カルテ番号 や・6（38）
玲香の理性では、フィックションの話だ。
だが、感覚では本当の話だと確信している。
そして、何となくだが、その秘密も解る気がする。
院長は言った。
「これは、私の推測です。
１０年を待たずに柳さんが目覚めてしまうのは・・・
もう時間がないのでしょう・・・
特にこの日本では、我々が一定数必要になるのでしょう」
玲香は思わず口に出した。
「それは、人類の危機とかいうレベルですか？」
院長は少しだけ笑った。
「人類などというほどの大きな話ではないでしょうが・・・
例えば、何十万人、あるいは何百万人、いえ数千万人規模かもしれません。
毎日生活している一人一人の人生を考えたら、決して小さくない。
我々の・・・一族は、何も起こらなくても必ずいるものです。
ですが・・・柳さんが現れた事で、私にも迫られるものを感じます」
玲香は思った。
えっ・・・私は更に特殊な存在？
院長は思い切って言った。
「我々は、長寿族です。
柳さんも、その一員です。
人間だけでなく、あらゆる生物に一定数います。
古今東西、何処にでも一定数が、そうなるようです」
玲香には、寝耳に水の事だった。
（登場する人物・組織・その他はフィックションです）
（過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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