奇跡への絆

図師ひろき

雑感438

2012年12月31日 23時23分45秒 | Weblog

 病院勤務をしているとき、ある高校から教員採用試験を受けないかとお誘いをいただいたことがあります。

 金八先生に憧れていたことがある私は動揺し、悩んだ末に試験だけ受けることにしました…

 筆記試験には合格し、最後の面接のときに、採用されたらどのような教育をしたいかと尋ねられました。

 私は医療福祉が専門で、生徒にも現場の実情を伝えながら、これからの福祉を支えるような人材育成に努めたい…と応えた記憶があります。

 そう応えながら、現場のことがありありと思い出され

 「できることなら医療ソーシャルワーカーをしながら、非常勤で学校にも勤めさせてもらえないでしょうか!」

 と願い出ました。

 結果は、見事不採用となりました。

 当たり前ですよね…

 でもあの時、病院を辞め、教育現場に飛び込ませてもらっていたら、金八先生みたいな情熱も持ち続けて、生徒と向かい合えていただろうかな…

 全国的に教員の心の病が、深刻な状況となっています。

 病気休職の実に6割が精神疾患によるとのことです。

 さらに校長や教頭などの役職から自主的に一般教員などに降格する、いわゆる“希望降格制度”を利用する方の4割以上が精神疾患を含めた健康問題を理由にあげられているようです。

 保護者対応やいじめ対策など教員のストレスを生む状況は年々多様化多忙化しており、心が折れてしまう前の予防が非常に大切になっています。

 教員に限らずではありますが、もっと身近に、より気軽に相談できるような体制整備が必要で、特に自殺率の高い本県においては、優先課題の1つです。

 私も金八先生のような情熱を持ち続けて公務政務にあたるためにも、自らのメンタルヘルスにも充分気を遣っていきたいと思います。

雑感437

2012年12月30日 23時25分37秒 | Weblog

 “ホームホスピス”という言葉をご存知でしょうか?

 民間の家で、看取りまでの介護を提供する事業のことで、その先駆者が宮崎にいらっしゃいます。
 宮崎市内では“かあさんの家”を運営される市原美穂さんがその人です。

 私も何度か“かあさんの家”を訪れ、市原理事長とも話をさせていただきましたが、その理念と実践内容にはただただ頭が下がるばかりでした。

 ホームホスピス事業は、法律が追いついていません。

 介護保険の適応ではないため、資金面の課題はあるものの、そこで暮らされている方々は、まさに自宅で生活をされていると同様に、自らの意志により穏やかな日常を過ごされていました。

 少人数で生活をするため介護者も、きめ細やかなお手伝いをすることができます。

 そして何より、むげな延命治療をを押し付けられることはないので、本人も家族も介護者も納得のいく看取りが実現されていました。

 またその家で暮らす方々が、家族同様になり、同じ屋根の下で看取りが行われることで、落ち着いて心の準備ができることにも繋がります。

 このホームホスピス事業が、全国的な広がりをみせているようです。

 医療機関でもない、施設でもない、このホームホスピスは、高齢者介護の現場が抱える矛盾を取り除いてくれる貴重な取り組みだと思います。

 何より市原理事長は

 「宮崎をホスピスに!」

 とも語られています。

 県下全域で、特に中山間地でこの事業が定着することができれば、宮崎は世界的にも注目される見取りの先進自治体となることでしょう。

 法律が追いつかないのであれば、県条例で現場に届く政策を創りたい!

雑感436

2012年12月29日 23時47分47秒 | Weblog

 今年の冬は寒くなるのが早いですね…

 寒いのも嫌いじゃないので、私としてはそれほど辛さは感じていないのですが、洋菓子店はかなり辛い状況のようです。

 寒さと洋菓子店を繋ぐもの…それは“イチゴ”です。

 気温低下の影響で、県内のイチゴ出荷時期がずれ込み、昨年同時期に比べると、市場に出回っているイチゴの量は6割ほどのとどまっているとのこと。

 私もよく利用させていただく地元の洋菓子店『パティスリー コマド』さんが

 「契約農家の分だけではイチゴが足りなくなり、市場で購入することになった…値段は高いけれど、ケーキの値段はあげられず、利益はないに等しい…」

 とマスコミのインタビューに応えられていました。

 そんなコマドさんに、今年も高鍋舞鶴ライオンズクラブで、60人分のクリスマスケーキを注文してしまいました。

 児童養護施設にクリスマスプレゼントとして届けるためのものでしたが、インタビュー記事を見たのは、クリスマスが終わってからでした…

 “コマドのロールケーキは絶品ですよ!”

 “コマドのショートケーキも絶品ですよ!”

 これからもあちこちで宣伝させてもらいます。

 これからも事あるごとにコマドさんを利用させていただきます。

雑感435

2012年12月28日 23時45分06秒 | Weblog

 農家の高齢化や後継者不足などの影響もあり、農業協同組合いわゆるJAの数が年々減少しているようです。

 ここ14年間で全国の農協数は、半分以下になっているという記事を読みました。

 農協を支える組合員のうち“正組合員”も減少の一途で、逆に農協が展開する葬祭や介護事業を活用する“准組合員”は増加しているとのこと。

 九州では佐賀県は15年前に32ヶ所あった農協が、4ヶ所に集約され、大分県では2008年に16農協を統合し、九州最大の“JAおおいた”を発足させています。

 本県でも県下の農協を4つに集約する構想が検討された経緯はあるようですが、現在は具体的な進展はないようです。

 周知の通り、国内市場は世界に類を見ない少子高齢化の進行により、今後も先細りしていくことは明らかです。

 そして環太平洋連携協定いわゆるTPPの動向に象徴されるように、農業分野に留まらない更なるグローバル化の波は勢いを増して押し寄せようとしています。

 農協経営に限らず、行政運営に関しても、現状維持が続けられるような時代ではなく、サービス向上のための改善は日進月歩で行わなければなりません。

 こと宮崎においては、基幹産業である農業の振興なしには、県民福祉向上もないわけで、今まで以上に農協と行政の連携を強化が不可欠です。

 東南アジアの発展とともに、成長産業になるといわれ続けてきた日本の農業を、肌で実感できる成長に繋げるためにも、戦略的な東南アジア進出を一気に推し進めるときでもあります。

 組織を守るための運営改善ではなく、生産者及び県民の暮らしを守るために何をすべきなのか、関係機関と積極的な情報交換と政策構築を行っていきます。

水資源保全対策特別委員会県南調査報告3

2012年12月27日 23時11分11秒 | Weblog

 都城市では、“河川水質改善プロジェクト”の内容を研修してきました。

 このプロジェクトは、県の“新しい公共推進モデル事業”の1つで、都城市の家庭から出る生活排水の付加削減対策と接触材による水質改善対策を、住民参加型で展開していくもので、地域内の排水路の水質改善から、昔のきれいな大淀川を取り戻そうとするものです。

 これが排水路に敷設される前の、ひも状接触材です。

  

 この接触材を川幅いっぱいに敷くと、このようになります。

     

 今回の視察研修は、この時期になっていしまいましたが、地域住民の方によると、夏場はこの接触材のある上流と下流では、明らかな違いがあるということでした。

     

 それは“臭い”です。

 下流では、ほとんど臭いがないほど効果がはっきりと実感されていました。

 場所を都城市役所に移し、さらに具体的な取り組みについて伺いました。

      

 やはり先ほどの接触材の敷設だけでは十分ではなく、もっとも河川環境改善に大切なことは、家庭内での取り組みであることが強調されました。

 まず、台所での三角コーナーを活用することにより、食品残さを流さないこと。

 そして、台所で洗剤使用量を削減するために、アクリルたわしの活用をすること。

 さらには、愛媛県工業技術センターが開発した洗浄液を活用することにより、台所はもちろんのこと、お風呂の下水管についた有機物を分解し、微生物を増やすことが有効であることが紹介されました。

 この愛媛県工業技術センターが開発した洗浄液は、特別なものではなく、無糖のヨーグルト1㎏、ドライイースト80g、納豆10粒、三温糖1㎏、温水12ℓがあれば作ることができる洗浄液です。

 これでできた洗浄液を、キャップ1杯台所やお風呂で使用してもらうことにより、水質浄化に間違いなく繋がります。

 詳しくは是非、愛媛県工業技術センターのホームページをご覧ください。

 この都城市の事業は、モデル事業ではありますが、まだまだ小さい取り組みです。

 ですが、大型の公共下水事業と比べれば明らかに、大幅なコストダウンが期待できます。

 最小限のコストで、最大限の効果を得られる事業であるか、これからもこのプロジェクトを追跡していきます。


 
 


水資源保全対策特別委員会県南調査報告2

2012年12月26日 23時22分04秒 | Weblog

 小林市では、県内で唯一制定されている“水資源保全条例”制定までの背景について研修させていただきました。

 小林市は、“出の山湧水”なそ優秀な水資源に恵まれており、既に4社(5工場)のミネラルウォーター工場が進出しており、大量の地下水をくみ上げられている状況が続いています。

 企業周辺では、地下水量の減少がみられ、地域住民からは地下水の保全対策を切望する旨の陳情書が出されるなど、一刻も早い対策が待たれる状況がありました。

 そこで小林市は、平成23年2月に1回目の庁内検討会議を開き、水資源保全条例制定に向けて本格的な協議を開始しました。

 その協議の進展は早く、関係課の調整会議も優先的に開催され、市長のリーダーシップにより、市民への情報提供も積極的に行われました。

 その甲斐あって、なんとその年の6月定例議会には条例案が提案され、即可決、そして同年7月1日条例公布、10月1日条例施行となりました。

 このスピードは異例で、条例制定には通常最低でも1年は協議・検討がされてから可否が決しますが、年度をまたいででも半年以内条例案可決に至ったということは、それだけ状況が緊張感を帯びていた現われでもあると思われます。

 主な内容は、地下水を採取する井戸整備にあたり、その井戸が“ポンプの吐出口の断面積が6平方cm以上”、もしくは“定格出力が0.4kを超える”場合は、市の許可が必要となったことや、許可を受けたものでも違反したときには、地下水採取を取り消すなどの罰則規定まで設けています。

 この条例制定後は、新たに2件の井戸整備の申請があったものの、飲料水メーカーの進出はないとのことでした。

 雇用の維持・創出のためには、地域資源の利活用は必然ですが、住民の財産である水資源を守ることは何よりも優先される事項であり、そのための条例制定はやはり必然です。

 水資源確保に関して、国の動きが見えない現状の中、県ができる政策をしっかり検討していきます。

 


水資源保全対策特別委員会県南調査報告1

2012年12月25日 23時25分23秒 | Weblog

 いよいよ特別委員会の調査活動も最終段階に入りました。

 今回は日南市、小林市、都城市を巡り、各地域の水資源に関する実態調査をしてきました。

 まず日南市は、一昨年夏以降つづいた小雨の影響で、昨年2月から5月にかけて異常渇水に見舞われ、工場や土地改良区などの水利使用者の必要とする取水量が確保できなくなることが想定されました。

 そこで日南市は、市が中心となり「渇水対策会議」を開催し、水利使用者との意見調整を図りながら、日南土木事務所とも連携し、対応にあたることにより、危機的状況を柔軟に乗り切ることができました。

  

 具体的には、渇水対策会議の構成メンバーである、土木事務所・農林振興局・土地改良区・王子製紙日南工場・漁業共同組合、そして日南市などが定期的ではなく、必要に応じて即座会議を開催し、地域の情報や企業側の事業計画などの実情を腹を割って話し、状況の打開策を協議された経緯がありました。

 約1ヶ月半の間に、11回もの会議が行われ、その都度ダムから放出できるギリギリの数値が話し合われ、地域にとってどの放流量が最善であるかの検討がされたようです。

 行政と民間が構成する各種会議が、このように頻繁に開催されることは異例で、そこには日南市が抱える地域の特性がありました。

 それは地域の雇用確保に大きく貢献している王子製紙日南工業への配慮でした。

 製紙のためには大量の水を使用しますが、そこを優先するが故に、生活用水はもちろんのこと農業用水が不足することが十分懸念されました・・・

 しかし、渇水対策会議の対応を、生活及び農業用水優先という軸をしっかりと確認し、企業側もそれを了承し、きめ細やかな情報収集とダムからの放出量を限界まで調整していきました。

 その甲斐あって、近年まれに見る渇水状況を、どの分野にも影響が出ることなくやり過ごすことができたのでした。

 これを機に、日南市ではハード面、ソフト面ともに渇水対策がすすめ、県との連携もさらに強化されてきました。

 ここをモデル地域として、県下に渇水対策への取り組みを周知していきたいと思います。

 


原点

2012年12月24日 23時29分19秒 | Weblog

 極寒の中、私は幻想的な世界に魅了されていました・・・

 神の存在を信じることの戸惑いを忘れさせてもらえる時間を過ごすことができました・・・

 木城町の中心部から車で約1時間・・・

 山深いところに、今も神楽が息づく中之又地区はあります。

 地元のものでさえ、それくらいの時間を要しますので、遠方から来られる方はさらに30分ほどかかると思われます。

 途中、車が離合できない箇所が至るところにあり、対向車が来たときにはどちらかが、多少広くなっている崖っぷちまでバックして譲り合わなければ、中之又まではたどり着くことはできません。 

 しかも夜道となると、さらに慎重な運転が必要となりますし、よく鹿や猪、いたちなどが、よそ者の侵入を拒むかのように車の前に現れてきます。

 そんな山奥に今も、神々への感謝を忘れることなく夜通し神楽を奉納されている方々がいらっしゃいます。

 今年も中之又神楽に行って来ました!

    

 暗闇の中に裸電球だけで浮かび上がるぼんやりとした光の中で、幽玄な舞が次々と披露されました。

 中之又神楽は、野外です。

 その神楽を取り囲む方々は、防寒着と焚き火の温もりだけで一夜を明かされます。

   

 見えますか?

 竹をくりぬいて作った筒の中から浮かび上がる“中之又神社”の文字が・・・

 ここ中之又地区は、すでに80世帯100人たらずの方々しか生活されていません・・・ 

 しかしこの山深い暮らしを守ることこそが、政治の役割です。

 費用対効果や効率性だけは図ってはいけないものが、地域の暮らしです。

 この灯火を守るために、私は声を大にして政策を訴えていきます。

 それが私の原点です。


ふぞろいの蜜柑たち

2012年12月23日 22時51分13秒 | Weblog

 近所の方から、みかんをいただきました。

 みかんらしいみかんでした。

 売り物ではなく趣味で作られているみかんは、大きさは不揃いで、表面の皮にはきずやシミがいっぱいです。

 それでも

 「今年はいっぱいなったから、好きなだけ持っていきない!」

 のお言葉に甘えて、次から次に袋に入れていると

 「うちのみかんはぜんぜん農薬をつこちょらんかん、皮ごと食べても大丈夫ど!ワハハッ」

 さすがに皮ごととは食べれないものの、無農薬と聞いて余計に嬉しくなり、袋に入るだけ詰めさせてもらいました。

 早速、1ついただいてみると…

 「甘い!」

 と言いたいところでしたが

 「適度に甘い」

 でした…さらに

 「適度にすっぱい」

 でもありました。

 まさにみかんらしい味でした。

 “私はこの味のみかんで育ってきたんだ”

 懐かしささえも蘇る心温まるみかんを食べ、師走の慌ただしさを一時忘れることができました。

 きれいで甘いみかんも素敵ですが、私はこの無骨でほのぼのとしたみかんをこれからも食べていきたいな…

 近所のおじさんからは

 「おいおい」

 と突っ込まれそうですが、来年もまたよろしくお願いします!


近づく大分

2012年12月22日 23時19分45秒 | Weblog

 東九州自動車道都農~高鍋間の開通式典に出席しました。

 会場となった都農町の塩月記念館には県内外から多くの方々が参列され、周辺駐車場だけでは車が停めきれず、陸上競技場駐車場からシャトルバスで送迎しなければならいないほどの盛大な式典でした。

 “こんな盛大にせずに、この式典費用を高速道路建設に充てた方がいいのでは…”

 と個人的には感じつつも、工事関係者や地元住民の笑顔を見ていると、私も自然と嬉しい気持ちになりました。

 都農~高鍋間は全長12.9㎞ですが、この間には川南パーキングエリアが設置されるとともに、都農インターチェンジ近くには、道の駅も整備されることとなっており、交流人口増が大いに期待されるところです。

 さらに一般道と比較して、都農~宮崎空港間が30分も短縮されるため、一気に時間的距離が縮まることになります。

 さらにさらに県北の整備も着々と、前倒し前倒しで進んでいるため“陸の孤島”と称されてきた本県のネガティブイメージも大きく転換できるチャンスが近づいて来ています。

 チャンスと同時に、リスクもセットであることは周知の事実で、大分と接続され、九州循環高速道路が完成したのちには、強烈な地域間の人的、経済的綱引きが始まります。

 特に児湯郡は県央地区であることで、単なる通過点になってしまう可能性も無きにしもあらずです…

 都農インターや高鍋インターから児湯を周遊してもらうための新たな観光ルートの構築は必然であるとともに、滞在型のイベントや体験プログラムを定着させていくことができなければ綱引きに勝てません。

 今日の式典のあとでも、商工関係者と延々その話をさせていただき、あれやこれやとアイデアに色をつけていきました。

 その中で、“これはものになる!”という発想にたどり着きました。

 まだおぼろげですが、これから綿密なる情報収集をして、必ず議会で政策提案をしていきます。

 夢を形にします。

 乞うご期待!