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板宿の書店主から見た、本・まち・環境を語ります!

きらきら眼鏡

2018-05-14 15:19:42 | 

 今秋にも映画公開される森沢明夫さんの作品。一緒に暮らしていたネコのペロがあの世へ旅立ち、落ち込んでいた立花明海。職場では1年先輩で仕事のできる弥生が彼に恋心を寄せる。彼はアパートのある西船橋の古書店で、『死を輝かせる生き方』という自己啓発本を買い、気になる一節を見つける。

 「自分の人生を愛せないと嘆くなら、愛せるように自分が生きるしかない。他に何ができる?」

 その箇所には赤線が引かれ、なんと、本からは「大滝あかね」と書かれた名刺が出てきた。明海はあかねにメールをして会うと、5歳年上の明るい女性。明海はすぐに彼女に惹かれる。しかし、あかねには、余命宣告を受けている恋人・裕二が入院していた。明海にとっては恋のライバルになるが、裕二が明海と会いたいと告げ、病室で対面する。

 終盤は明海、あかね、裕二、弥生がそれぞれに自分のこころのメッセージを吐露し合う。

 幸せとは何か?生と死、そして、生き方を考えさせられる恋愛小説です。井戸書店で棚展開している人間学に通じるストーリーに、読み進めるごとに考え深くなりました。

 ストーリーの途中で、明海の上司である、厚紙加工メーカーの課長が、『大事なことほど小声でささやく』のケラさんであり、ケラさんのセリフには、「スナックひばり」のゴンママが登場し、明海とあかねが南房総へドライブし、珈琲を飲んだお店は、『虹の岬の喫茶店』の「岬カフェ」だったのは、森沢明夫さんの小説を好んで読む者にとっては懐かしさを感じました。

『きらきら眼鏡』(森沢明夫著、双葉社、本体価格1,700円)

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