水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」
カルテ番号 お・11(1)
大空晴美は思った。
父親が名字と似合った名前を付けてくれたという。
嫁に行けなかったのは似合いすぎているせいではないのか。
40歳前までは単に縁が繋がらないだけだと自分に言い聞かせていた。
やがてリウマチが発症し、歩くことが難しくなって結婚はあきらめた。
両親は教師だった。理路整然とした父親だった。
そんな夫を教師として尊敬していた母親だった。
常に物が綺麗に片付けられた家だった。
小さい時から持ち物もカバンの中も机の中も整理整頓されていた。
それが当たり前だと思っていた。
晴美さんはいつもキチンとしていますね。
言行、持ち物、格好は人格を表すから当然でしょう、と思っていた。
考え方も正しいことが最優先。時には社会の理不尽と衝突することもある。
それでも世間を乱すより、一社会人として多数の意見に従うのが民主的だと思っていた。
他人が見ていなくても、いけない事はしてはいけない。当たり前でしょ。
人様の前で行えないようなことは、一人の時でも罪だと思っていた。
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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18年間封印していた本物の「氣入れパワーストーン」を販売開始
カルテ番号 え・3(9)
命の事、病の事、回復の事、健康の事。
学校やセミナーでは理解できない。
臨床で多種多様な患者さんから教わる。
生命は、理屈や学問では理解できない範囲とやわらかさがある。
学問や理屈や教わった事だけにとらわれたら観えない事が沢山ある。
江崎一成の最初のFAXは小学一年生の字と内容だった。
A4用紙に大きなひらがなで精一杯の感想だった。
次のEAXでは小学の高学年になった。
漢字が多く使われ、字も整い小さく書けるようになった。
内容も自分の気持ちを上手く書き出していた。
そして、次のRAXは中学三年か高校生。
そして、優秀だった大学生にふさわしい内容に変わって治療も終わった。
病や怪我で身体にダメージを受けたままだと、様々な能力も心もそれを表現する力も少ししか使えない。
劣ってしまったのではなく、損なわれてしまったのでもない。
上手く回らないのだ。氣が循環しないのだ。
大きな病の人は、表現できなく能力も使えない状態だが、劣っているのではない。
表面だけ見て判断すると、人格をおろそかにしてしまう。
多くの病院や人が病人に対して間違った観方をしていると陽水は思った。
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カルテ番号 え・3(8)
霊の障害が無くなれば解決というわけではない。
それは霊能者といわれる人達の考えだ。
(ほとんどはインチキか限りなくインチキに近い)
治療師なら知っている。霊の障害が無くなってから回復の治療が始まる。
生物は怪我や病になると回復する機能がついている。
それが生きている、生きていけるという事だ。
霊障害は回復力を働かせない、壁をつくる、という邪魔をしている。
だから障害が無くなってからが治療であり回復になる。
肉体的に傷や腫瘍や炎症が消えても、それで回復したとはいえない。
例えば骨折した骨が繋がった後、手術した後の部分だ。
見た目だけの判断が主流になり、病院もおろそかになりやすい部分だ。
いわゆるリハビリの部分。これはとても大切な治療でもある。
霊障害が消えればいい、なんて考えは素人だ。
霊障害だろうが血管の障害だろうが、本当の回復は障害が消えた後なのだ。
江崎一成は何度か通うことになった。
気功を受ける毎に、どんどん変わっていった。
肉体的な障害はなかったので回復も早い。
そして、治療後、家に帰るとその日の感想などをFAXで送ってくる。
その内容の変化が早く、改めて陽水は教わる事があった。
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カルテ番号 え・3(7)
「この男は弟と似ているのだ。頭も良い。人からも好かれる」
「血筋が繋がっているから似るでしょうね」
「もう一人の男はワシに似ていた」
上司の事だろう。上司も遠い親戚らしいから。
「入るのは簡単だった。あの上司も嫉妬があったのだよ」
「まぁ、人は往々にして出来の良い人物に嫉妬するからね。それ普通ですね」
陽水は霊が相手でも普通に話している。こんな仕事をしているとあるのだ。
それに陽水の母方の祖母は、いわゆる霊能者だった。小さい頃から霊が話す事を何度も聞かされていたから違和感は少ない。
霊が納得するまで話しを続ける人もいるが陽水は違う。
生きている人と同じ扱いだ。面白ければ話すが、つまらなければ切り上げる。
「それで気が済んだ?」
「いいや、苦しいままだ。だから今度はこの男に取りついた」
どんなに性格が明るくても、肉体の苦痛が続けば心は暗くなる。
そこに付け込めば同じ血筋系統なら入りやすいだろう。
上司に入って加害者になり、次に被害者に入ったわけだ。
「相手を変えても苦しさは変わらないでしょ」
「あぁ、苦しいままだ」
「楽になりたい?」
「なりたい」
「何とかしましょ」
陽水は少しだけイメージの光を強くして送った。
「わるかったな」
それが最後の言葉だった。
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カルテ番号 え・3(6)
母親の声でなく男の声色だった。
「う、うぅ・・・眩しくて、苦しいぞ」
陽水は仕方なく相手をする。霊はあまり好きではないのだ。
黙って氣を送ればやがて消えるのだが、それではこの親子が納得しないだろう。
「アタナは誰ですか?」
「ワシは江崎の先祖だ」
「その頃の時代は判りますか?」
「明治になって、このも変わった」
霊とはいえ人と同じだ。平気で嘘もハッタリも言うことを知っている。
こういうところに出たがる霊は、嘘つきの方が多い。
だから陽水は一応の話し相手にはなるが、言葉をそのまま信用しない。
こういう現象に出会うと特別な事だと勘違いし、多くの人が霊の言葉を鵜呑みにする。
マトモな霊なら成仏して出てこないだろう、と陽水は思っている。
「この人の事故はアナタに関係あるのですか?」
「この男がうらやましくてな、悔しくてな」
「どうして?アナタ先祖なんでしょ」
「ワシには出来の良い弟がいてな、ワシは出来が悪かった」
まぁ、こんなところで愚痴を言うようなら、そうだろうなと陽水は思った。
「いつも親や近所から比べられて、ワシはうらやましかった、悔しかった」
(男でも女でも嫉妬心というのはヤッカイだなぁ)
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カルテ番号 え・3(5)
玄関を入ってきた時から判った。霊障という類だ。
こういうのを持ち込む人は、陽水には息苦しさと、時には頭痛がする。
もちろん強弱があり、氣功を始めてから出てくるのもいる。
これでは通常の病院に行っても原因はつかめないし治らない。
怪しげな霊能者に行くとアレコレ原因を話すが、それが本当かどうかは確かめられない。
ほとんどは、デタラメか霊を感じても解釈を勝手にして勘違いになる。
そして、例え原因解明が当たっていても、治す力とは別なのだ。多少あっても弱い。
冷たく暗いモノだ。暖かい光で勝手に消えていく。原因などどうでもいい。
ほとんどは人という歪んだ感情の影響だ。
感情に正しさや理屈など押し付けても空回りするだけだ。
それより、優しく、温かく、明るくすれば消えていく。
陽水は霊に対しては、深くかかわらない。温かく、暖かくなれば勝手に消える。
ところが、時には理由を話したい霊もいる。何しろ感情は人間と同じだ。
人が様々なように霊も様々だ。
そして口が無いので、生きている人の口を借りて話すことがある。
この時の母親がそうだった。
その状態での母親の意識はあるが、自分のコントロールが効かない。
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カルテ番号 え・3(4)
ある日風間陽水が予約も予定も無く、車で30分ほどの日帰り温泉から帰ってきたら、治療院の玄関に女の人がいた。
「あの~、何か御用ですか?」
「ここの先生ですか」
「はぁ、いちおう」
「ぜひ、息子を診て下さい」
陽水は、こういうやり取りには慣れている。
こんな山の中の気功治療院に来るのは、よほどのモノ好きか、かなり切羽詰まっている人達だ。
「ちらかったままですが、どうぞぉ」
特に作るわけではないが、意識してゆっくり話す。もう治療は始まっているのだ。
ご婦人は車の中にいた息子さんを連れ出してきた。
その様子、歩き方、二人の動作を見るのは一瞬だけだ。そして分析はしない。
来る人は話したい事が山のようにある。ただ聞いていては何時間もかかる。
名前、住所を書いてもらい、簡単な質問をカルテ用紙に記入して早速始める。
「治療しながら話して結構ですから、とにかくやりましょう」
本人はほとんど話さない。言葉がうまくまとまらないのだ。
代わりに母親が今までのいきさつを話してくれた。そして・・・
「あの上司は我が家の遠い親せき筋ですわ。何でも明治の始め頃諍いがあったらしく、疎遠のままですが。まるで一成が復讐されたような気がしてなりません」
陽水はいきさつや原因など深く係わらない。相手が話したいだろうから聞いているだけだ。
原因を解明しなくても回復はする。というより、原因から回復する方法は欠点も多い。
原因を突き止めなくては治療できないと思い込む医師や治療者も多い。
原因は過去のものだ。過去に遡らなくても明るい未来へは進める。
原因にこだわり、回復する未来にすすめなくなる弊害の方が大きいかもしれない。
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カルテ番号 え・3(3)
江崎一成の症状は加速度的に進んだ。
言葉の明瞭さがなくなってきた。行動が遅くなってきた。
書道を習っていたわけではないが、非常に上手い字を書いていたのが乱れてきた。
ぼんやりすることが多くなった。
さすがに変だということで、再度病院に送られ検査を受けた。
MRIや血液、尿、心電図、脳波等の検査を3日がかりで受けた。
結果は頸椎腰椎などに異常なし。血液、尿、その他も正常値だった。
そして、加害者の上司は元々の性格に戻り、大人しくなった。
もう江崎を目の敵にすることはなくなった。
すると、あれほど爽やかで愚痴や他人の悪口など言った事がなかった江崎が上司の悪口を言いだした。それも陰険な言葉でボソボソと言う。
まるで人が入れ替わったようだった。
江崎は通常の業務仕事がこなされなくなり、一時休職という形で自宅待機となった。
母親と二人暮らしだ。幸いに母はまだまだ元気だった。
早くに夫を亡くしてしまった母は、積極的にあちこちの病院や治療院、果ては霊能者の類まで調べて、人の変わったような息子を連れて行った。
それぞれがいろいろな原因を言ってくるが、実際に回復する兆しはなかった。
それでも母はあきらめなかった。
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カルテ番号 え・3(2)
その上司が何故江崎を嫌うのか、誰もわからなかった。
いいがかりとしか思えない事で叱責する。厳しい仕事を押し付ける。
それでも愚痴一つ言わずに江崎は接していた。必要以上の我慢しているのではなく、それも仕事の内だとこなしていたから、江崎の評判はますます上がる。それに反比例して上司の評判は下がる一方だった。
そして事故が起きた。
事故直後、追突された車は大破したが、江崎は怪我もなく普通に車から降りてきた。
同僚達が心配して病院の手配をし、素直にしたがって検査を受けた。
レントゲンや脳波の異常はみられなかったが、医師はむち打ち症がいつ発病するかわからないので、違和感があれば早めに病院に来るように言った。
江崎は次の日、元気に仕事をこなしていた。
江崎一成に変化が現れ始めたのは、事故から一か月ほど経ってからだった。
最初はいつもの溌剌さがくすんできた。
「最近、江崎さん元気ないようだね」
そんな同僚の声が多くなった。
そして、今まで無かった仕事上のミスが増えてきた。
首や腰などが凝るとか痛むとかはないようだった。
明るかった表情や言行が次第に消えて、何となく暗くなっていった。
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カルテ番号 え・3(1)
江崎一成は27歳の時、職場のタクシー会社敷地内で追突された。
仕事は内勤でドライバーではないのだが、ドライバーが休みの車の移動などがある。
珍しい事故だが、いろいろな憶測から故意ではないか、と噂された。
というのも、追突した相手が江崎一成の陰険な性格の上司であり、普段から部下の江崎を憎んでいたのは同僚達が皆知っている事実だったからである。
そして、敷地内では異常な速度で追突したからでもある。
だが、故意ではないと主張すれば、偶然の事故として処理される。
江崎一成は国立大学卒業後、このタクシー会社に就職した。会社のある役員から乞われて来たのだった。
生前の江崎一成の父が会社立ち上げ時に大きく係わり、その役員は恩義を感じていた。
成績も評判もいい息子が地元で就職すると聞き、どうしても入社してほしかったのだ。
江崎は母一人という家庭の事情から、職種にこだわらず地元で働くつもりだったので、ありがたい話です、とすんなり入社したのだった。
入社してからの江崎一成は、役員の後押しなど必要なく仕事が順調だった。
持ち前の明るさと素直さと休まず仕事をこなせるスタミナで社内外の評判も良く、嫌味ない心配りもある実に爽やかな男だった。
男女の区別なく同僚達にも好かれ、よくある嫉妬などの対象外だった。
ただ一人の上司を除いて。
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