首相時は専門家の話を信じ、原子力は二酸化炭素も出さず安全で、コストも安いということで原発を推進していたとのことですが、東日本大震災と今年8月にフィンランドの核廃棄物最終処分場の視察を経て、その考えは抜本的に変わられたようです。
小泉元首相のコメントに
「日本には、放射性廃棄物を危険のないように保管する場所はどこにもない。」
「原発事故の後でコストが一番安いと信じる人はほとんどいなくなった…原発立地にどれだけの税金を投入してきたか…福島の賠償責任や汚染水処理、廃炉にはこれからどれだけの費用がかかるのか…今や原発のコストは一番高い。」
「日本は原発ゼロでも十分経済成長できる。今すでに原発はゼロだ。」
など相変わらず歯切れのいい発言がマスコミを通じて、大きく取り上げられるようになってきました。
私がデンマークに福祉政策の勉強に行ったことがあります。
デンマークの先進的な取り組みに悔し涙が出るほど感動させられましたが、同じくらい驚かされたことがあります。
それは景観に配慮することは全く考えられていないのではと思うほど、風力発電用の風車が至るところに設置してあったことです。
デンマークでは全エネルギーの約30%は風力発電で賄っており、その他の再生可能エネルギー使用を含めると、福祉とともに自然エネルギー先進国でもありました。
政策は政治判断で決められていきますが、そこに至るまでの世論形勢が大きな判断材料となります。
デンマークでは公共工事よりも医療・福祉・教育政策に重きを置くことを国民が選択し、消費税をはじめ税率が日本との比ではないのですが、それでも安心して暮らせるためならとさらなる増税を求める声が国民から上がるほどです。
日本は消費税が8%に上がることが決まりましたが、その多くは景気回復のためにと公共工事に回され、子育てや老後に不安を抱く国民は増え続けています。
そして大震災直後は、あらゆるところで話題にあがっていた“脱原発”も“卒原発”も取り上げられることが少なくなっていました…
小泉元首相の発言が、さざ波から大きな波動となって、一人ひとりが次世代のために何を選択すべきかの議論が再燃することを願っています。
私もあらためて未来を見据えた判断をするため学びます。