しで、乾いてみたら、まだムラがあった、といった具合です。また肌色を作るために、胡粉とベンガラと黄色を混ぜて塗るとします。このベンガラの場合粒子が重いためか作ったばかりのつもりで塗っていてもすぐ分離しやすいのでベンガラが下に沈んでしまい、上は胡粉と黄色っぽくなっているので気を付けないと同じ器から筆で描いていても次第に色が違ってきてムラになります。肌色地の人形の場合ムラになるとまた塗り直しします。ベロ藍のように粒子が細かく軽い色もまたクセがありますが、ベンガラは使うのにしんどいな、といつも感じています。使い方が悪いのか、、。でも岩絵の具は宝石とか鉱物由来と聞くのでもっと大変なのだろうと思います。


リンゴか?なしか?

2018-03-11 15:17:19 | 日々

 昨秋土に埋めておいた種から芽がでてきています。確かリンゴや梨を食べた種を蒔いたわけでどっちなんだろうと考えています。ひとつの癖で食べた果物とか拾ったどんぐりなど土に埋めてしまいます。みかんや柑橘類の若木やブドウの蔓、、、狭い我が家の鉢の中では気の毒で、土地のあるところにゆったり移植してあげたいのですが、どうしたらよいのか?お知恵をいただけるとありがたいです。


十五夜さんの手

2018-03-08 04:13:40 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 急ぎで彩色をしています。同じ型でも色違いの配色のものもあるので一気に全てを同じペースで進められません。毎度のことながら、平らなスペースが欲しい、お弁当屋さんの調理台のように一気に箱を並べて、ご飯をひととおりよそって、次はきんぴら、その次はそぼろを、、、という風にできたらかなりスピードアップできるものなのに、、、などと独り言を言いながらやっています。ご存知のとおり一色を使うにも粉絵具を乳鉢で胡粉液と混ぜ、指ですりすりしたり、冷めてきたら湯煎にかけるなど、チューブからパレットに出して、、風には行きません。

 傍らに十五夜さんが床に敷いた布の上でファンヒーターの風に当たって寛いでいるのですが、気が付いたように膝の上に乗ってきたりわざと手元を遮ったりしてきます。そしてまた、、、、。

 いつの間に乳鉢の中に手や足を突っ込んでいたのでした。作業用のズボンだったので大丈夫ですが、手足をシャワーでシャンプーにつけて洗い落さなければなりません。猫さんでも犬さんでもシャンプーは嫌いですよね。嫌がって悲しいそうに大声を出して、、爪を立てられても怒るわけにも行かず、タオルで拭いて、、。風呂場の扉を開け閉めするだけで、トラウマな反応を示す十五夜さんですが、何と今夜同じことを2回してくれて、2回シャンプーをしました。それでいて手足が乾くとまた作業している足元で寛いでいます。


擦り込み

2018-03-04 05:57:27 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 山形へ出かける以前に型抜きして乾燥させていたものの2軍を昨夜素焼きを済ませ、胡粉の地塗りをして、下地をつくります。人形によっては胡粉地を残すもの、キラ(雲母粉)を塗ったパール状の地にするものと区別して準備しておきます。胡粉地、キラ地ともに乾燥して準備できたところで目元に朱や丹を水溶きせず粉の状態で擦り込み刷毛で薄くぼかしを入れます。全国に残っているそれぞれの土人形産地によって目元に赤みをさして温かみを出すやり方があり、今戸の場合、「玩具聚図」という天保3年に記された人形玩具の配色手本帖が浅草橋の吉徳さんに残されており、配色の指定として目の周りや白地の動物の体部分を朱とか丹にするという具体的な指示が記されています。

 「招き猫の火入れ」の白目部分に黄色をさす前に目の周りに朱を擦りこみます。

 人物の場合も面描きする前に目の周りに朱を擦りこんでおきます。画像の「猫抱きおかめ」の左うしろに見える「座猫」の腰の辺りにも擦りこんでありますが、これが上記「玩具聚図」の指定に倣ったものです。

 擦りこむことで温かみを出すのは例えば関東の目なしだるまの白目の周りも施されていますし、張り子の招き猫などにもされています。多摩系統のだるま屋さんが作る張り子の招き猫はかなり擦りこまれています。

 猫や犬などはこのあと白目の黄色や水色を置いて、瞳を入れていきます。

 


山形行

2018-03-02 13:55:26 | 日々

 昨日3月1日は父の一周忌のため山形へ日帰りで行ってきました。法事などについてこれまで経験がなく教えてもらうことばかりなのですが、一周忌の法要の日取りというものは、命日の後になってはいけないというのも知らず、昨年秋頃、教えてもらってすぐにお寺さんに法事の予約をお願いしていたのですが、山形市内の3月1日の天気というものは、具体的には想定できないので正直気を揉んでいました。というのも先月から九州から北近畿、北陸から北海道まで大雪のニュースを聞いていたのと同じ山形県内の肘折温泉の積雪4メートルというニュースもあり、法要後の墓参りの足場はどうなっているのか、歩いて入れるのかどうか、必要によっては頼んで雪かきサービスを注文すべきかどうか、、などなど。

 山形の市内は最上や置賜に比べれば積雪はきつくない、とは聞いていたものの、喪服にゴム長を履いて家を出発すべきかどうか。前日電話で普通の革靴でも大丈夫そうだということで安心したものの、夜半から激しい雨音で明け方もっと激しくなるという天気予報。朝4時に起床して外の様子を気にしながら着替え、天気さえ問題なければ配りものの荷物もあるので駅前の自転車パーキングまで運んでいけるところ、土砂降りなので無線タクシーを頼んで乗るにしても、夜間料金を加算されるのが嫌なので5時をまわるのを待って電話してきてもらい、何とか駅まで辿り着き、下りの高崎線で大宮まで着いたところ駅構内の新幹線の改札が6時にならないとシャッターが開かないなど、普段着ならば平気なところ、着慣れない喪服姿で汚れては困る、破けては大変(生まれてからこのかた、やむなく背広とかを着て、破いてしまったということが何度かあったため)、まるで歌舞伎の「紙衣ごと」のような気分でいっぱいでした。

 新幹線で山形に着いたのが法事開始の一時間前。本家に寄らせてもらい、お仏壇に線香をあげさせていただいて後、お寺のある村木沢(渡辺エリさんのふるさととして最近知られていて、お寺さんの話によれば、新しい家をここに建てて、時々、家でパフォーマンスを公開されているとのこと)へ。雪は案外路上には残っておらず、かき寄せられている嵩はかなりある。法要を終えて、須川のほとりにある富の中へ移動して墓参り。幸い足場は雪は解けていて安心してお参りすることができました。

 お斎のため頼んでいた市内松原の料理屋さんへ移動、平日仕事で忙しい中集まってくださった親類のみなさんと献杯から食事、先日工場で頼んできた「歌舞伎揚げ」の箱詰めやお茶の箱詰めを無事お配りして一安心。皆さん、幼い頃の自分をよく知っている人ばかりなので、のんびりいろいろな話ができました。

 山形の駅まで送っていただき、せっかく来たのだから、仙台の知り合いに電話して寄らせてもらい、ついでに仙台にあるお気に入りの中華屋さんでちょっと食べ呑みして帰るつもりでいたら、仙山線が強風のため遅延になっていていつ復旧するかわからないという連絡。仕方なく素直に山形発の新幹線で帰宅しました。これが後になって正解だったということになりました。その後、山形新幹線は赤湯~山形間の強風のためかなりの時間列車が止まり、大変なことになっていたという話。

 あとあと綱渡りのようなぎりぎりの一日だったと思いつつ、泥のように寝入りました。とりあえず無事終えることができて何よりでした。ずーっと緊張していたので景色をカメラに撮る余裕もなく、帰りの新幹線の車窓から撮っただけでした。