延岡市役所を後にし、次の調査地である川南町に向かいました。
地域医療の最前線である訪問看護の実態を研修させていただくために「訪問看護ステーション“湯癒亭”」のスタッフの方と意見交換をしました。
県内には62ヶ所の訪問看護ステーションが設置されていますが、湯癒亭におかれては13名のスタッフで新富町、高鍋町、都農町、木城町そして川南町の5町を24時間体制で、電話相談および訪問対応されています。
医師との連携により、在宅で医療措置・・・具体的には、褥そう措置、人工呼吸器、在宅酸素、吸引措置、麻薬の使用、持続皮下注、中心静脈栄養、膀胱留置カテーテル、導尿などを支援可能とされています。
現在は70名以上の方が訪問看護登録されており、生後7ヶ月の赤ちゃんから108歳の方のところまでフォローされています。
がんと診断された方の在宅支援数は例年40件前後で、高齢者も含む在宅での看取り支援数は、年間20~30件となっています。
現在は、グループホームや高齢者施設などへの訪問看護も実施されており、説明の中で
「・・・医師にもっと私たちの業務内容を知ってもらい、利用をして欲しい。」
とありました。
また現場の声として印象的だったのが
「往診をしてくれる医師が少ない・・・」
「病院や施設から自宅に帰ってきてからの介入ではなく、帰宅前からのかかわりができるような地域コーディネートが必要!」
「今の医療保険運用ではどうしても、訪問看護従事者より病院勤務の看護師の方が給料が高い!」
「それでも訪問看護従事者は、定着率が高い!」
「地域には看護の醍醐味があり、何よりスピリットがあります!!」
素直に“かっこいいなぁ”と感心しながら説明を聞かせてもらいました。
感心するだけでは全くだめで、現場看護師が燃え尽きてしまわないような制度の再構築が絶対的に必要です。
今回の説明と同じ情熱を高千穂で聞いたことがあります。
医師不足の中で懸命に地域医療を支えられている高千穂町立病院長のお話の中で
「・・・外来と入院患者の診療に休みもなく毎日フル稼働です・・・私はいつ倒れてもいいという覚悟で仕事に臨んでいます。」
倒れられてはいけない!そんな医療制度では地域を守れるはずはない!とその研修のあとも実態を国に繋ぎ、制度改善を訴え続けています。
今回の研修でも診療報酬制度見直しや介護保険制度改正が必要な内容が多々示されました。
県でできること、国を動かさなければならないこと、しっかり整理して制度改善に繋げていく動きを続けます。