再見。好きな映画なんですよ。原題もThe Sure Thing。確実なもの、とは絶対にやらしてくれる女の子、という意味(笑)。監督ロブ・ライナーの出世作にして、あのジョン・キューザックの主演作。実は、なかなかセックスにいたらない男女のお話なのです。
ウォルター(キューザック)は卒業パーティの夜なのに女の子にふられてばかり。同級生のランス(アンソニー・エドワーズ)は「いっしょに西海岸の大学に行こうぜ」と言ってくれるが、ウォルターは東部の大学へ。そして、そこでもふられまくる。ランスから肉感的な女の子の写真が送られてくる。
「クリスマスにこっちに来い!この娘はシュア・シングなんだ!」
急いで荷物をまとめて西海岸までヒッチハイク。しかしそのクルマには、ウォルターを毛嫌いしているクラスメイト、アリソン(ダフネ・ズニーガ)も同乗していた……
お察しのように、このアリソンとウォルターがケンカしながら心が通い合うまでのお話。おおむかしの日テレのドラマ「雑居時代」での石立鉄男と大原麗子のラブストーリーを思い起こさせます。
ウォルターがもてないのは、あまりにも自意識過剰だし、女性を思いやることができないから。大陸を横断する過程で彼はさまざまな失敗を重ね、少しずつ人間的に成長する。
文学の授業でウォルターの作品が旅の前と後で紹介される(教授役のヴィヴェカ・リンドフォースがすばらしい)んだけど、そのふたつの作品がウォルターの人間性を象徴。うまい脚本だ。
ふたりを乗せるクルマを運転しているのはなんとティム・ロビンス。「ザ・プレイヤー」などの邪悪さをかけらも見せず、善なる夫を演じているのがおかしい。筋金入りのリベラルであるティムとキューザックは意気投合したのだろう。ティムの初監督作「ボブ★ロバーツ」にキューザックは特別出演しています。
この作品で調子に乗ったロブ・ライナーは次に「スタンド・バイ・ミー」、そしてロビン・ライトを主演に「プリンセス・ブライド・ストーリー」を撮る。