東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

東京の土

2013-08-21 00:12:35 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

P1011256 近所の工事現場でいい感じの粘土が出ている様子が気になっていたので、工事の担当の方に事情をお話して貰うことができないかお願いしていたのですが、許可を頂いたので今日はじめて立ち入らせてもらいました。

 粘り気といい嵩といいたくさんいい粘土がありました。しばらく何度もお邪魔させてもらい、粘土を持ち帰ってもよいというお許しをいただいてありがたいです。

 

 これから狐や干支にたくさん粘土が必用になるので、これらの粘土をどんどん水簸にかけて使えるようになるよう回転させていきます。

 画像は今日の午前中の様子ですが、お天道さまの下、立っているだけでも暑いのに粘土を掘ると汗で体中びっしょり。実際に現場でお仕事されていらっしゃる皆さんのご苦労を身をもって感じました。しばらくお世話になります。また明日お邪魔します。

 


ブルータス 9月1日号

2013-08-16 10:33:06 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

P1011252_2
去年?おととし?に引き続き、ブルータス誌上「みやげもん」のコーナーで採り上げていただきました。「犬のぴいぴい」です。ありがとうございます。

 自分で作ったものなのにこうして印刷されたものを見ると、若干作っているときの気持ちの自分とこうして印刷されたものを見ている自分との間にギャップがあるんでしょうか、、。見え方がちょっと違っているいるような気がします。(原因はあくまで自分の心の中にあるのでしょう。)

 

御先祖代々の家業でもなく、創業500年((ちょっと大きすぎる風呂敷では、、、。)という大看板もないわけで、このような機会でより多くのみなさんにやっていることを知ってもらう機会を与えてくださり、ありがとうございます。

P1011250_2以前「BRUTUS」(ブルータス)誌上で取り上げていただいた「今戸の土神輿」や「招き猫」の元祖発祥である「丸〆猫」などについての記事はこちらです。→


水簸(すいひ)

2013-08-16 10:12:23 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

P1011249連日の猛暑。これまでも何度かご紹介している工程なので「またか、、?」という感じかもしれませんが、まさにこの工程をやるなら「今でしょ。」というところです。今現在、奉納用にお納めすべき「鉄砲狐」の型抜きに追われていますし、干支のものその他型抜きしてどんどん乾燥させ、素焼きして貯めておく時期なので、使う粘土も年間を通して最も大量に必用になります。そのためにも、掘ってきた粘土を精製、沈殿させて水抜きをし、発泡スチロールの箱の中でしばらく寝かせておかなければなりません。

毎度の風景なので、説明するのもくどいかな?とは思いますが、向かって右のバケツには掘ってきた土をどろどろに溶かしたものが入っています。左のバケツは右のバケツのドロドロを篩にかけて不純物を取り除いたものを沈殿させ、上澄みの水を繰り返し取り除く工程になります。まさに作業を終えたところなのでまだ水が濁っていて土は沈殿していませんが、明日になれば上澄みの水がきれいに現れます。それを除いて再び右のバケツのどろどろを篩にかけるのです。

水仕事なので今にぴったりですが、汗だくになってしまいます。それとどこからともなく蚊が飛んできて刺されます。近所に新しい工事現場を発見。それも幾分隅田川に近い土地なので、お願いをして近々粘土をもらいに行ってきます。


干支向けの午・第一番型(午乗り狐)馬乗り狐

2013-08-06 13:01:51 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

P1011243 今一番に集中すべき作業は、秋からお納めすべき浅草の三社様(浅草神社)裏手の被官様(被官稲荷神社さま)向けの鉄砲狐です。三回に分けてお納めするのですが、夏の間に3回でお納めするべき総数は素焼きまで済ませてプールしておけば、あとあと安心です。

 それと同時にそのあとに来る干支の支度も今年こそ早めに始めておかなければ、、、ととりあえす一種類目は型を起こして型抜きをし、素焼きして絵付けまで試行してみました。謂わば一番型です。

この数年は干支も辰に巳など、古い今戸焼のお手本のあまりないものだったので仕方なく創作してみたり、小さいものを拡大したりなど苦しいものでしたが、新年の午は今戸に限らず、各地の伝統的土人形産地にも数多くの伝統的な型があるのではないでしょうか。今戸に限って言えば、午をモチーフとした伝統的な型の人形はいくつかあり、どれもやってみたいものばかりですが、全部というのはちょっと厳しいかも、、。独断で、今戸焼の土人形の古典的な型で一番今戸らしくて好きなのは画像の「午乗り狐」です。戦前にお亡くなりになられた生粋の最後の今戸人形師であった尾張屋・金沢春吉翁(明治元年~昭和19年)以降、作られなくなってしまった種類のデザインですが、都内の近世遺跡からもあちらこちらから出土していますので、江戸、明治の時代にはかなり人気のあったものなのだろうと思います。

今回のお手本は戦前の春吉翁作のものも手元にあるのですが、それとは別に戦前の人形研究家だった有坂与太郎の旧蔵していたという土中から出土したという色のとれてしまったものがありますので、色がとれて彫りがはっきりとしているという理由で、有坂型をお手本にモデリングしました。おそらく戦前の尾張屋さんの作はそれよりもひとまわり小さくできているので、反対に有坂型はもう少し大きいということになります。彩色は尾張屋さん式に塗っています。

画像の分は一番型として彩色まですすめたものですが、まずはこれから被官様へお納めする鉄砲狐を最優先に進めながら干支の準備もすすめていくという見通しでやっています。午(馬)に関する今戸の古典の型の面白いものもまだあるので、できればもうすこし種類を起こしてみたいと思っています。


道待ち草?

2013-08-02 12:50:11 | 日々

P1011244_2花のことで連続記事になってしまいますが、近頃になくびっくりしたことなので記してみたいと思います。

画像の歯車のような花をつけた植物。町内のご近所のお宅に玄関先に鉢植えになって咲いているのをみつけてびっくりしました。光線の加減で白く見えますが、実際は青紫色がかった白の花です。

ガーデニングに関してもそれほど熱があるわけではないのですが、この花は今では日本の植木屋さんなどで普通の流通しているのでしょうか?(ご存知の方いらしたらお教え願いたいです。)

なぜこんなに驚いているかというと、まだ若かった20代、30代の頃、ドイツの友達の家々を訪ねて滞在していた時代に現地でよく目にしていた花だからです。それも空き地とか荒野、麦畑の畦、鉄道の線路の脇などに自然に生えていた草で、それまで日本でみたことがなかったので珍しいと思っていたのです。

友達のお母さんに名前を聞くと、わからないということで図鑑を出してきて一緒に調べてくれました。名前は "Gemeine Wegwarte" とありました。直訳すれば "Gemeine"は「ありふれた」

"Wegwarte" は「道待ち」なので「宵待草」のように「道待ち草」のようなものでしょうか。

ドイツに限らす、中部ヨーロッパの乾燥した涼しい荒野に育つ雑草のようで、茎も葉も堅くて馬も食べないんだよ、と友達のお母さんが言っていたのを憶えています。現地では特別珍しがられもしない雑草でした。

種を記念に持ち帰って蒔いたこともありましたが、気候が違うのだから無理なんだろうな、、と思っていました。身辺の変化で家を離れることだけでも難しくなった現在、ドイツの友達たちのことを思い出すばかりで、もう一生友達たちに会える機会はないのかな、、と侘しい気分の昨今にあって、同じ町内のすぐ近くでこの花に再会したというのは単なる思い込みと言われるかもしれませんがびっくりでした。


朝顔とおみなえし

2013-08-02 12:17:00 | 日々

P10112458月に入りました。一年12ヶ月で単純に割れば、6月いっぱいで一年の峠を過ぎ、7月から下り坂にさしかかるということですが、気持ち的には夏休みのかかる7月8月が一年で一番元気いっぱいな峠道という感じを子供のころから持っていました。

現在の我が身の境遇を思えば、夏でも冬でも自由にどこかに出かける時間的余裕も経済的余裕もないので、家にいながら、昔味わったような里山に出かけたり、田圃の畦で遊んだり、川で水泳ぎしたときのようなときめきを持ちたい、、、、。そんな気持ちが玄関前の植木いじりにつながっているような気がします。

5月に種を買ってきて蒔いた朝顔がこんなに大きくなり、先週あたりから花をつけるようになりました。この種は蒔いてからしっかり水やりしていたにもかかわらず3週間くらいなかなか発芽せず、双葉を開いて本葉が出るまで、かなりスローでした。日当たりの関係もあるかもしれません。

蔓が庇より上にさしかかって以降はみるみる大きな葉とつけるようになり、蔓自体もかなり太い屈強な感じになりました。小学校のころ、夏休みの宿題であさがおの観察日記を書いた憶えはあるのですが、あさがおってこんな枝のつき方したっけ??と思うようなこともあるものですね。ひとつの根からは一本の蔓しか延びないものだと思っていたのが実際には勢いがあればところどころで枝分かれするんですね。

買った種の包装には水色の花が描かれていたのを選んでのですが、最初の3つか4つの花は「團十郎」のようなえび茶っぽい花だったのでがっかりしました。その後ご覧のとおり紫味のないすっきりとした水色になってうれしいです。

P10112462番目の画像は先月、チャリで神田神保町まででかけた折に、文京区の千石あたりの植木屋さんで偶然見かけて求めてきた「おみなえし」です。

子供の頃夏休みで出かけた山形の父の実家あたりは狸のいそうな里山に囲まれた田園地帯だったのですが、人が手入れして庭先に育てている「百日草」とか「松葉牡丹」や「芙蓉」「ダリア」なんかの色の賑やかな花とは別に

畦道や山道とか川原に勝手に咲いていた草花たちが好きでした。庭先の花ほど主張がなくともしっとりと咲いているのが好きでした。ミソハギやふじばかまは数年まえから根ずいて花をつけていますが、今年からおみなえしも加わってうれしいです。宿根草なので、水やりや手入れ次第で来年も花をつけてくれるよう気をつけたいと思います、