続いて日向市の八興運輸株式会社に行かせていただきました。
八興運輸株式会社は、昭和28年創業で、社員数150名の県内を代表する海運業者です。
今回の主な調査は、RORO船の運用実績から今後の事業展開について学ばせてもらいました。
RORO船とは、中型の貨物船のことで、ロールオンロールアウトの略で、つまり貨物を船に乗降させる際、クレーンを使わずトラックで運ぶ形式の船のことです。
写真のように、20~30㎝間隔で貨物が次々に運び込まれてきます。
手際よく作業が進められていく様は、まさにプロフェッショナルで、その寡黙な技術をまじかで見せてもらうだけで海運業の厳しさが十分伝わってきました。
現在、宮崎から大阪堺泉北港へ週3便運航されており、1便につき貨物は41台と乗用車50台を運送することができます。
主な取扱い貨物として、宮崎から大阪へは化学薬品、合成樹脂や原木などで、大阪からは鋼材などが移入されています。
今回の調査で、宮崎から県外への移出のことを“動脈物流”といい、県外から宮崎の流れを“静脈物流”ということを知るとともに、やはり静脈物流の取扱い量がどうしても少ないということでした。
しかし近年、二酸化炭素排出削減の動きから、環境負荷の小さい運送手段に切り替えていく“モーダルシフト”も重要視されており、海運の役割は大きくなりつつあるようです。
さらに八興運輸の方では、台湾、香港、シンガポールにまで海路開拓を行われており、宮崎の農畜産物などの海外輸出にも貢献されています。
それでも海運は、輸送時間がかかるため農畜産物を直接運ぶだけではなく、鮮度を意識なくてもよい加工品にもっと力を入れていく必要性があることを示唆されました。
県としても、フードビジネスや6次化産業を発展させていく方向性は出しているので、今後それがより具体的なものとなるよう、運送業者との連携をさらに密にとっていきます。