東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

すおう(蘇芳)

2024-01-28 19:42:00 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 一文雛や干支の辰。きはだで地塗りした上にすおう(蘇芳)を重ねて塗っています。画像の一文雛の女雛には10回重ねたところ、有卦船には7回重ねているところです。

 煮出した蘇芳の汁はワインレッドのようないろなのですが媒染として混ぜたミョウバンの酸性のためか黄色みを帯びます。


 しかし塗っているうちに微妙に赤みになります。
同じ有卦船に顔料で塗る場合と煮出した植物の汁を重ねて発色させる場合との途中経過を並べてみました。
 
 植物の煮出し汁についてはまだ重ねが途中でこれから更に重ねていきます。

きはだ(黄柏)

2024-01-28 03:53:22 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 一文雛の女雛の衣にきはだ(黄柏)の煮汁を重ね塗りしています。画像では4回重ねたところ。
最終的に上から蘇芳(すおう)の煮汁を重ねていきます。きはだは蘇芳の発色に赤みを強めるために下地です。

 2枚目の画像は今更ながらの有卦船できはだと蘇芳中心の彩色バージョン。船の側面は黄色の顔料で塗るところを木肌で、帆のストライプ部分をきはだと蘇芳との重ねで発色させる予定です。
昨年末の民藝館展出品には「善玉悪玉」「珠とり海女」ともにきはだ蘇芳使用で彩色したのですが、「有卦船」での煮出し彩色はこれがはじめて。。どうなりますか。,


 顔料彩色辰も進んでいます。遅くて申し訳ありませんが、動きがあれば、この場でお知らせしまっす。ご了承ください。

駅弁売り風作業

2024-01-24 17:56:58 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 この姿勢まるで昔ながらの駅弁売り。昨晩から冷え込みがことさら厳しくて、日頃作業している玄関の上り框(あがりかまち)付近ではヒーターを点けていても手が冷えてきます。仕方なく台所で木箱を膝上に抱えながらの作業。それでも建付けのすき間から入ってくる冷え込み。おそらく昔土人形や一文人形などを作って生業としていた無名の人たちの暮らしの感覚の一面を意図的ではなくとも追体験しているのかもと。。。理想をいえば、冷暖房設備完備の暑さ知らず寒さ知らずの松花堂弁当箱を一面に広げられるスペースで一気に作業できればな、、?とも。
まあ現実的には落語で狐を塗っている情景にはかなり接近しているかと。。
 あるいは昭和歌謡の♫寒さこらえて〜♫みたいな???

組み立て(ひねり鳩)

2024-01-22 05:20:21 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 夜なべの作業。。眠気もしてきた。
ひねり鳩、本来は生土に竹ひごを差し込んで乾燥させた上に地塗り、彩色されたものだったので脆く残るものが少ない言われています。自分で作る場合脆さを避けるため生土ではなくて、いちど素焼きした本体に竹ひご差し込むので二重に作業(①生土でで成形し、竹ひごを挿してくちばし、脚、尻尾の位置孔つける→②竹ひご抜いて乾燥させる→③素焼きする→④竹ひごを再び挿して部位を組み立て固定させる→⑤地塗りと彩色された)することになります。(本来は素焼きしないので②から④の工程はない)
 ことに④は土の収縮あって孔も小さくなりひごを削りながら孔に合わせるのでかなり面倒。ここの作業はなかなか思うようにいかず血圧があがりそうです。

窯出し

2024-01-22 04:55:42 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

炉内温度が100℃以下に冷めたのを確認して窯の蓋を開けます。
自分でやって言うのもおかしいかもしれませんが、掘ってきた土が素焼きでこんな赤みを帯びた色味に変化するのは不思議です。

 上の段の小物たち。

 窯から取り出しながら仕分けていきます。干支もの、王子向け、仙台向け、、。
このあと彩色の前に地肌のやすりがけや胡粉による地塗りなどを済ませておきます。


窯入れ·素焼き

2024-01-20 01:22:17 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 実質新年あけに初窯ということになります。それにして炉内いっぱいにして焼くのが本望ですが、そうでない状態窯入れするの些かもったいない気分です。しかし際ということ優先しなければなりません。
 画像1枚目は炉内棚板2段目。細かなもの小さいものを並べ終わったところ。下の隠れている段には「有卦船」をはじめ辰干支ものが並んでいます。

 蓋を半開き状態素焼き運転開始。毎度ことながら炉内500℃なるまでは蓋は半開きにして「炉内の水分を逃がします。
これから目覚ましをかけて仮眠をとります。炉内の温度を確認の上、改めて窯の蓋を閉めに起きます。

狐の追加

2024-01-11 06:05:59 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 先日初芝居興行を歌舞伎座へ観に行き、芝居がハネて、帰りに何か食べようと移動中に携帯に連絡が入り、装束稲荷の授与品である招き狐が大晦日の「王子 狐の行列」で全て授与されて無くなった由。暮の状況では、まだ余裕があるので急ぎ作り足す必要がないということだったので意外な展開。
 装束稲荷の神様への信心で善男善女がお求めになられたのが事実ではあるけれど、作らせてもらっている身としてはうれしいことです。
 今、遅ればせながら干支の辰の人形彩色しながら足りない分を粘土で型抜きもしていたところなので招き狐もぼちぼち抜きはじめました。

 天気予報で今夜は一番寒くなる、と聞いていたのが、午前4時過ぎあたりからやたら寒く感じています。とりあえず電気のファンヒーターを点けながら重ね着して作業していますが、それでも指先が麻痺しそうな寒さ冷たさです。
そろそろ作業をやめて床に入ります。

今年もよろしくお願いいたします。

2024-01-03 02:01:44 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

年があけました。今年もよろしくお願いいたします。この数年、習い性になっているのですが、コロナがあったりで、新年をめでたく祝うというより、新たな年がみなさんにとって安らかな1年でありますよう賀状に記していました。
 この新年早々能登はじめ北陸や越後の方々の被災の知らせを聞くにつけ、みなさんには息災と平安お祈りいたします。
 さて、私の年越しですが、近所の天ぷら屋さんからかき揚げと海老天を買ってきたのもに関わらず、大晦日の夕方横になっていたらそのまま寝過ごしてしまい目覚めたら既に元日の正午前でした。それでも寝足らない感じだったので朝食代わりに買ってあった肉まん熱して食べて服薬したら、また寝てしまい、目覚めたら2日なっていてとんだ寝正月です。お餅も食べていないし、お節も何も正月らしいもの食しておらず、乾麺のそばを買ってきてやっと天ぷらを食べました。
 自分の誕生日が元旦でもあり、年越しは実年齢が増すのに反して自分の不甲斐なさを感じる場面でもありそれを寝過ごしたのはある意味楽に通過できような気もします。

 干支の人形ですが、旧年内は日本民藝館点即売コーナーで4点ずつ「玉取り海女」「善玉悪玉」出していただいきりでしたので、年明けましたが、これからお世話になっているお店に並べていただきたく思っています。具体的に動きましたら改めてお知らせさせていただこう思っています。