多くの著作がある田坂さん。34年前の自身の最大の逆境、とそれを脱した経験から生きる根本を綴っています。
34年前の致命的な病に倒れ、医学的には匙を投げられた状態になり、藁をもすがる思いである禅師に会い、告げられた言葉が
「人間、死ぬまで、命はあるんだよ。」
であり、
「過去は、無い。未来も、無い。有るのは永遠に続くいま、だけだ。いまを、生きよ!いまを、生ききれ!」
でした。至極当たり前のこの言葉が心に刺さりました。誰しも、過去や未来に思いを馳せ、肝心要の現在を精一杯生ききれていない。そして、
「不運に思える出来事、不幸に思える出来事も含め、すべての出来事が導かれた出来事。我々に大切なことを教えてくれる出来事、成長させてくれる有り難い出来事。」
と覚悟して、病は去りました。結果、書名の通り、「すべては導かれる」という原理に従って生きられました。
同じことを、『宇宙の法則と調和して生きる方法』(クリス・プレンティス著、菅靖彦訳、サンガ、本体価格1,800円)で学びました。「出来事は宇宙の言語である。」であり、「自分の身に起きるあらゆる出来事は、起こり得る最善の出来事である。」とは本書と全く主旨が同じです。
http://blog.goo.ne.jp/idomori28/e/4e1fcbdcd7b9c6be2cdc548c34fc094c
逆境を自分の成長の機会と考え、今に集中し、全力を注ぎ、たとえ、自分に直接の責任がないことでも、全て自分自身の責任として引き受け、その上で、すべてを天に委ねるという覚悟を抱けば良いと説いています。
出版業界も先が見えないと言いながらも、今できることをしっかりせよ!と教えてくれる気がします。
『すべては導かれる』(田坂広志著、小学館、本体価格1,300円)