今、蘇芳(すおう)ときはだ(漢方薬の黄柏)の煮出し汁を使って彩色しているところ。これまで何度か使ってはいますが、まだ決定的に使いこなせているという実感が得られたとはいえません。
これら植物の煮出し液は染織ではよく知られているものですが郷土の人形にも古いものには使用されている作例があり、特に知られているのが三春の張り子人形や花巻、堤、相良の土人形とその脇窯といわれている人形。古い酒田の土人形とその周辺。伏見人形などが知られていますが、それ以外の人形産地でも古い時代には使われていたかもしれません。
蘇芳とキハダ以外にも煮出した植物があったかもしれません。
そして今戸の古い時代の人形にも使われていました。
古い時代の彩色のイメージで一部の人形に使っていますが煮汁ですから発色が儚くて一体昔の作者たちはどうやって効率よくあの深みある赤色を出すことができたのだろう?と不思議です。全くの手探りであれこれ試みていますがコレだ!ということは未だにわかりません。
ただ、今回はじめて知ったこともありました。
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画像のはまだやりかけですが、それでもきはだと下塗りに10回、その上に蘇芳を13回重ねた状態です。それでも1枚目の画像のは未だに青みが強いのでこれからきはだを重ねていきます。