奇跡への絆

図師ひろき

ありがとう、ばあちゃん

2010年11月30日 22時09分17秒 | Weblog


 深夜になり、呼吸の間隔が少しずつ長くなっていることに気が付きました・・・

 

 2日前、施設入所しているじいちゃんを連れて帰りました。

 すでに認知症が進行し、私と親父の区別もつかず、孫はおろか息子、娘の名前すら出てこなくなったじいちゃんが、やせこけたばあちゃんを見て分かるだろうか・・・

 「シヅ、シヅ、頑張らんとだめじゃが、頑張らんとだめじゃが、頑張らんとだめじゃが!」

 目も開かなくなったばあちゃんを枕元でじいちゃんは3度励ましました。

 じいちゃんがばあちゃんを分かっただけでも家族は驚いていたのに、その声にうなづいて応えるばあちゃんの姿に、夫婦の絆を見ました。

 

 死期が近づいていることは明らかで、親戚が入れ代わり立ち代り見舞ってくれ、耳元で話しかけてくれても反応は段々と乏しくなっていきました・・・

 それでも毛布をはぐり、ゴソゴソと仕事を続けているばあちゃん・・・

 おばが

 「また明日、来るね。」

 と部屋を出ようとしたとき、ばあちゃんの手が止まり、ドアに向かって手を振っているかのように動きました。

 「まだ帰るなって言よっとかもよ・・・」

 「急変したらいつでも連絡してね。」

 それから30分も経たないうちに、呼吸はさらに浅く、さらに間隔が長くなってきました。

  両親は先ほどまで集まっていた親戚に再び電話・・・

 私は 

 「もう逝くよ!みんなそばに集まって!」

 ばあちゃんの手を握り、大声で

 「ばさん!ばさん!ばさん!もう少し・・・もう少し・・・ばさん!」

 絞り出される呼吸は、最後の一滴でできた波紋が穏やかになくなるように止まりました・・・

 そこにはまだ温もりそのままに安らかな寝顔のばあちゃんがいました。

 私の心も安らかでした。

 私はばあちゃんの手をさすり続けました・・・戻ってくる親戚に、せめて温かいままの手を握って欲しくて・・・そして間もなくなだれ込むようにばあちゃんは愛情に囲まれました・・・

 真夜中、かかりつけの先生も駆けつけていただき、あらためて永眠を告げられたとき“泣いてもいいんですよ”と言われたようで、声を抑えることができませんでした。

 「もう、施設やら病院には行かんでいい・・・ここがいい・・・」

 その言葉を支えた家族。

 「ばあちゃん、まだ心の準備ができちょらんよ・・・頑張らんといかんよ!」

 その言葉に応えたばあちゃん。

 ばあちゃんのおかげで、優しくなれたよ・・・

 ばあちゃんのおかげで、強くなれたよ・・・

 ばあちゃんのおかげで、また1つ信念を持つことができたよ。

 最後になりましたが、ここまで在宅での看取りを支えていただいた、かかりつけ医の永田先生、そして丁寧で的確で、そして献身的に支えていただいた訪問看護の方々には、心から感謝申し上げます。

 皆様方のおかげで、悔いなく精一杯の看取りをさせていただくことができました。

 ありがとうございました。

 明日と明後日は、通夜と告別式のためブログを休ませていただきます。

 

 

 

 

 

 


笑顔に繋がる

2010年11月29日 23時22分20秒 | Weblog

 午前9時に着いた時には、コーヒーの香りがたちこめていました。

 石井記念友愛社の収穫祭で喫茶コーナーを担当させてもらうようになって、もう5、6年になるでしょうか…

 今年も優先的にスケジュール調整をして駆け付けると、すでに園内には多くの方が訪れており、“こりゃー忙しくなるぞ!”と腕まくりして喫茶コーナーに乗り込んだとき、香ばしい香りに包まれたのでした。

 「今年初めてコーヒー係じゃかい、ちょっとはよ来て試しに入れてみたかい、飲んでみて!」

 例年一緒にボランティアしてくれる方が体調を悪くされたということで、ピンチヒッターでお手伝いに来られた方のやる気満々のコーヒーでした。

 以前から町内イベントでは、度々共に活動をしてきた方々でしたので、スタートから遠慮なくキャッチボールさせてもらいました。

 「初めてとは思えんくらい美味しいですよ!家でもこんげして入れちょっとでしょ!」

 「なんが家でこんげめんどくせこつしようか!せいぜい粉だけよ、インスタントコーヒーよ!」

 「でも絶妙ですよ!俺はこんくらい濃ゆい方が好きよ!」

 メイン会場からは離れた場所にある、10人も入ればいっぱいになる小さな喫茶コーナーですが、お客さんは途切れることなく来られ、コーヒーカップの拭きあげが追いつかず、待ってもらうほど盛況でした。

 コーヒーだけでなくアイスクリームは200円、銀杏は1袋100円、むかごも100円、そしてコーヒーは1杯…“気持ち”です。

 それでも募金箱には次々と愛情が積み上がっていきました。

 売り上げは、友愛社の活動にあてられ、子どもたちの笑顔へと繋がります。

 これからもできるかぎり時間を創り、地域活動を続けます。

ぶれない志、ゆるぎない礎

2010年11月28日 23時50分48秒 | Weblog

 木城町にある身体障がいの入所施設である「愛生園」の祭りに行ってきました。

    

 以前、お袋がここで勤務していたこともあり、私は小学校のときから通いつづけ、車椅子を磨きながら、草引きをしながら入所者の方々とふれあわせていただきました。

 そして高校1年の時に、進路希望を聞かれた際には全く迷うことなく

「福祉大学に進学します!」

 と言いきっていました。
 当時は福祉系大学すら少なく、福祉の専門大学は全国に3つしかありませんでした。

 その中でも最も難関だった東北福祉大学まで行き、とれるだけの資格を取得し、医療福祉の現場に飛び込みました。

 そのぶれない志、そして現在の議員活動のゆるぎない礎を創るきっかけとなってくれたのが愛生園で過ごした時間でした。

 今回、愛生園が新たな事業展開を計画されています。

 一昨年、施設の老朽化にともない、施設の改修もしくは移転の必要があり、これを機会に施設の機能拡充を考えているとの相談が寄せられました。

 早速、県の担当課との橋渡し役をさせていただき、いよいよ来年度からその計画が本格的に動き出すことになりました。

 最新式の介護機器導入はもちろんのこと、今までは木城の街が見下ろせる高台にあった施設を平野部に移転させるとともに、小規模の特別養護老人ホームを併設する計画となっています。

 これまでの障がい者施設や高齢者施設は、当たり前のように人里離れたところに建設されてきました。

 それは障がいがある方や車椅子を利用される方にとっては、地域から隔離されてしまい、買い物ひとつするにしても大きな労力を要することになります。

 地域の中に移転し、障がい者も高齢者も利便性の高い、快適な空間で生活する…これまさに“ノーマライゼーションの実現”といえるでしょう!

 これからも現場に寄り添い、現場とともに歩み、現場に恩返しをしていきます!


晴れのち汗

2010年11月27日 23時38分49秒 | Weblog

 午前10時、すでに汗ばむ陽気です。

     

 「屋外イベントは、晴れれば8割成功したようなもの!」

 とも言われますが、この日の川南町通浜漁港で開催された“漁港・漁村祭り”は開会前から100%成功を感じさせるほどの青空と熱気に包まれていました。

 祭りの宣伝をあまり目にしていなかった私は、どれ程の集客があるのか…と心配もしていましたが、会場と駐車場間を移送するシャトルバスは、次ぎから次ぎにいっぱいで、乗り切れないお客さんが会場まで数珠繋ぎとなって歩く姿には正直驚かされました。

 オープニング直後に、せんぐまきがありましたが、来場者に対して全然餅が足りず

「もう、それだけかー!」

 とクレームが投げ返されるほどでした。

 会場内のブースはどこも賑わっていましたが、特に“ハモ汁”の振る舞いがされるテントには30分も前からズラーッと行列ができていました。

    

 お昼近くには汗ばむ陽気が、汗が流れるほどに気温が上昇しました。

 私は美味しい匂いの誘惑を振り切り、通浜地区内の挨拶まわりをさせていただきました。

 さすがに留守宅が多かったのですが、一軒一軒ひろき通信を届け、地区内をほぼ一周した頃には、ワイシャツまで汗がにじみ、喉がカラカラでした。

 これからも地域に足を運び、くまなく歩き回り、生活に耳を傾ける活動を続けます。


覚悟

2010年11月26日 23時54分36秒 | Weblog
 もう苦しくてじっとしていられないのです。

 無意識のうちに壁をかきむしり、オムツを剥ぎ取るばあちゃんの眉間にはいつも深いしわが刻まれ、それとは逆に呼吸は浅く、吐き出される息とともにうめき声がもれてきます…

 手足は冷たく、指先はむらさき色に変色し、一生懸命さすって血行を良くしても、すぐにむらさきに戻ってしまいます…

 意識レベルはさらに低下し、はっきりと理解できる発語はなくなりました…

 食欲は全くなくなり、ここ3日は液状のカロリーメイトを楽のみで2、3口流し込むのがやっとです。

 それでも便は出ています。

 便というか、固体はなく、そのまま流れ出てくる感じで、悲しいことにオムツが黒く染まり続けています…

 できるだけこまめにオムツ交換しているのですが、お尻が濡れている時間が長いせいか、肛門の周りは赤くただれてしまいました…

 薬や油を塗っているものの、便を拭き取るたびに歪むばあちゃんの顔を見るのは辛いです…

 かかりつけ医はもう点滴をすすめられなくなりました。

「あと1週間が山です。」

 と言われてから、1ヶ月半が過ぎ、2山も3山も越えてくれ、このまま年越しできるかも…とさえ期待しましたが、このまま回復しないと、もう衰弱を止める術が見つかりません…

「ばあちゃん、のさんのう…」

「ばあちゃん、よう頑張ってくれたな…」

「ありがとう、ありがとう、ありがとう…」

腹に響く

2010年11月25日 23時42分17秒 | Weblog


 県内の若手議員で「宮崎維新塾」という勉強会をつくっています。
 
 その仲間で宮崎市議会の野崎議員が、太鼓チームを率いていて、先日第10回記念公演祝賀会が開催され、行ってきました。

 

  チーム名は“心響鼓DON”で、男性2名女性3名の少数精鋭です。

 座長の野崎さんは、熊みたいな体格で、見るからに迫力満点ですが、ほかのメンバーさんはきゃしゃで素朴な方々で、果たしてどれ程の腕前なのか・・・

 そんな不安は、最初のばちが振り下ろされてから1分もたたないうちに吹き飛びました。

 一糸乱れぬばちさばきの中にも一人一人の存在感があり、特に女性が力強く、細い腕にもかかわらず一打一打がとにかく激しく、荒々しく、まさに男勝りの勢いがありました。

 懸命に打ち続ける姿に心打たれました。

 そのメンバーを引っ張る座長が大太鼓用の極太ばちを握り、一振りしたとき、熊から鬼に変わりました。

  

 盛り上がる筋肉、踏ん張るふくらはぎ、そして背中から飛び散る汗、汗、汗・・・

  

 太鼓から立ち昇るオーラは、鬼神が浮かび上がり、太鼓からの波動は心に、そして腹に響きました。

 公演後の座長あいさつでは

 「厳しくなきゃ和太鼓でない、優しくなきゃ和太鼓の打ち手じゃない・・・10回記念公演まで育てていただいた、皆様に心から感謝します!」

 そして鬼の目に涙・・・

  

 そしてそして、次期県議会議員選挙に野崎さんも立候補します。

 宮崎市選挙区は候補者乱立の様相で、激戦区!

 児湯選挙区は、さらに激戦区!

 私も鬼となり、徹底的に闘います!!



 県内の若手議員で「宮崎維新塾」という勉強会をつくっています。

感情が原稿を追い越す

2010年11月24日 22時42分53秒 | Weblog


 短距離走をしたかのように、発言がすべて終ってから一気に汗は噴き出しました。

 今回の一般質問は

 ○口蹄疫対策の検証と復興支援方針の進捗状況について

 ○医療福祉現場の現状と課題について

 の2本柱で臨みました。

 口蹄疫に関しては、畜産農家のみならず県民全体の関心事でもある感染源および感染ルートの解明状況について、あらゆる角度から追求していきました。

 が、強制権を持たない調査活動は困難を極めており、証拠となる検体や書類などが少ないこともあり、具体的な調査結果を引き出すには至りませんでした。

 それでも仮に感染原因が特定できない場合であっても、感染源として疑われるものの可能性に言及することとし、防疫対策構築のためにさらなる検証作業を続けることを確認しました。

 さらに口蹄疫からの復興を加速させるため、畜産の高付加価値化や産地構造、産地構造の転換を図る“未来型食糧供給産業創出特区”いわゆる総合特区への取り組みや、口蹄疫ウィルス以外の特定疾病のないモデル地域を構築するための導入先の限定や導入後の検査体制整備についてなど、9月定例議会でも取り上げた内容をさらに掘り下げる追跡質問を次々に繰り出しました。

 その中で、口蹄疫被害を風化させない取り組みとして、学校教育で使われる副読本の作成については、12月までには編集作業を終え、来年4月には県内すべての小学校に配布するとの実りある答弁もいただきました。

 そして医療福祉に関する質問では、本県において年々減少する人口とそれに反比例するかのごとく大きくなる高齢化率、さらに介護サービスを支える労働力人口も確実に減少し続けることを指摘し、対応策について質疑を重ねました。

 現在宮崎県の高齢者施設への入所待機者は、何人ほどいらっしゃると思いますか?

 答えは・・・特別養護老人ホームや軽費老人ホーム、老人保健施設やグループホームを合わせると、4000人にも達すると推測されます。

  この待機者解消を図るための県内施設整備計画は、平成21~23年の3ヵ年計画においても約400床しかならず、整備計画と福祉現場の実態が大きく乖離していることが浮き彫りとなりました。

 その中で今後、看護、介護の人材確保のため東南アジアからの介護福祉士候補生の受け入れが重要な視点であること、また施設型福祉から在宅型福祉を転換を図ることが現場改善に繋がることを確認しました。

 最後は、ラストスパートで感情が原稿を追い越し、発言内容はまとまりに欠けたかもしれませんが、情熱は表現できたのはないかと思います。

 今回の一般質問は、初日にあたったこともあり・・・というのは言い訳ですね・・・前もっての準備が充分でなかったため、執行部との連絡調整をしていただいた財政課の植木さんには、休日返上で仕事をさせてしまい申し訳ありませんでした。

 おかげさまで1時間走りきることができました。

 心から感謝します。ありがとうございました!

 


優しさをたどる

2010年11月23日 23時05分58秒 | Weblog


 

  さあ!ここはどこでしょう!

 ヒントは、大学・・・さつま・・・石焼・・・と言えば!!

 

 そう、芋畑です!

 以前から一緒に活動をさせていただいている、視覚障がい者の方々と芋ほり体験をしてきました。

  
  

 見てください、この豊作!

 芋づる式とはよく言ったもので、つる伝いに出てくるは出てくるは、みるみる次々にコンテナは土のしずくでピカピカと光った個性的な芋たちでいっぱいになりました。

 つるを伝えば芋に出会える・・・たとえ視覚に障がいがあっても・・・

 なんと優しい出来事でしょう!

 広大な畑は、歓声が途切れることがなく、ボランティアの方々のご家族も一緒に参加されていましたので、子どもたちはおもいっきり土まみれになりながら、お手伝いをしていました。

 なんと微笑ましい光景でしょう。

 これぞまさしくノーマライゼーションそのものだと感じていました。

  

 このイベントをはじめ、視覚障がい者ボウリング大会やタンデム自転車によるサイクリングなどを中心的になって運営されているのが“たどり道”という団体の方々です。

 皆さん業種は様々ですが、時間を合わせて準備をされ、休みを合わせて障がい者の方々と手を携え地域で活動されています。

 そして今回、芋畑を提供してくださった生産者の方も

 「来年はもっと立派な芋を作っちょくので、もっとたくさん連れてきてください!」

 と喜びを共有してくださいました。

 私もこの時ばかりは日常から解放され、安らぎと爽やかな汗にひたっていました。

 明日は、一般質問・・・

 準備が・・・

 きっちり仕上げます!

 

 

 

 

 


宮崎を照らす

2010年11月22日 23時14分12秒 | Weblog

 

 さあ!これはなんでしょう!

 遠くに輝くのは月です。

 ヒントは、5・・・4・・・3・・・2・・・1!

 わかったでしょうか?

 そう、正解は!

  

 川南のトロンドーム周辺を彩る電飾イルミネーションです!

 今年も点灯式に呼んでもらい、会場が一体となったカウントダウンともにメインスイッチを押させていただきました。

  

 今年は過去最高の約38万個の電球が使用され、最高にゴージャスな夢の空間が創られました。

  牛や豚を模ったイルミネーションから光のトンネル、そして大小様々なオブジェは見る角度によっていろんな表情を見せてくれます。

 私も青年団のころ、木城の山にイルミネーションを飾り付けていたから分かるんです・・・とにかく準備がたいへん!!

 川南のイルミネーションも業者に委託していくのではなく、実行委員会や観光協会の方々が中心となり、生業の傍らすべてボランティアで作業をされて創り上げられています。

 電球が点くか点かないかを確認し、切れている電球を新しいのに換える作業だけでも4日間かかるそうです。

 それから2週間以上かけて、時には夜中まで作業され、点灯の日を迎えることになるのです。

 今年で14回目のこのイベント、なかなかできることではありません。

 本当に頭が下がります。

 開会式の挨拶の中でも言わせていただきましたが、

 「この川南のイルミネーションは、川南や児湯を照らすだけではなく、宮崎県にとってなくてならないシンボルとなりました。

 この光は復興という道のりを照らしてくれる光で、この光に集う皆さんの笑顔が再生へのエネルギー源です。

 どうかご自宅や地域に帰られましたら“川南のイルミネーションはきれいやったど!今度は一緒に行こや!”とさらにたくさんの方々が足を運んでいただきますように声をかけてください!」

 まさに川南魂の象徴であり、宮崎復興のたいまつ的存在でもある電飾イルミネーションを是非、見に来てください!

 そして感嘆の声が、歓喜の声に変わるように力を合わせて頑張っていきましょう!!

 


ばあちゃんの仕事

2010年11月21日 23時19分03秒 | Weblog


 なんとか持ちこたえています。

 ばあちゃんも家族も・・・

 ほぼ一日中、傾眠状態で、座らせたりしない限りは、寝たきりです。

 床ずれができないかと心配で、腰からお尻にかけてのマッサージは入念にしています。

 ばあちゃんは寝ながらもモソモソモソモソ手を動かしています。

 「ばあちゃん、なんしよっとね?」

 「むしりよっとよ・・・」

 「なんをや?」

 「なんじゃろね・・・」

 毛布やタオルケットの毛玉をチョコチョコチョコチョコ摘んでは、そこら辺にポイポイ・・・

 おそらく茶摘みか、草むしりをしているのでしょう。

 意識レベルは低下していても、体は昔の動きを刻み込んでいるのでしょう。

 そうそう、この前思わず笑ってしまったことが・・・

 久しぶりにおもいっきりうんこが出ていて、“よっしゃー”と思い

 「立派なのがでちょっど!」

 テキパキとオムツを替えて、一息ついていると・・・再びにおいが・・・うおぉぉぉまた来たか・・・“連チャンスタートや!”と思い、オムツを覗こうとしたとき、網戸越しにお袋がせっせせっせと大根を切って干していました。

 大根の生々しいにおいと勘違いしてしまい、ごめんごめんと寝巻きのズボンをあげさせていただきました・・・

 千切り大根が始まると冬本番の証。

 風邪に気をつけ、みんなで年が越せたら幸いです。