島原半島博物日誌

島原にある某施設のスタッフが綴る非公認・非公式の個人ブログです。

アカギカメムシ

2016-09-11 12:51:45 | 昆虫
夏休みに「雲仙のチョウのお話」をお願いした酒井先生から、宝原園地に南方系の珍しい昆虫がいると聞いて、探してきました。
一度目は見つける事が出来ず、二度目にしてようやく発見しました。
カメムシの仲間、キンカメムシ科の「アカギカメムシ」です。
東洋区に広く分布し、日本では九州南部から沖縄にかけて生息します。
つまり九州北部の長崎では珍しい種なのです。
先生のお話では5,6年前に大発生して以来の観察だそうです。
お話では数年置きに発生しているらしいのですが、その原因は分かっていないとのこと。
“アカギ”の名前は植物のアカギ(トウダイグサ科)に寄生するということに由来していますが、アカギに寄生するのは間違いで、アカメガシワ(トウダイグサ科)に寄生します。
そこで一度目は宝原園地内のアカメガシワを見て回ったのですが発見できず、二度目に集まっているアカメガシワの木を発見しました。
面白い事にその一本以外には園内のアカメガシワには一匹もついていません。
図鑑などを見ると背中の紋様が違っているように見えますが、これは個体差だそうで、背中の紋様は大きく変異するそうです。
表紙の写真は、丁度交尾中を撮影できました。
雌はこの後、アカメガシワの葉っぱに産卵し、そのままその場所に留まり卵を保護します。
保護している所の写真も見せていただきました。
表紙写真の奥にはアカメガシワの実も映っていますが、この実の汁を吸っているのではないかとも仰っていました。
同じ木の葉っぱには幼虫が集まっていました。

アカギカメムシの仲間は集団を作ることがあります。
ただし、通常のカメムシと違って臭い匂いを出す事はありません。
そして、幼虫の背中を見て思い出したのですが、「テレビで見た事ある!」
確か背中の模様が、お相撲さんの顔に見えるって紹介されてた。w
コメント
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