奇跡への絆

図師ひろき

雑感538

2013年07月11日 23時15分30秒 | Weblog
“ロコモ”をご存知ですか?

 なんだかかわいい響きですが、正確には“ロコモティブシンドローム”の略で、加齢により骨、関節、筋肉などの運動器が衰え、要介護になりやすい運動器症候群のことを指します。

 歩く速度が遅くなった40~74歳の男女100人を対象に、グルコサミンやイミダゾールペプチドなどの筋肉成分を配合した健康食品を摂取してもらい、筋力や歩行速度が向上することが実証されています。

 また、粘性・弾性がある足踏み運動用マットも開発されていて、通常の床の上での運動に比べ、1.3倍の運動量を得ることで、ロコモを予防することに効果があるようです。

 ここでロコモチェックです!

 次にあげる項目に1つでも当てはまれば、あなたもロコモかも…

 ①家の中でつまずいたり滑ったりする

 ②階段を上るのに手すりが必要である

 ③15分くらい続けてあることができない

 ④横断歩道を青信号で渡りきれない

 ⑤片足立ちで靴下がはけなくなった

 ⑥2㎏程度の買い物をして持ち帰るのが困難である

 ⑦布団の上げ下ろしなどが困難である

 さあ、いかがですか??

 靴下は片足立ちでしっかりはけますか??

 私はまだ大丈夫です。

 うちの両親は大丈夫かな??

 親父はメタボではありますが、炎天下の中、畑作業に汗を流すほど体を動かしています。

 お袋は、先日70歳になった記念に富士山に登ってきました。

 二人とも今のところロコモの心配はないようです。

 健康食品や運動用マットなどでロコモ予防をすることも有意義ですが、日常生活の中でもっと体を動かし、歩くことを意識していきたいものです。

 特に宮崎で生活していると、歩かないからですね!

社会保障・税番号制度始まる!

2013年07月10日 23時10分48秒 | Weblog
 社会保障・税番号制度、いわゆるマイナンバー制度のレクチャーを受けてきました。

 国において関連法案が成立し、年内には政省令などの整備が着々と進められていくことになります。

 この社会保障・税番号制度が導入されれば、行政機関などがその他の行政事務を処理する者が保有する個人の情報が、同一人の情報であることの確認ができるようになります。

 このことにより現在、医療保険給付や年金給付、生活保護など各種行政サービスを受けるにあたっては、様々な添付書類を揃え、関係機関を回る必要がありりますが、その手続きが簡素化できるというメリットがあります。

 また各行政機関の業務間における情報の連携が不足していることにより、本来給付を受けることができるのに、未受給となっている人への適切なサービス提供に繋がるとともに、不正に給付を受けている者への監視強化をすることもできます。

 さらに行政側も、今まで住民に提供されるサービスの受給判定のために、関係機関から収集した情報を確認する手間や作業の負担が軽減され、そこにかかる経費の削減が可能となります。

 いわゆるこの番号制度の導入により、住民と行政の両方にある過重な負担を減らすことができるのです。

 個人情報を扱うこの制度の導入にあたっては、情報の流通量が増大し、情報漏えいや濫用の危険性も大きくなることが懸念されますが、特定個人情報保護評価の義務化や罰則規定を厳格にすることで対応することになります。

 特に罰則規定は、個人番号に関する業務に従事する者が、正当な理由なく、特定個人情報ファイルを他者に提供した場合、4年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、さそにその両方が課せられることになります。

 まだまだこのブログでは伝えきれない内容がありますが、今回のレクチャーで私が最も興味を持ったことは、この番号制度をいかに活用するかで自治体間の行政サービスの格差が広がるということです。

 従来ある行政サービスの簡素化、スピーディー化、適正化、そして効率化を図るだけではなく、自治体独自の防災や福祉に関するサービスも条例化することで番号制度に包含できるということです。

 地方における、社会的弱者の“生活のしずらさ”を解消まではできなくとも、少しでも長く住み慣れた地域で暮らすことができ、できることならその地域で看取りができるようなサービス構築へ繋がる活用を検討していきたいと思います。

 この制度を市町村と連携してモデル的運用ができるような政策を提案していきます!

総務常任委員会県南地区調査6

2013年07月09日 23時02分47秒 | Weblog

 次に都城市高崎町笛水地区を訪問しました。

 ここは平成21年に県の“いきいき集落”に認定されています。

 笛水地区は、4つの自治公民館が合同で“活性化委員会”をつくり、公園などの草刈り受託や選挙看板設置・撤去作業受託、そして農作物の作付から販売までを手掛け、活動財源を確保しています。

     

 さらりと4つの公民館が一緒になって地域おこしをしている・・・と書きましたが、それぞれの地域事情を抱えつつの活動展開は並大抵の苦労ではなかったと思います。

 住民が力を合わせ、地域で子どもを育てるため花壇整備などの環境活動、笛水ウォークの開催、米作り体験の実施、そして茅葺き屋根の農産物直売所の建設など着々と事業を拡大されていきました。

 そして地域が一体となった活動は、行政を動かしていきます。

 子どもたちの減少を食い止め、学力を向上させるため、6年間要望していた小中一貫校「都城市立笛水小中学校」が開校したのです。

 何より、取り組む地域住民の笑顔が素晴らしい!

 “やりぬいて 礼をつくそう 笛水を誇ろう”をスローガンに、地域住民が子育てしやすい環境を作っていく姿勢に感動しました。

     

 笛水には鹿児島の“やねだん”と同じ空気があります。

 皆さんも、笛水の人たちとふれあって、深呼吸してみれば、自分の住む地域の風景が少し違って見えてくるかもしれません。

 笛水には“奇跡を待つより、手をつなごう”の実践がありました。

 

 

 

 

 


総務常任委員会県南地区調査5

2013年07月08日 23時38分30秒 | Weblog

 新燃岳噴火を思い出してください・・・

 その時、最も被害の大きかった高原町で防災に関する意見交換をさせていただきました

     

 2011年1月19日、小規模噴火により、広範囲で降灰を確認。

 1月26日、中規模噴火で、本格的なマグマ噴火開始。

 この時、大量の灰や軽石が放出され、警戒レベルが2から3に引き上げられ、入山規制が発令されました。

 1月27日、52年ぶりの爆発的噴火。

 広範囲で空震があったことは覚えていらっしゃる方も多いと思います。

 この時、高原町長は警戒レベル3であったときに、避難勧告を出されました。

 国の基準では、レベル4で避難勧告を出すようになっているようですが、町長の判断ですべてレベル1アップの対応をするように職員にも指示を出されています。

      

 住民誘導を最前線で行う消防団との連携も素晴らしく、避難した612人の住民はもちろんのこと消防団員も含め誰一人としてけが人を出すことなく、避難を完了しています。

 それでも避難所となった町営施設では、避難が長期化するにつれ、様々な困難が発生したようです。

 風呂やトイレが慢性的に不足したことや個人のスペースを確保するための間仕切りがなかったこと、そして夜間救急や要介護者への対応に関してマンパワー不足は否めなかったとのことでした。

 しかし避難誘導から避難所生活をなんとか円滑に乗り切ることができたのは、やはり日頃から各行政区や各班での組織が生きていたところが最も効果を発揮していたようです。

 大噴火でも混乱の中でもけが人も行方不明者も出さなかったことは、地域の絆の賜物であったことに間違いはありません。

     

 そして2月15日、避難勧告地域の全面解除。

 2月17日、避難所の閉鎖に至ります。

 上の写真は、被災後に設置された簡易避難所です。

 高原の経験を生かし、県全体の防災力を高めていきます。

 

 

 

 


総務常任委員会県南地区調査4

2013年07月07日 23時33分52秒 | Weblog

 研修2日目。

 小林市にある“水産試験場”に行き、種苗生産技術の改良状況などを調査しました。

 ここ水産試験場小林分場では、平成23年度に全国の公設試験研究機関では唯一、シロチョウザメ稚魚の量産化技術が確立し、県内養殖業者に安定的に供給するなど、本県のチョウザメ養殖振興に大きく寄与しています。

    

 チョウザメと言えば、キャビアですよね!

 いよいよ今年の冬から「宮崎県産フレッシュキャビア」の販売がスタートします。

 キャビアは簡単に言えば、卵の塩漬けですが、宮崎県産フレッシュキャビアは、世界最高水準のノウハウを基に産学官の連携により開発した独自のキャビア製法を採用しています。

 いずれは、キャビヤをはじめとするチョウザメ産業の売り上げを100億円まで成長させるという大きな大きな目標を掲げています。

 ではまずその一歩となる、フレッシュキャビアの試食をさせていただきました。

     

 これがこれから世界に羽ばたく、生まれたての県産ブランドキャビアです!

     
 
 見てください!この輝き!!

 味は・・・

 残念ながら、キャビヤの味が分かるほど食べたことがないので、正直言って美味しいかどうか判断できませんでした・・・

 それでも新鮮な風味が口いっぱいに広がった時には、あまりのフレッシュさに感動しました。

      

 試験場内の水槽には、大事に育てられているチョウザメが元気よく泳いでいました。

 これからが勝負です!

 あとは売り方です!

 食べさせ方です!!

 生産者と行政関係者が一体となって、太陽のタマゴ以上を目指します!

 

 

 

 

 


総務常任委員会県南地区調査3

2013年07月06日 22時27分08秒 | Weblog

 宮崎市内からえびの市まで移動して、「日章学園九州国際高等学校」の取り組みを研修させてもらいました。

 日章学園九州国際高等学校は1995年開校し、当初は中退生受け入れを柱としていましたが、県外の類似校との間で競争が激化したため、中国人留学生の受け入れを活発化させています。

    

  現在、全校生徒103人にうち96人が留学生です。

 日章学園は6年前に、中国長春市に高等学校を開設し、そこで2年半過ごした生徒を、えびので1年間受け入れています。

 外国人枠を使った国内大学進学支援で実績を重ねており、実に合格率100%を誇ります。

 平成24年度の合格実績は・・・

 大阪大学、筑波大学、九州大学、長崎大学、早稲田大学、明治大学など有名学校がずらり!

 残念ながら東北福祉大学への進学はありませんでした・・・

  早速、授業を見学させてもらいました。

      

 もちろん授業は、すべて日本語で行われ、先生の質問に対しても積極的に手があがり、物怖じすることなく発言する生徒の元気が印象的でした。

 中国における一人っ子政策の効果もあり、“シックスポケット”と言われる経済支援により、中国では決して安くはない留学費用負担を可能にしているとのことでした。

 シックスポケットとは、一人の子どもに対して、両親とそれぞれの祖父母がお金を出し合って支援することを指しています。

 それでもここ最近は、東日本大震災や領土問題の影響があり、留学希望者が減っているという現実もあるようです。

 私たちが教室の後ろの方で見学をしていると、先生が

 「何か生徒に質問はありませんか?」

 と時間を割いていただいたので

 「この中で将来、政治家になりたいと思っている人がいたら手をあげてください!」

 と尋ねてみました。

 すると・・・先ほどまで元気よく飛び交っていた発言がパタリと止んでしましました。

 ちょっと間があって

 「私は将来、エンジニアになりたいです。」

 「私は大学を卒業したらアメリカで働きたいです。」

 など夢が返ってきました。

 “日本の高校生で、政治家志望はどれほどいるのだろう?”

 “中国の政治家は、この青年たちにはどう映っているのだろう?”

 生徒たちの初々しい気持ちに接しながら、もっと頑張りなさいと叱咤されているような気持になりました。

 私たちなら創ることのできる“新しいアジア”のために、これからも国境を越えた活動を続けていきます!

   

 

 

 

 



 

 

 


総務常任委員会県南地区調査2

2013年07月05日 23時53分36秒 | Weblog




  

 調査2か所目は、宮崎県消費生活センターです。

 この機関は、消費生活に関する多様な相談に対し、助言やあっせんを行うことにより消費者トラブルの解決支援と未然防止を図るとともに、消費者への学習機会の提供による知識の習得や問題意識の向上をサポートするために設置されています。

 消費生活相談の件数は、平成16年度の年間17,838件をピークに減少傾向にあるものの、平成24年には8,364件の相談が寄せられました。

 主な相談として、1位から3位までは23年度と24年度が同じでした。

 では・・・第3位は、レンタル・リース・貸借に関することで、具体的にはアパートの退去時の敷金トラブルが多いとのことです。

 第2位は・・・融資サービスに関することです。

 多重債務や過払い金返還請求などの相談がこれにあたります。

 それでは第1位は何だと思いますか??

 それは・・・「情報サイト料金の不当請求」に関する相談です。

 携帯電話やパソコンによる情報サイトの料金請求に関する相談が最も多く、年代別に見ても20歳未満が多いことも特徴的ですが、20~30歳代、そして40~60歳代に関しても、件数的にはこの情報サイト関連が1位となっています。

 70歳以上になると、健康食品や新聞などの訪問販売に関する相談が多くなっています。

 情報サイトの不当請求に関しては、基本的にそのままにしていても問題はないようですが、請求画面がしつこくアップされる時には、消費生活センター(宮崎市0985-25-0999・都城市0986-24-0999・延岡市0982-31-0999)に相談をすれば、画面処理の方法を指導してくれます。

 また消費生活センターでは、“出前講座”も行っています。

 暮らしの中の様々な問題について無料で講義を行ってくれます。

 対象人数は、原則として10名以上で、所要時間は1時間から2時間程度。

 申し込みなどの様式は、消費相談センターのホームページからダウンロードできます。

 職場内の研修や、自治会やPTA、高齢者クラブなどの学習かとして活用されてはいかがでしょうか!

 消費生活センターの宣伝ばかりとなりましたが、研修は県民の苦悩を知る実りあるものとなりました。

 



総務常任委員会県南地区調査1

2013年07月04日 23時23分40秒 | Weblog

  定例議会と定例議会の間に、県内外に直接出向き、県政発展と県政課題の顕在化のため調査活動が続きます。

 先日行われた常任委員会調査の内容を報告します。

 まずは、宮崎地方気象台において気象災害時などの対応についてレクチャーを受けました。

   

 気象台の主な任務は、的確な気象情報を提供することによって、自然災害の軽減や国民生活の向上、交通安全の確保などを実現することとされています。

 気象台は、“災害対策基本法”や“気象業務法”などに基づき、防災気象情報を国や地方公共団体に提供し、報道機関を通じて皆さんのもとへも速やかに情報提供がされていることは周知の通りです。

 また県が、災害対策本部などを設置した場合には、職員を派遣し、気象情報の解説(台風説明会など)、「地域防災計画」の作成時の助言、防災に関する知識普及のための講演会を行うなど、行政をもちろんのこと地域住民との連携も図っています。

    

 今、まさに梅雨前線の影響で長雨が続いていますが、本県は全国有数の“多雨県”であり、例年台風災害や竜巻災害が頻発しており、気象台の役割は年々大きくなっています。

 さらに重要度が増しているものとして、日向灘の地震対策があげられます。

 地震調査研究推進本部の資料によりますと、マグニチュード7.6前後の地震の発生確率は、今後10年以内には5%、30年以内には10%ですが、マグニチュード7.1前後の発生確率は、10年以内が30~40%、30年以内には70~80%と極めて高いものになっています。

 さらにさらに、マグニチュード7.1前後の地震が県内で発生した年は、1941年・・・1961年・・・1984年・・・そして・・・

 このように統計的に20~27年に1回は本県でも大規模地震が発生しているのです。

    

 ここが気象台の心臓部であり、ここから生活を守る情報が発信されているのです。

 屋外の施設も視察させてもらいました。

 これは感雨計と雨量計です。

  
 

 そしてこれが温度・湿度計です。

   

 思ったより小さい機械でしたが、これらの機器が県内各地に設置してあり、心臓部に情報が届けられています。

 今後、県も災害対策のための庁舎を整備していきます。

 県民の暮らしを守るため関係機関との連携をさらに強化していきます!

 

 

 


雑感537

2013年07月03日 23時25分51秒 | Weblog
 90万円は高いのか?安いのか??

 宮崎県の平均年収は、230万円くらいなので、月収が90万円と聞くと、ちょっと驚かされます。

 日南市が全国公募した“テナントミックスサポートマネージャー”に福岡県で地域コンサルタントをされている38歳の男性が選ばれたことは、すでにご承知の方も多いと思います。

 そのマネージメントの舞台となる油津商店街の関係者は

 「我々地元の一員として、悩みを共有しながら、力を貸して欲しい。」

 「情熱的だが気さくで、腹を割って話せそう。」

 など好意的で

 「本当に力になってくれるのなら90万円は安い!」

 とサポートマネージャー制についても理解を示す人が多いようです。

 しかし、道は険しいでしょう…

 4年間で商店街を蘇らせることは、ただイベントを重ね交流人口を増やすだけではダメで、地域に根差した事業展開と、いかに定住人口を増やしたかというところで評価されるのだと思います。

 私はマスコミから得られる情報だけで、今回選ばれたサポートマネージャーのプレゼンを聞いてはいませんが、商店街活性化から波及する日南市全体の経済効果やまずは市民が関心を持ってくれるような内容が織り込まれたものと推測します。

 崎田市長も

 「短期間で具体的なアイデアをよく考え、その熱意を買いたい!」

 と共感を示されており、同世代の日南請負人にエールを送られています。

 もちろんサポートマネージャーの孤軍奮闘だけでは、打ち上げ花火のような瞬間的な効果しかあげられないでしょうから、行政も市民も一体となったバックアップが必要であることは言うまでもありません。

 そして私もこのサポートマネージャー制の成功に大きな期待を寄せる一人です。

 川南の軽トラ市のような、やねだんの地域活性化のような、そして上勝のつまもの事業のような地方からでも夢を発信できる取り組みをして成長して欲しいのです。

 油津商店街が蘇れば、どこそこの商店街もこぞってマネージャーを雇いはじめ、地域が競い合うようことで宮崎全体が元気になっていくことを願っています。

 実際、油津商店街にも足を運び、肌で学び、県としてできることを提唱していきます!

旅行について2

2013年07月02日 23時05分06秒 | Weblog
 ユニバーサルツーリズムで思い出される旅がもう1つあります。

 それは私が大学時代に、筋ジストロフィー症の方々の介護ボランティアをしていた時の話です。

 筋ジストロフィー症とは、いくつかの病型があり、その多くはデュシャンヌ型と言われるもので、首から下の筋力が年々低下していく、いわゆる“不治の病”です。

 小学低学年で歩行障がいが現れ、高学年には車イス生活となり、中学から高校にかけて、車イスを動かす筋力さえなくなり、指先だけで操作できる電動車イスになります…

 二十歳前後には、肺の機能も低下して、人工呼吸器を着けなければなりません…

 その方々の介護をさせてもらいながら数々の価値観を学びました。

 あるとき、療養所から自宅に帰省するときの付き添いを頼まれました。

 帰省先は福島県でした。

 宮城県仙台市から福島まで、電動車イスで移動が可能な交通機関を細かに調べ、療養所を出発しましたが、想像以上の困難が待ち構えていました。

 福祉タクシーを降りると、駅のホームにたどり着くまでにかなり遠回りしてエレベーターで乗降しなくてはならないため、電車に乗り遅れてシマウは、電車の中では通路を電動車イスが通らず、福島までデッキで過ごすなど、行ってみて初めて分かることの連続でした…

 なんとか実感に着き、今までにない笑顔を見せてもらいホッとしたのはつかの間で、入浴と排泄介助を任され、汗びっしょりになりながらの介護でした。

 特に排泄については、オムツ着用を嫌がられる方だったので、定期的に尿瓶をあてがい、朝には大便器を尻の下に据え、下の世話をさせてもらいました。

 まだ10代の私でしたが、その旅を終えたときには、社会の見方が変わるくらいの達成感を抱いたことを覚えています。

 確かに家族だけに介護を背負わせることは酷なことで、せめて旅行の時には、本人も家族も心身の負担が軽減されるようなハード・ソフト両面のサービス拡充がまだまだ必要です。

 ノーマライゼーションという言葉が、地域に根差すためにも、ユニバーサルツーリズムがさらに推進され、当事者も家族ももっともっと気軽に旅行を楽しめる環境整備のために消費税増税分が使われるべきです。

 県議会議員として何ができるのか、経験をもとに考え直してみます。