東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

お知らせ 「FANみそ」(丸の内丸善オアゾ 4階ギャラリー)

2020-07-31 13:26:29 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)
 
 この数日、東京をはじめ全国での感染者数の急激な増大が報じられているなか、どうなるか不安をかんじつつも、開催の予定で進んでいるようなので、お知らせします。
 例年丸の内丸の内オアゾ内4階ギャラリーで開催の「FANTANIMA」展と「みそろぎ人形展」とが合同で「FANみそ」展として、8月19日(水)から9月1日(火)まで丸の内丸善オアゾ4階ギャラリーで開催の予定になっています。開場時間はAM9:00〜PM21:00(但し最終日のみ16:00まで)。
 今出品に向けパニック状態で作っているところです。自分の理想としては、例年のようなレイアウトで飾れるとよいのですが、初日に間に合わない場合でも、最終日の前日まではできたものを追加できたら、と思っています。毎日は厳しいですが、追って在廊予定日をお伝えすることができれば、と思います。
 まずはお知らせまで。

FANみそサイトへのリンクはこちらから→

窯出し

2020-07-26 11:43:20 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 窯の炉内温度が100℃を切ったので蓋を開け、取り出しています。

 寒紅の丑やお福牛、装束稲荷の招き狐。

 新登場の招き猫貯金玉のあぶ惣風。ひとつだけ寺島風が混ざっているので大きさの違いが比較できます。大きさだけではなくてモデリングの違いもあるし、彩色や仕上げが異なります。昨年のゴールデンウィークに駒場のべにや民藝店さんで作品展をさせていただいた折、アクリルケースの中に展示していた古い今戸人形の中に、お手本も含まれていたのでご覧になられた方もおいでかと思います。

 まだ抜き出したり原型起こしもあるのですが、ヤスリがけや地塗り、彩色などもエンジンかけないとヤバい雰囲気です。

夏の窯入れと素焼き

2020-07-25 00:44:07 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 理想では窯の炉内にぎっしりの嵩の人形を詰め、素焼きすることなのですが、新登場の人形の最初の出来を見る、型の調整のために、割型の素焼きを済ませないと次に進まない、など絡み合って理想的な能率とはちょっとはずれているな、という感じですが、素焼き運転開始なうです。

 今夜から炉内が自然に冷めるあさっての朝くらいまでは
ただでも暑いのに加え、プラス余熱で汗だらだらです。
ことに炉内が500℃を超えるまでは蓋を開けて水分を逃がすのでそれまでは本当に暑くなります。隣がトイレなので用をたすのにサウナのようになります。

木型による人形

2020-07-23 14:40:04 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)
 あれもやりたい、これも済ませておかなければ…。と思いは突っ走っていますが、ひとつづつ片付けていきます。  前々から手元にある木型を利用して型抜きしたいと思って試し抜きしていたものの、キラ(雲母粉)を剥離のために振っても、粘土が木型に貼り付いて抜きにくいので、片面ずつの石膏型にして抜いて、暫く置いてから前後を合わせるやり方で試行中です。  丸〆猫をか反転させたような構図の招き猫と、唐子頭の和服着たような女の子、福禄寿の3種類。木型の人形はラインがポキポキしているのが特徴。中にガラは入れず、「むく」です。

雨の合間の水簸(すいひ)

2020-07-20 18:53:59 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)
  
 雨が続くと室内での作業には支障はないけれど、天日干しができない、そして外で水簸の作業ができなくなります。
 このところ長時間座ったままの作業が多く、降っていなければ密のない夜中の公園でラジオ体操モドキと屈伸ぐらいするのですが、雨だとそれもできず、腰が痛くて、久しぶりに接骨院へ行き、帰りにまた寄り道して人さまから教えてもらった現役の駄菓子屋さんをハシゴして帰宅したら暑さでビショ濡れ、バケツで水を被ったようになりました。

 着替えてから水簸の作業の続き。蚊が元気でしつこいので長袖にマスク、帽子に両手二の腕までの厚めのゴム手袋に全身スキンガードをスプレーして、沈殿した泥の上澄みを取り除いてから撹拌した泥しょうを篩にかけながら継ぎ足して満タンにしました。大した運動でもないのにまた汗だくになりました。暑かったですね。明日も天気は崩れないようなので、沈殿具合を見ながら続きをしたいと思います。

 三枚目の画像ですが決してばっちいものではありません。掘り出してきた粘土の層に泥炭になりかけのところがあり植物繊維が混ざっているので、撹拌したあと篩にかけるとこうした繊維が残ります。

型起こし 型抜き 土作り

2020-07-17 04:43:34 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 この数日、またコロナのニュースが厳しくなってきているので「1寸先はなにとやら」ということも胸中にありながら、催事の復活という期待をもって作業がパニックに入りつつあります。
 どうなるかは確実はないけれど、既成の割型から抜きだめするのと、やりかけている新しい原型を完成させて新しく加えて出したい。素焼きしてあるものには地塗りを、材料の土も切れたりしないよう掘ってきた土を水簸(すいひ)にかけて沈殿させ、水抜きのため石膏鉢に寝かせて置かなければ。
 要領悪いので、分身の術か、千手観音様みたいになれたら……。

丸〆猫(まるしめのねこ)昭和戦前風

2020-07-09 13:53:59 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 焼き貯めしておいた素焼きの木地にとり急ぎ彩色しています。
このところ掘り出してきた土を水簸(すいひ)にかけたり、新たな原型づくりや割り型づくりの作業などで彩色が遅れていました。すみません。

招き猫貯金玉(あぶ惣風型)

2020-07-07 22:35:56 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 昨夜割り型をこしらえたばかりでまだたくさんは抜き出していませんが、最新の型の人形(貯金玉)できたてのほやほやです。 

 ぱっと見では前から手掛けている寺島風型とほとんど同じ構図ですが、寺島町の高野安次郎によるものとは異なり、今戸で尾張屋・金澤春吉翁(明治元年〜昭和19年)とは別に、長昌寺門前で口入稲荷の狐や鉄砲狐、寒紅の丑などを芋屋渡世の傍ら作っていたと言われる鈴木たつ(あぶ惣の末裔であると有坂与太郎の著作に記されている)の作だと考えられるものをお手本にモデリングしました。まだ生の土の状態なので寺島風との違いがはっきりしませんが、大きさは寺島風よりふたまわり小型で細部が微妙に異なり、彩色も違う感じになる予定です。

干支の丑(牛)づくり② 「寒紅の丑」

2020-07-01 13:32:32 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 この「寒紅の丑」に関してはふた周り目で、最初は竹とんぼの会の重鎮でいらっしゃったHさんのお世話で当時まだ続いていた日本橋東急の「全国郷土玩具展」に出品させていただいた時に作ったのがはじめてだったと憶えています。まだ三十代前半でした。
 その時の紅丑はもっと大きくて彫りが生々しい感じだったと思います。
 そのひとまわり後のときにはもっと小さく、角の取れたような感じを意識しましたが、今回は更に摩耗したような感じを意識しています。

 古い今戸人形の丑(牛)といえば、この紅丑が代表的なもののように紹介されています。「なめくじか?」なんて言う人も見たことがありますが、形としては寝牛なのが摩耗してこうなったのではないでしょうか。

 ものの本には「寒の土用の丑」に作られた紅には口中の荒れや女性の病に薬効があるとして重用されていたとか、、。またこの日には紅を商う小間物屋は画像のような今戸焼で作られた牛の姿をおまけとして配ったということです。