東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

急ぎの窯入れと素焼き

2023-12-27 01:54:06 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)
今月19日辺りまで浅草羽子板市や干支の辰モード。それ以降は大晦日、東京北区王子行われる「狐の行列」に関わる狐ものの人形モード作業しています。王子装束稲荷さまから授与の招き狐については今のところ急ぎ作り足しは必要ないそうなので装束稲荷前「暮らしの器 王子ヤマワ」さんへのキツネものの人形を急ぎ素焼きします。

 炉内通常ならばいっぱいになる嵩の人形を作りためてから素焼きに動くのですが、まずは大晦日まで出来上がった人形をお渡ししなければならないので急ぎのため変則的なサイクルです。

 炉内がこんなにスカスカというの自分でももったいない気がしますがとにかく急ぎなのです。

 まず窯入れが済んだところで蓋をして稼働させます。炉内は500℃に達するまでは蓋半開きにして炉内の水分を逃がします。その時蓋をするためにその場にいなければなりません。蓋をすればとりあえず安心して休むことができます。

無事に素焼きが終わりますように。

しばれる。。。。。。

2023-12-23 16:43:10 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 昨日は冬至。腰や体を温めるためにでかけた近所の銭湯ではゆず湯に浸ることができました。
それにしても冷える。日本海側地方での豪雪のニュースを聞けば、こんなのチョロいかもしれないけれど、土が冷たく、空気も染み渡るような冷たさ。指先まで痺れてくるような感覚。干支の辰の追加に加え、近く来る大晦日の王子「狐の行列」に向けた狐つくり。間に合うように。

お詫び

2023-12-18 23:37:07 | 日々

 昨日18日は羽子板市2日目。自宅で出来上がったものを追加出かけるつもりで作業していたのですが、1日目の帰路から体調不良で、それでも自己手あてしながら作業していましたが、明けて快方へ向かわずやむなく自宅で休養させていただきました。干支を含めてお持ちする予定だったのが申し訳ありません。担当者の方に連絡入れたところ、ご了承いただいた上、お客様で干支目的に再度来場くださった方のご希望でひとつキープしてほしい由。干支3種のどれか確認していただいてお渡しできるか、ということでした。
 手元には羽子板市向けにすすめていた若干のものがあり、時期を逃したものは他へ廻すか思案中ですが、吉徳さんの露店にお話されたお客様のご要望があれば、そちらへお廻ししてから他へ、と考えています。
 皆様にはご迷惑おかけして申し訳ありませんでした。

浅草 羽子板市 1日目

2023-12-18 00:01:41 | お世話になっているショップさん

 本日羽子板市1日目。先にお納めに間にあわなかった分を直接吉徳さんの露店へ運ばさせていただきます。今日は火入れや都鳥。日曜日でもあり羽子板市でもあり、観音様の裏、言問通りから人で賑わっていました。境内はなおさらこと。宝蔵門内、五重塔の真下に吉徳さんの露店。人形研究家の林直輝さん(何でも鑑定団ご出演)法被姿で接客されていました。

 毎年お世話なっています。


 この景色、作っている本人としては、毎度ながら感無量。丸〆猫の発祥はこの観音様境内。


嘉永5年(1852)の広重の錦絵に描かれている様子こうして具現していただいているありがたさとうれしさ。丸〆猫を再現している甲斐をしみじみと。。。
 混んでいるのと早く帰宅して仮眠をとり、干支何とか仕上げたいので早々に失礼して帰ってきました。








取り急ぎお知らせ(12月17日) 

2023-12-17 10:36:36 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 本日浅草羽子板市初日ですでに開場の時間を過ぎていますが。私は昨夜よりノンストップで作業していて、これから羽子板市へ納めに参ります。本日のお納めには干支はありません。
招き猫の火入れとおかめの火入れ、都鳥を納めに行きます。
まずお知らせまで。

干支の辰(竜 龍)③「珠取海女」(たまとりあま)

2023-12-16 19:45:29 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 今戸の人形の古作には辰の姿のものを確認できず、昔は現在のように十二支の人形一揃えを集める風習がなかったのでは、と思います。
 最後の今戸人形の生粋の作者、尾張屋 金澤春吉翁(明治元年〜昭和19年)がお作りになった小さな木彫風の虎や羊などがあるのですが十二支全て完結して作られていたのかどうか。当然この木彫風の辰があったのかどうか見たことがありません。あと、泥面の龍というのがあった気がしますが、お手本がないので。
 そしてこの画像の「珠取海女」ですが、今戸にあったということではなくて、伏見人形にある人形が有名ですが、伏見をそのまま手本とするのではなく、自分なりに作ったものです。題材の「珠取り」ですが能楽にある演目があり、それから京舞にもあるようです。
 話は讃岐の辺りが舞台なのですが、せっかく東京で作っているのだからと隅田川に所縁の都鳥を水面に貼り付けてみました。

浅草観音 納めの歳の市 羽子板市 2023

2023-12-15 21:38:21 | 日々

 例年のように今年も浅草寺境内で羽子板市が12月17·18·19日の3日間開催されます。
「人形は顔がいのち」浅草橋の江戸から続く東京最古の人形屋さんである吉徳さんのご出店の露店で拙作の土人形も置いていただくことができてこの上ない喜びです。
 先だって今日吉徳さんへ出来上がった人形をお渡しに出かけてきました。
手がけている人形の全てではないので予め、お渡しした分の種類についてお知らせいたします。
 ●丸〆猫(昭和戦前風 朱色·群青)
●丸〆猫(嘉永安政風 緑·紫土風)
●丸〆小判猫
本日お渡ししたものは以上です。
また追加があればお知らせします。干支のものには取り組んでいますがお渡しできる段階でお知らせしますのでご了承ください。


シンデレラパニック

2023-12-15 21:06:46 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 今日15日。浅草の観音様での羽子板市に向けて「人形は顔がいのち。」の江戸東京最古の人形の老舗である吉徳さんへ拙作の人形をお渡ししてお願いするタイムリミット。
「今年こそは早い時間にお渡しできるように。。」と思っていたのですがやっぱり結果的にシンデレラ状態でのお渡しになってしまいました。
 第1のハードルは当然ながら、人形を完成させること。
 そして第2に乾燥させた人形を透明なセロファンで包むこと。
 第3に緩衝材で包むこと。
 第4にダンボール箱に荷造り。
 第5に荷物を運ぶ。
 第6に検品してもらい、お渡しする。

 今日は第1までで頭いっぱいでダンボールの調達まで頭がまわらなかったので、夕闇の中、近所のドラッグストアへもらいに行ったのでした。
結局浅草橋の吉徳さんに辿りつくのが遅れてご迷惑おかけしました。
時間の経つのが速くて、焦ってしまい、とんだシンデレラ状態。
 まずは部分的、にでもお渡しできて安心。まだできていない分の中で会期中に間に合うものは直接観音様境内へ運ばさせていただくことになっています。

展示の様子(日本民藝館展 2023)

2023-12-14 18:56:38 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 本日べにや民藝店さんから、民藝館展会場内の拙作の人形の展示の様子の画像をいただきましたのでここに貼り付けさせていただきます。今回の出品は計9点で選外はありませんでした。
 うち2点は準入選。残り7点が入選ということで展示室に。準の2点は一階の即売室に並んでいるはずです。最初の画像↑は座り猫。

↑福助とお福。

↑装束稲荷の招き猫、都鳥。

↑提灯狐

↑煙草呑みダルマ、丸〆猫(昭和戦前風)
以上です。このところドタバタしていまして、時間があったら会場へ足を運びたいです。

あってよかった。。。

2023-12-12 18:50:41 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 成形したひねり鳩から竹ひごを抜いて乾燥させていた本体。給水マット上で乾燥させ、ある程度乾いたら風に当てて更に乾燥させる。先日蔵前のかご屋さんで手に入れた小さなザルが計らずも風通しよさそうで調法。素焼きのあと、再度竹ひご脚やクチバシ、尻尾をつけて組み立てます。

干支の辰(竜 龍)②「善玉悪玉」(ぜんだまあくだま)

2023-12-11 23:20:16 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 龍にからむ善玉と悪玉。このキャラクターは歌舞伎をご覧の方なら清元の「三社祭」だとお察しいただけると思います。歌舞伎でも人気のある舞踊で、ふたりの漁師が投網をしているところに怪しげな雲が降りてきて、ふたりそれぞれに善玉悪玉がのり移り、洒落で滑稽な語りに合わせて踊るという内容のもの。もとは「弥生花浅草祭」(やよいのはなあさくさまつり)という变化舞踊(いくつも姿に変わりながら踊分ける)のひとつで昔三社祭で行われていたという山車の人形の様子を描いたものらしく「神功皇后と武内宿禰→善玉悪玉→通人と田舎侍→石橋」という4变化の2番目パーツが人気曲になりました。善玉悪玉は江戸末「心学」というものが流行ったそうで人の心の中には善玉悪玉両方いて、その都度の行い導く、といった内容のようで流行ったため、それが歌舞伎にも取り入れられたようです。また冒頭のふたりの漁師ですが、これは浅草の観音様の縁起にもあらわれる宮戸川(隅田川)で漁をしていて観音様のお姿を得た兄弟 浜成竹成なぞらえているので、浅草には切ってもきれない存在ですね。浅草 浅草寺の山号は「金龍山」といいますのでゆかりの龍に善玉悪玉を絡ませてみました。但し、金竜山というので龍まっ金金にするの文字通りなのですが、金ピカというのに抵抗がありあくどい感じがするので部分的に金色をかする程度に置くことにしました。

干支の辰(竜 龍)「有卦船」(うけぶね)

2023-12-11 21:40:52 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 ひと周り前、12年前の画像で失礼します。現在制作中で「予告編」としてご覧ください。同じ型を使っており、形状は同じ。配色については一部変更するかもしれません。昔の古い今戸の人形には辰の姿のもの確認できず、お手本がないので止む無く自分で起こしたものです。「有卦船」という慣習は東京でも古くから行われていて、戦前まで浅草で経木などで作る人がいたようです。
 人の人生には生まれの干支によって運気の波があり?よい運気の期間に入ることを「有卦に入る」といい、反対に良くない運気もあるわけで、「有卦に入る」人は祝いに
船を求めたり、贈られたり。その船の上に「ふ」のつくモノの形の菓子を飾って祝ったとか。
 画像では、富士山、ふぐ、分銅、お福さん、福寿草、福良雀を並べました。また船の帆柱は筆になっています。古い刷り物には藤の花とかふんどしが描かれているのもあります。
 こんな訳で古いお手本がないので、自分で型を起こしましたが、いきなり現代風とかバタ臭くするのは本意ではないので、昔の慣習からイメージしました。

窯入れ·素焼き 

2023-12-08 03:12:43 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 理想としては窯の炉内満タンの人形の乾燥を待っての窯入れですが、この時期早く進めたいという気持ちもあり、乾燥の進んだ分で素焼きにまわします。棚板1枚使って2段にセットして素焼き稼働させました。



窯蓋を半開きしています。炉内が500℃になるまでは半開きで水分を逃します。
 このあと4時間後くらい炉内様子を見ながら蓋をします。
無事素焼きが済みますように。。。

 稼働開始から5時間30分経過。

炉内温度500℃に達したので蓋を閉め密封しました。このあと炉内800℃に達したところで運転が止まり、自然な冷却によって炉内100以下になるのを待って蓋を開けます。