東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

年越し(仕事納め→仕事初)

2019-12-31 20:28:15 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 ただ今、NHKEテレの第九交響曲 第2楽章なう。テレビの画面はバリケードによって見えないけれど、聴きながら手を動かしています。今晩は年越しでもあり、一年の計は何とやらで、がんばって気持ちよく歳をとりたいと思います。(元旦生まれなもので…😢)

 旧年はいろいろあってご迷惑おかけしました。そしてお世話になりました。

 来る新年もどうぞよろしくおねがいいたします。こういう間に第3楽章にきました。


民藝 2020年1月号

2019-12-28 15:06:50 | 日々

 先立って日本民藝館の学芸員の村上さんからの取材をいただき、雑誌「民藝」の誌面でお採り上げくださるというありがたいお話。昨日発行の1月号が今日届き拝見しました。

「世界の人形」という特集のなかで現在の制作者という括りのなかで、琉球張子の豊永盛人さんとならんでとりあげていただいています。

 身に余る光栄というか、とにかくありがとうございました。


お納め(王子 ヤマワさん)

2019-12-27 00:14:57 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 今日何とか頑張って昨日までの狐ほかを王子 装束稲荷さま前の「ヤマワ」さんへお納めしてきました。厳密には頼まれていたもの100%ではないですが不足の分大晦日までに間にあえばお持ちする、または年明け初午までと言うことで、とりあえず安堵しています。

 気がつけば、装束稲荷さまの玉垣の傍らに篝火が用意されています。帰宅してからはリクエストのあった「大黒天ねずみ」や「白ねずみ」の追加やまだ出していないねずみもの、ほかのお店へのお納めの支度、それとやりたくてうずうずしているものに向かっていきたいと思います。


狐パニック

2019-12-25 21:25:40 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 今日は25日。昨日も今日ものんびりハッピークリスマスという実感が全くありません。早く狐を仕上げて納めないことには次のことに手を着けられないという感じです。

 例年だと王子の「狐の行列」の執り行われる大晦日までに滑り込みということもあったりですが、早いに越したことはないのと、この数日の天気予報では雨の来そうな日もあり、自転車での納めには雨にぶつかりたくないなど心配いろいろ…。

 早く仕上げたそばからクリアケースで包んで安心したいけれど、まだ仕上がり待ち状態だったりでパニクっています。

 羽織狐の群青色がまだ…。狐拳の庄屋の帯の砂子蒔きがまだ。与市兵衛狐と庄屋の紋の白抜きがまだ。口入狐の裃の砂子蒔きがまだ…。招き狐の袖なしに模様が入っていない…。狐馬に手綱がついていない…。

 まだまだスパイラル状態です。


お知恵をください。

2019-12-22 10:15:28 | 日々

 牛乳も豆乳も大好きでよく飲みますが、このところ悶々としているのが、豆乳の空きパック始末のこと。パッケージにはプラスチックのきゃっぷの取り外し方やパックの開き方とともに「リサイクル」と明示されています。しかし実際自分の住む東京北区の広報での「ゴミの出し方」「リサイクル」の欄には牛乳パックはリサイクル対象なのにアルミパックは「燃えるゴミ」として出すよう指示されているのです。裏側のアルミ箔さえ除去すれば新聞や古紙の準じて処理されるものなのかどうか?こんなにしっかり分厚い資材なら何か再利用できないものなのか。あるいは自転車で持ち込んでリサイクルに供してくれるところはないものか。お知恵をくださいませんか。


お納め(王子 装束稲荷神社)

2019-12-21 14:38:36 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 大晦日から新年にかけての年越しに執り行わる「王子 狐の行列」。その当日と初午、2の午に装束稲荷神社から授与される「招き狐」のお納めです。昨日のぽかぼかとした陽気とは一転して今日の底冷え。

 装束稲荷界隈は既に「狐の行列」向けの黄色い宝珠の提灯が提げられています。

 

 装束稲荷前の「王子 ヤマワ」さん。こちらのお店でも拙作の今戸の狐ものの人形を取り扱っていただいています。きょうはとりあえず「鉄砲狐」だけお納めして残りの種類の狐は晦日目標に改めてお納めに伺います。


お納め(東京キッチュさん)

2019-12-19 17:56:59 | 街角

 本日、谷中よみせ通りにある「東京キッチュ」さんへ久しぶりにお納めに出かけてきました。クリスマスや新年向けの品揃え、ディスプレイになっています。ユニークな雑貨はいつもながら新鮮です。いつもながら「これいいな…」ておもわせる実用雑貨があります。

 

 今日は不動産屋さんの店頭に貼ってあるような物件の見取り図柄の厚手のトートバッグ。底の部分はマチがついています。洋風の見取り図の柄もありました。それと今日は見るだけだったけれど気になっている品物で、剣道着みたいな藍染の刺し子の布でできたトートもありました。

  

 ショーウィンドウのおおおきなねずみと並べてもらった丸〆猫をパチリ。

納めの帰りに巣鴨のロータリーにある好きな回転寿司屋で遅い昼食を摂って帰りました。赤羽にはこの店みたいに好きな店ないのが残念。


羽子板市 2019

2019-12-17 15:12:09 | 日々

 この数日、心配な腫れのほうは結果として小康状態ですが、ヘルニア由来の右脛から人差し指にかけての痛みがひどく直立できない場面があったりします。今日は整形外科のDr.の予約日。雨降っていますが、歩きと電車バスでの通院は試練のレベル。ポンチョで自転車での通院ならぱ、羽子板市の初日でもあり、浅草まで出かけ、お世話になっている吉徳さんの露店にお邪魔させてもらってから、病院にまわって帰宅。自転車を漕いで痛みが和らぐという期待もありました。赤羽を出たときは雨足弱かったですが、ポンチョで重装備でしたが、豊島、堀船、小台、宮の前、赤土小、宮地辺りまで進んだころ止んでいました。東日暮里、根岸、金杉、千束から国際通りに入って観音様に到着。

 早速お世話になっている「吉徳」さんの露店へごあいさつに。あいにくの雨ですが、朝から招き猫や干支のねずみのために待ってくださるお客様がみえたとのこと。ありがたいです。「大黒天ねずみ」はすでに売り切れ。ありがとうございます。「鳩笛はないか?」とお訊ねのお客様もおいでだったそうです。出せばよかったです。

 露店でお喋りしていたところ、お客様からたずねられたことなのですが、「仲見世で

吉田さんの丸〆猫そっくりの招き猫が売られていますが、吉田さんのお作ですか?」残念ながら拙作ではありません。仲見世の某店が拙作のを真似させて売っているのが現状です。大きさがちがいますが、圧倒的な違いは招く手の高さです。某店のは手を耳の高さを超えて不自然に高いです。拙作のはできるだけ昔のものに倣って不自然な創作をしたくないので手は耳の付け根の高さです。

 某店の旦那さんの理屈では江戸の招き猫は精一杯高くまねかなきゃいけない、ときいたことがありますが、それが本当であれば、出土品なり伝世品なり絵画なりに記録されているはずで、それを確認していれば、自分でとっくに造形していますが…。

 自分としてはあまりあざといことはしたくないです。こればかりはお客様のお好みしだいで、拙作のように小手の利かないぶっきらぼうな人形を好いてくたださる方、こてこてきれいきれいなのがお好きな方さまざまだと思います。

  

 吉徳さんの露店前でつい油を売ってしまいました。お世話いただいている皆さんにお礼申し上げ、病院へむかいました。その後雨が降らずラッキーでした。


狐モード、、、。

2019-12-16 00:42:41 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 先日、浅草橋の吉徳さんへ羽子板市向けの人形をお納めに出かけてきました。

 羽子板市の開催はこれからですが、自分の動きとしては次とその次をめざしていきます。カレンダー的には大晦日の王子の「狐の行列」に向け、装束稲荷様から授与される「招き狐」と装束稲荷様向かいの「王子ヤマワ」さんから頼まれている今戸人形の狐ものの種々です。暦の上の年中行事に繋がる品々なので、際をはずしては意味がありません。今年は信じられませんが、三度も入退院を繰り返し、トータルで5週間も作業できませんでした。現在娑婆生活中ですが、いつまた引き戻されるのではないか???正直不安でまたそのため納めに支障が出てご迷惑おかけしたくありません。同時に店やさんや個人で人形を頼まれていらっしゃる皆さんにも早くお渡しできるようにしたいと思っています。


日本民藝館展 2019  展示より…

2019-12-14 03:26:57 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 12月11日東京駒場 日本民藝館で行われた2019年度の内覧と講評会。写真はべにや民藝店さんからご提供いただきました。最初の画像最上段の2点は琉球張子 豊永盛人さんの作品。上から二段目左から「鉄砲狐」「鳩笛」。下段 左から「狐馬」「みみずく」「犬」。

 

 画像五枚目と六枚目 「羽織狐」。

 画像七枚目と八枚目 「白ねずみ」。

 べにや民藝店さま画像をありがとうございました。 

 「みみずく」の赤部分。今回は植物煮出し汁の「きはだ」と「蘇芳(すおう)」の重ね塗りで発色させています。もっと深く濃い赤を発色させることもできますが、伝世の植物煮出しの今戸人形の色味に近い感じがします。「白ねずみ」の尻尾の発色も思っていたよりきれいな感じで、カメラが人の肉眼以上に色に敏感に反応してくれているのだろうか?という気もします。他の人形も入院という時期を挟み、不思議と客観的な感覚で眺めているような感じがします。


日本民藝館展 2019

2019-12-11 09:57:28 | 日々

 今日東京駒場の日本民藝館で授賞式と各部門の講評会があるそうです。あいにくきょうは自分の通院が入っているので参加できませんが、べにや民藝店さんからはこんかいの結果についてお知らせいただきました。

 今年も出品するつもりで型抜き、素焼き、やすりがけに地塗りまで進めていたのですが、途中で再発病して当初出品する予定だった全ては無理となり、その一部だけですがべにやさんにお願いして入院したのでした。

 努力100%に及ばず、不本意なかたちでの出品だったので結果も厳しいかな?と半ば諦めもありましたが、お伝えいただいた結果では、出品したもの全て入選したとのことでうれしいです。

 今日の講評会には参加できませんが、会期中に再入院などがなくて可能なら自分も民藝館まで出かけてみたいとおもいます。

 


浅草 納めの観音 羽子板市 2019

2019-12-10 10:56:53 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 昨日浅草橋の吉徳さんまで出来上がった人形をお納めに出かけてきました。今さらの話ですが、あくびしているうちにいつの間にか師走という感じでもあり、今年の場合自分にとってはやたら試練もあったなあ、、、という感じもあります。さて12月17日・18日・19日の三日間、浅草観音様の本堂前で毎年恒例の羽子板市が開催されます。浅草の年の内の〆を飾る「納めの年の市 羽子板市」となっています。

 毎年、この時期、羽子板市のお知らせとしてここに記させていただいていますが、観音様の境内はかつて今戸の人形が鬻がれていたところ。そしてまた現在までのところ最古の招き猫の記録として知られる「丸〆猫(まるしめのねこ)」ゆかりの土地、しいては「招き猫発祥の地」として記録や絵画の残る場所であって昭和平成になってにわかにつくりあげられた「インスタント招き猫発祥の地神社」ではありません。

 このれっきとした今戸焼や丸〆猫ゆかりの場所で拙作の人形を並べていただけることはこの上ない光栄なことで、お世話くださる吉徳さんには感謝この上もありません。

 今年は度重なる入院のため、準備に十分な時間がとれなかったため昨年に比べると人形の量は多くはありませんが、それでもこの場所に並べていただける喜びをかみしめています。

 健康上のことで近頃食生活に気を付けて、ほとんど甘いものも断っていますが、吉徳さんからの帰り道、観音通りのジェラート屋さんで甘酒のジェラートをご褒美として食べました。絵びらが店内に貼ってありました。あと一週間後になりますが、お近くにお出かけのみなさま、羽子板市、吉徳さんの露店へお寄りくださいませ。

 


干支のねずみづくり ③「大黒天ねずみ」

2019-12-09 17:03:47 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 ひとまわり前の子年に起こした人形で、今戸人形最後の生粋の作者であった尾張屋 金沢春吉翁(明治元年~昭和19年)がお作りになっていた人形をお手本にして作ったものです。このねずみ自体大黒様の姿をしているわけではありません。裃姿でも口入狐のプロポーションとも微妙に異なります。推定ですが口入狐は裃雛のプロポーション、この大黒天ねずみは福助(叶福助ではなく、福助お福の対の福助)のプロポーションと同じように考えられます。

 なぜこの姿のねずみが「大黒天ねずみ」なのかといえば、もともとねずみは大黒様のご眷属だといわれていますが、その上に、両手で二股大根と宝珠を持っています。ここがミソで「大根喰う=だいこくう=大黒」つまり「地口由来」なんです。こういうのって昔の江戸東京の洒落た感覚ですね。

 背面に「大黒天」の朱書きがあるのも尾張屋さんとおりです。

 これまでこの「大黒天」ねずみの色違いの配色を確認しながら三通りの配色を塗り分けて出していたのですが、ご存じのとおり今年は何度も入退院を繰り返していたため準備に時間を十分とれなかったためとりあえず画像のようにねずみ色の裃、朱色の振袖のパターンだけ間に合わせて作りました。

 第二の配色は画像と同じねずみ色の裃に振袖が群青色、第三の配色は裃がべんがらの茶色に振袖が群青色、つまり今戸の福助の配色と同じです。 、、、というように春吉翁は色違いで塗っていらっしゃたと把握していました。しかし最近また新たなパターンを発見しました。

 時間があればやってみたいとは思っています。

 


尻尾巻きと取り付け

2019-12-07 19:20:02 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 先にご紹介しました「白ねずみ」の尻尾を巻いて取り付けています。

 植物の「蘇芳(すおう)」や「きはだ(黄柏)」を煮出した汁で染めた障子紙を乾かして細く切った状態。個人的にはこの紙片の色ムラがきれいだなと思っています。

 針金に染めていない白い障子紙を巻き付けて肉づけします。

 白い肉付けした尻尾の上に染めた障子紙を巻き付けていきます。

 器用に巻けていませんが、とりあえず尻尾です。

 ねずみのお尻のところに孔が空いているのはお手本にした近世遺跡からの出土遺物の人形のとおりで、この孔から尻尾を想定して組み立てています。

 尻尾を待っているねずみたち。

昔の土人形の中には単純に土だけで造形されている種類のものもあれば、土の造形に他の素材のものを足して作ったものもあり、特に今戸の人形では際物的に木や紙、真鍮や針金などと合体させた製品があって観音様の境内中心に鬻がれ、目新しいものに子供たちの目を引き付けていたのだと思います。美術作品などでよく使われる言葉「ミクスドメディア」ですね。

 


彩色

2019-12-03 19:41:16 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 もうすぐ浅草の羽子板市(12月17日/18日/19日)。毎年創業300余年の江戸東京のお人形の老舗である浅草橋の吉徳さんのご出店で羽子板の下に並べていただいています。

 浅草の観音さまの境内ではかつては今戸の人形が露店や床店で鬻がれていたところであり、招き猫の現在までの最古の記録がここ観音さまの境内で嘉永5年(1852)に登場し、大流行したという「丸〆猫(まるしめのねこ)」の記録や錦絵が伝わっています。吉徳さんでは今戸人形や丸〆猫のゆかりの土地として拙作の人形を並べてくださっているわけです。

 今年は自分の体調のため入院したりで作った人形を世間さまに発表できる機会がいまひとつでした。羽子板市こそは、自分にとっては一番のありがたい機会でもあり何とか無事仕上げて並べてもらいたいと祈る気持ちで筆をすすめているところです。