カルテ番号 え・3(6)
母親の声でなく男の声色だった。
「う、うぅ・・・眩しくて、苦しいぞ」
陽水は仕方なく相手をする。霊はあまり好きではないのだ。
黙って氣を送ればやがて消えるのだが、それではこの親子が納得しないだろう。
「アタナは誰ですか?」
「ワシは江崎の先祖だ」
「その頃の時代は判りますか?」
「明治になって、このも変わった」
霊とはいえ人と同じだ。平気で嘘もハッタリも言うことを知っている。
こういうところに出たがる霊は、嘘つきの方が多い。
だから陽水は一応の話し相手にはなるが、言葉をそのまま信用しない。
こういう現象に出会うと特別な事だと勘違いし、多くの人が霊の言葉を鵜呑みにする。
マトモな霊なら成仏して出てこないだろう、と陽水は思っている。
「この人の事故はアナタに関係あるのですか?」
「この男がうらやましくてな、悔しくてな」
「どうして?アナタ先祖なんでしょ」
「ワシには出来の良い弟がいてな、ワシは出来が悪かった」
まぁ、こんなところで愚痴を言うようなら、そうだろうなと陽水は思った。
「いつも親や近所から比べられて、ワシはうらやましかった、悔しかった」
(男でも女でも嫉妬心というのはヤッカイだなぁ)
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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