東京の土人形 今戸焼? 今戸人形? いまどき人形 つれづれ

昔あった東京の人形を東京の土で、、、、

久しぶりの型抜き

2021-04-20 15:22:29 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 これまで原型やりかけのものを割型にして粘土を詰めて型抜きをしています。

 今回初登場なのは2種類で「みみずく」の別バージョンと「宝珠担ぎ狐」の2種類です。
まだ完成待ちの原型があまたあるので速く割型にしてあげたいです。

蘇芳(すおう)の袍の天神

2021-04-05 01:00:28 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 少し前に蘇芳の煮出し汁がたくさんできすぎてペットボトルに入れて保存してもまだ出てくるので麻布を染めるのを試してみたり、画像の天神様の袍部分に塗ってみたりしています。

 向って右端のキハダ(黃柏)の煮出し汁の袍の配色は江戸時代の今戸のお雛様の配色を参考に始めたパターンで民藝館展で選に入れていただいたりでこのパターンに安定感を感じています。台座に蘇芳を塗っています。

 実際には植物煮出しの今戸の天神様には出会ったことはないですが、お雛様はじめ色々な種類の人形に煮出し汁が使われている作例があるので、天神様も塗られていたはずだと思っています。
 蘇芳の煮出しがたくさんあるのでまず袍の部分に蘇芳を塗ってみた3体。袴の色を試しに違えて塗ってみました。台座の黒地に黄土色の線は天保年間の彩色手本(玩具聚図・人形の吉徳さん蔵)
に見られ、また最後の生粋の今戸人形師であった尾張屋・金澤春吉翁(明治元年〜昭和19年)も実際に塗られていた配色です。(ただし、配色手本も春吉翁も袍の色は丹や朱色など顔料です。)
 これらの蘇芳は天保以前に行われていたであろう想定の試しです。

一刀彫風の虎

2021-04-02 03:49:25 | 仕事場(今戸焼 土人形 浅草 隅田川)

 来年の干支は寅(虎)なんですが、今現在塗っているのはべにや民藝店さんの五月のお節句向けにお納めするもののひとつです。
 これらの一刀彫風と呼んだらよいのか、面取り的なモデリングもまた江戸時代からの流れを汲む最後の生粋の今戸人形師であった尾張屋・金澤春吉翁がお作りになられた虎をお手本にひと回り前の寅年に向けて型を起こしたものです。
 この虎をはじめとする春吉翁による一刀彫風の干支人形について自分でも由来などわからないことが多く、その片鱗は戦前の関西の郷土玩具研究家、川崎巨泉による描画によって伝えられたものを目にすることができますが、十二支を完結させて作られたものなのか否かさえわかりません。

 少なくともうちには、この虎のお手本と同じシリーズと思われる羊があり、巨泉の描画で牛や馬が描かれているのはみたことがあります。
 春吉翁は毎年干支に合わせてひと種類ずつお作りになられたのか、又は頒布会のようなかたちで十二体一式にして一度にお作りになったのか…?
 ご存知の方いらっしゃればご教示いただきたいです。