あなたの本の世界を変えましょう!

板宿の書店主から見た、本・まち・環境を語ります!

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』

2021-07-24 17:02:42 | Weblog

みかこさんは、英国のブライトン在住で、この本は、その息子さんの学校の日々が赤裸々に綴られています。英国は、労働者階級、中流階級と別れており、更に移民も加わるので、日本では考えられないほどの差別がひどいそうです。差別の嵐が吹き荒れる学校での息子さんの考え、行動には感心させられました。

 特に息子さんが言った「世界中で起きているいろんな混乱を僕らが乗り越えていくには、自分とは違う立場の人々や、自分と違う意見を持つ人々の気持ちを想像することが大事。つまり、他人の靴をはいてみること〔英語ではエンパシー(empathy)と表現します〕」にはとても心動されます

まさに、今回のオリンピックの開閉式の創作メンバーの小山田氏、小林氏の辞任解任問題も彼らのエンパシー足らなかったと考えます。

今後、よりグロバールな問題を考えるにあたり、自然に相手の事を可哀そうだとか想うシンパシー(sympathy)ではなく、相手が何を考えているのだろうと考える能力・エンパシーがより必要なのだと感じました。

読了後、息子さんはおそらく大物になるだろうと勝手に予想した私でした。  

 

(ブレイディみかこ著、新潮文庫、税込693円)                                                                                                              (佐藤 崇)

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