あなたの本の世界を変えましょう!

板宿の書店主から見た、本・まち・環境を語ります!

マーケット感覚を身につけよう

2015-03-11 16:55:26 | 

  大学3回生の次男坊が就職活動のために帰省しました。来年度卒業生から就職活動は学業を優先し、3回生の3月からとなりました。山口県下関市の大学に在籍し、九州の会社を志望するのかと思いきや、やはり、生まれ育った関西の方がいいのでしょう。大阪や神戸の企業合同説明会に参加していました。

  私が就職活動したのは、今から30年前。その頃は、リクルートから電話帳のような業種別の企業説明本が自宅に送られ、その中から志望企業にハガキを書くという方法でした。企業からは会社の資料と説明会の日程が送付されてきました。あるいは、理系で見られるような、大学の先生の紹介や、大学学部の卒業生からの勧誘を受け、人事部へつなぐ方法でした。いわゆるアナログなやり取りですね。その典型はコネですか。

 次男坊の就職活動を傍目から見ていると、リクナビやマイナビ、日経就職ナビなどの就職活動サイトを見て、興味のある企業にネット上でエントリーをするというペーパーレスの世界。合同説明会に行って、企業の話を聴き、さらに詳細に尋ねたい場合は企業独自の説明会に参加するしくみ。我々の時代と比べて、かなり便利になり、人が介在するよりもネットの情報が活かされます。つまり、学生はどこの企業にも応募でき、企業側は全国から学生の応募を受け付けることが出来ます。

 ちょうどそのとき読んでいた、『マーケット感覚を身につけよう 「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法』に同じことが書かれていました。就活は、「自分で取引相手を探し、個別に条件交渉をする相対取引から、不特定多数の取引参加者との競り合いによって、条件交渉をする取引市場取引へ移行した」わけです。この市場化は何も就活だけでなく、社会全般に広がっています。それを可能にしたのがインターネットの普及です。「不特定多数の需要者と供給者のマッチングを容易にした」基盤です。

 我々書店業界にもアマゾンというネット書店の登場で、相対取引をしている地域の書店は駆逐される一方です。入手スピードという便利さでは太刀打ちできません。「これからの社会は、どんどん市場化していく。それを避けることは、もはや不可能だ」とまで言われています。

 こんな中で生き残っていくには、他ではない価値を提示するしかありません。特に、忙しい現代人には世に溢れている中からモノを選ぶことを面倒と考える人がいて、そんな人には「誰かに選んでもらうという価値が今後ますます重要になる」らしい。セレクトショップは自分に最適なものを選んでくれる店として、その店の目利き力にお金を落としてくれるのです。私も日本酒を飲みたいけど、自分にはどれが合うかわからない時は専門店のチョイスとアドバイスが購買の決め手になります。

 書籍は一日に約200冊程度の新刊が発行されます。商品の渦、洪水の中からダイヤモンドを見つけるが如く、自分が読みたいと思う本を選び出さないといけません。もちろん、広告や口コミによって、食指は動かされますが、書店側も自店のお客さまが誰であるか理解し、書籍の仕入れをしていかなければなりません。望むらくは、この目利き力をメディアやネットで紹介してもらえば、市場化の波に乗れるのでしょうね。他力ではなく、まずは自力で目利き力を磨きましょう!そのためには商品知識を得るために読書に励みます。

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