奇跡への絆

図師ひろき

雑感254

2012年02月29日 22時35分06秒 | Weblog


 「ゾウの時間 ネズミの時間」

 という本を読んだことがあります。

 本川達雄さんのロングセラー作品なので、読まれた方も多いと思いますが、この本の中で

 “ゾウの寿命は100年近く、ネズミは数年しか生きないけれど、どちらも心臓の鼓動は一生のうちに、およそ20億回、呼吸は5億回”

 という内容が取り上げられています。

 この回数は、すべての哺乳類にほぼ共通しているそうで、ゾウはゾウの、ネズミはネズミの時間軸で生きていること紹介されています。

 今の生活はゾウのようにのんびりと動くことなく、いつもネズミのようにせかせかと動き回っていますが、できることは限られています。

 人の2倍、3倍動いたからといって、それに比例する成果が上がるものでもないですよね・・・

 先日、果樹農家を訪れた時、教えられたことがあります。

 「きんかんを作ってもう30年くらいかの~、毎年毎年のことじゃけど、あと何回きんかん作りができるかと思たら、1年1年が大切じゃとよ・・・」

 なんとも重みのある言葉でした。

 毎年毎年のことだけど、一年に一回しかきんかん作りができない・・・ましてや高齢となり、今年がだめなら来年、来年がだめでもまた再来年とは、簡単に言えなくなっている・・・だから1回1回に心を込めてきんかんに向かい合う気概を教えてもらいました。

 今回の一般質問を作っていくにあたり、数々の政務調査と多くの要望ともとにして、できるだけ多くの内容を盛り込もうとしています。

 ただ限られた時間の中、繰り出す質問には限りがあります。

 総花的に質問をしていたのでは、表面的なやり取りになってしまい、数をこなしただけで成果に繋がらなくては意味がありませんし、1つに事柄を掘り下げすぎても片寄った質問になってします。

 一般質問立てるのは、年に2回。

 どこに焦点をあて、具体的な答弁を引き出していくのか、登壇する直前まで原稿が汚れ続けると思います。

 それでも安定感だけは失わないように心がけたいと思います。

 いくら欲張っても、本会議場でのやりとりだけでできることは限界があり、そこで答えを導き出せないことの方が遥かに多いことは理解しています。

 ひたすら丁寧に原稿に向かい、現場の声と心を落とし込み、県政発展のため、県民福祉向上のため1つ1つくさびを打ち込んで生きたいと思います。

 


一般質問近づく!

2012年02月28日 23時32分41秒 | Weblog

 


 今日も議会棟から退庁するのが遅くなってしまいました・・・

 

 職員の方が、最後の戸締りのため会派室を覗いていただいたので時間が過ぎていることに気付かされました。

 

 今議会は一般質問に立つので、そのための質問項目の選定と執行部とのレクチャーが続いています。

 

 机上の空論のような質疑応答を繰り返さないためにも、政務調査と地域に足を運ぶことにより得られた情報をしっかりと絡み合わせ理論構築をしています。

 

 そして知事をはじめ執行部に通り一辺倒の政治的答弁をさせないためにも、今まさに一般質問前レクチャーでしのぎを削っています。

 今回の質問予定の項目は以下の通りです。

 

 〇東南アジア戦略の実績と展開

 

   ・香港、マカオにおける“オールみやざき営業チーム”のトップセールの成果について

 

   ・農畜産物輸出の展望と対策について

 

   ・観光客誘客事業について

 

 〇県道整備と安全性整備

 

   ・歩行者優先の県道整備について

 

 〇自殺対策

 

   ・自殺対策事業の啓発内容と効果について

 

   ・自殺対策電話相談の実績について

 

   ・県民及び県職員のメンタルヘルス管理体制と今後の自殺対策について

 

 〇高齢者施設整備と人材確保

 

   ・高齢者施設増加と宮崎県高齢者保健福祉計画の整合性について

 

   ・福祉分野の人材確保について

 

   ・希望の持てる福祉現場の創設のために

 

 などです。

 

 質問時間30分という限られた時間の中で、実りある答弁を引き出すために最善の情報収集をし、ギリギリまで原稿と闘います。

 

 明日、一般質問の順番を決める抽選があります。

 

 何番目でも構いませんが、今回は後援会の方々が傍聴に来ていただけそうなので、できれば後半の方がゆとりができていいのですが・・・

 

 結果はフェイスブック、もしくは新聞掲載で確認いただると有り難いです。


おばあちゃんの笑顔、青年の汗

2012年02月27日 23時14分25秒 | Weblog


 新富町にある新田神社の春の例大祭に参加させていただきました。

 春の大祭は、これから始まる田植えなどの農作業が滞りなく進み、秋の収穫期での五穀豊穣を祈願するものです。

 以前にも紹介しましたが、ここ新田神社にも伝統行事が息づいており、今回もその迫力に圧倒されてきました。

 正式な名称ではないかもしれませんが、その行事とは“大蛇切り”という魔よけや無病息災の願いが込められた、勇壮な舞です。

  

 藁が編みこまれた2匹の大蛇の上に舞手がまたがっています。

 手には、閃光鋭い真剣が!

  

 一気には叩き切らず、じっくり大蛇を追い込んでいきます。

 「そげ!そげ!そげ!そげ!」「削げ!削げ!削げ!削げ!」

 周りからの掛け声に合わせて、舞手は真剣を大蛇に擦り付け、徐々に削いでいきます。

  

 会場のボルテージが最高潮に達したその時!

  

 大蛇は見事に切り裂かれました。

 すると大蛇に見立てられた藁を、さっさと引いて持ち去る方がいらっしゃいました・・・

 “どうされたのだろう?”

 視線で追ってみると、椅子に座っているおばあちゃんのところに持って行かれました。

 「ありがとう!これで今年一年、病気にならんですごせるわ。」

 優しい笑顔のお礼を返されていました。

 “へぇ~、お守りになるんだ”

 そして、舞が終わり、汗の滴り落ちるお面の下から現れたのは、深いしわが刻まれた大ベテラン・・・ではなく、初々しい青年でした。

 「この大蛇切りをすることが誇りなんですよ!」

 “かっこいい!”

 この舞をするために、遠方から帰ってきて、練習を積み、この晴れ舞台を踏む若者もいるそうです。

 “こうやって代々、伝統は受け継がれていくのだなぁ”

 “そしてこの伝統を守るために働かなければならない”

 そのことを深く胸に刻んだ、おばあちゃんの笑顔であり、青年の汗でした。


赤褐色のこぶしを見て

2012年02月26日 23時05分57秒 | Weblog


 先日、児湯広域森林組合設立10周年の記念式典に参加させていただきました。

  

 児湯広域森林組合は、西都市、西米良村そして児湯森林組合が合併することにより設立された団体です。


 平成16年には、直径30センチ以内の小径木加工場を整備し、また平成19年にはゆず加工施設を稼動させるなど、森林育成に留まらず、加工から販売まで森林・林業活性化のため事業展開されてきました。


 しかし、森林・林業をを取り巻く環境を年々厳しくなっており、合併当時4143人いた組合員も、現在では3898人まで減少しており、役職員数も削減せざるを得ない現状が続いています。


 “森林・林業再生プラン”により、木材自給率50%は掲げられているものの、景気の長引く低迷も合間って、県内の人工材の70%は伐期を超えているにもかかわらず、山から切り出せない状況です・・・


 県としても、県産材の国外輸出を断続的に行っていますが、大きな成果を上げるまでには至っていません。


 記念式典では、代々組合長並びに功労者の表彰もあり、華やかな懇親会も催されました。

    

 たまたま隣りの席が、功労賞を受賞された男性でしたのでお話させていただきました


 「長い間、山を守っていただきありがとうございます。これからも体に気をつけて頑張ってくださいね。」


 「もうそんげ長く頑張れんど・・・あとの山のことが心配じゃ・・・」


 コップを握られる手は、ゴツゴツと赤褐色なシワが今までの山を守ってきた勲章のように輝いていましたが、同時に山の暮らしがいかに大変だったかを一目瞭然に語っていました・・・


 先日訪問した旭化成では、これから間伐材などを使用したバイオマス発電に取り組まれます。

 まだコスト面などで課題もあるとのことでしたが、山を守るために、山の暮らしを守るためにも行政も一緒に汗を流さなければならないことを胸に刻んだ式典となりました。








県内政務調査3

2012年02月25日 23時35分51秒 | Weblog


 皆さん、“臨床工学技士”はご存知ですか?


 医師の指示のもと、医療機器の操作や保守点検を行う専門職で、1987年に国家資格となりました。


 具体的には、人工透析装置や人工呼吸器、心臓の手術をするときに使用する人口心肺装置などを操作し、いずれも患者の生命を直接左右する装置の操作となるため高度な知識と技術が必要となります。


 国家資格が制定されてから20年ほど経ちましたが、臨床工学技士の数は極端に不足しており、医療現場で早急に人材確保が求められています。


 今回視察させていただいた、九州保健福祉大学には、その臨床工学技士を養成する臨床工学科があります。

    


 先ほどの国家試験において20名全員が合格するなど高いレベルでの教育体制が整えられています。

 卒業と同時に、即戦力として役割が求められることあり、九州保健福祉大学では、全国でもトップレベルの医療機器が取り揃えられていました。

 これは人工呼吸器で、これ一台で車が何台か買えるとか・・・

  

 これは高圧酸素装置で、脳梗塞などの治療に用いられます。
 

  

 実際、加圧してもらうと・・・装置内のペットボトルはご覧の通り・・・

  

 次にこれは人工透析装置です。


  

 透析ベットは10台設置してあり、災害時には緊急透析患者を受け入れる体制まで整えられていました。

 そしてこれが人工心肺装置です。


    

 心臓を止めて行われる手術において、この装置が心臓と肺の役割を担います。



2月定例議会スタート!

2012年02月24日 23時22分43秒 | Weblog

 いよいよ約1ヶ月にわたる2月定例議会が始まりました。

 今議会は、補正予算と来年度予算審議があるため、写真にある膨大な予算書及び関連資料を長時間かけて審議していくことになります。

 また今回、一般質問に立つため、焦りながらも着々と準備を進めています。

 今日は、本会議場において知事から県政運営の基本姿勢と来年度当初予算編成の基本的な考え方が示されました。

 その中で取り上げられていた事項の1つに、“フェニックスリゾート社”の件がありました。

 すでにマスコミも取り上げられていますので、ご存知の方も多いと思いますが、フェニックス・シーガイア・リゾートが、今回セガサミーホールディングス傘下で経営再建を図ることとなりました。

 セガサミーホールディングスは、国内エンターテイメント業界では任天堂に次ぐ規模を誇り、2011年3月期の連結売上高は、3967億円に上ります。

 知事も

 「セガサミーホールディングス株式会社の新たなノウハウやアイデアで、シーガイアを本県の核となるリゾート施設として発展させていかれることを期待しています。」

 と強い関心を寄せられていました。

 マスコミによると、セガサミーはシーガイアの買収によって、リゾート事業のノウハウを蓄積し、将来のカジノ構想に備えたい狙いも見え隠れする、とも…

 あまり情報ばかりが先走りして、セガサミーの事業展開に支障をきたしたり、何より県民不安をあおるようなことがあってはならないので、シーガイアの再建にあたっては情報を的確に把握したうえで、お知らせしていきたいと思います。

 まずは目の前の議案書を、しっかり読み込み審議に備えるとともに、一般質問のため各方面から収集した資料を整理し、原稿を練り上げ、一問一答のための理論武装に集中します!

県内政務調査2

2012年02月23日 23時18分05秒 | Weblog


 続いて研修させていただいたのは、赤と白の煙突が目印にもなっている旭化成です。

  

 旭化成におかれましては、今回バイオマス発電に取り組まれることとなり、その発電所の整備が着々と行われていました。

    

 木質バイオマス(建設廃材や間伐材などをチップ状にしたもの)と石炭を6対4の割合で混ぜて燃焼させることで、環境負荷を低減させることができます。

 具体的には、従来の重油や石炭の火力発電と比較して、温室効果ガスを年間17万トン削減する効果があるとのこと。

 さらに建設廃材や山に放置されてしまいがちな間伐材を利用することでリサイクルエネルギーとしても今度役割を増していくことは明らかです。

 しかし課題もあります・・・

 予定では年間10万トンの木質バイオマスが必要なのですが、県内から
調達できる建設廃材は年間約2万トン・・・さらに五ヶ瀬川水系の山林から調達できる非用材部分は年間約3.2トン。

 量的な課題に加え、コストの壁も立ちはだかります。  

 建設廃材を県外からも調達するにしても、五ヶ瀬川水系以外から間伐材を集めるにしても収集・運搬コストが高くなることが明らかで、現在の試算では石炭の費用に比べて1.5~2倍ほどの経費がかかる可能性があります。

 旭化成側も研究に研究を、努力に努力を重ねられ、コストの圧縮と宮崎の森林・林業の活性化に尽力されています。

 これからさらに関係団体、そして行政との連携をとって、官民一体となった取り組みが必要であることを確認しました。

 先進地の事例も踏まえて、しっかり対応していきます!

  


県内政務調査1

2012年02月22日 23時10分38秒 | Weblog


 今回、県議会会派“新みやざき”さんの県内調査に同行させていただき、日向から延岡の出先機関や企業、大学を訪問させていただきました。

 まずは宮崎県北部港湾事務所にて、細島港の機能と今後の整備計画などについて研修しました。

  

 細島港は、地理的優位性と充実した港湾施設を活かし、国内はもちろんのこと世界を結ぶ物流拠点として、日々発展しています。

 輸出に関して貨物取り扱い量は、年間143877tで、主な輸出先は、韓国、中国(香港を含む)、アメリカ、台湾、タイなどです。

 主な輸出品は、金属くず、合成樹脂、ゴム製品、化学薬品などです。

 一方、輸入に関する貨物取り扱い量は、1923543tで、主な輸入先は、インドネシア、ニューカレドニア、オーストラリア、メキシコ、韓国、アメリカなどです。

 主な輸入品は、石炭、金属鉱、原塩、肥料、パルプなどです。

 これらの内容からも一目瞭然のように、圧倒的に輸出が少ないことが分かります。

 輸出が少ないということは、輸入時には荷が積まれているコンテナを空でそのまま送り出しているということになります。

 もちろん積載物によっては使い回しが難しいものもありますが、物流を活性化させることやコストを軽減させる観点から、輸出をさらに増大させていくことが今後の宮崎県の大きな課題の一つです。

 そこで細島港では、大型船にも対応できる岸壁の整備やガントリークレーンといって、船からコンテナをおろすためのクレーンを増設したり、さらにはコンテナを洗浄、メンテナンスをするための専用地の確保などの環境整備を積極的に行っています。

 これらの整備により、運送業者などの関連業者の誘致を促進すると共に、旅客船就航のための働きかけも展開されていました。

 細島港が、今後さらに宮崎の農産品の発進基地となることは明らかで、また東南アジアへの大きな扉となるよう、農産品のトップセールスはもちろんのこと、細島港の機能や利便性を売り込む“ポートセールス”も合わせて行っていくことの大切さを強くした研修となりました。

 

 

 


雑感253

2012年02月21日 23時08分13秒 | Weblog
 どしても観たい映画に、向井理さん主演の

 “僕たちには世界を変えることができない”

 があります。

 昨年公開されて、もうDVDになる頃か、もうなっているかも…

 今度、レンタル店に行ったときには必ずチェックしてみます。

 観られた方も多いと思いますが、この映画はカンボジアに小学校を建てた大学生の実話をもとに作られた作品です。

 映画の中では、ポル・ポト政権時代に処刑場だったキリングフィールドや、今でも多くの人が入院しているエイズ病院でも撮影が行われたようです。

 私は、小学校を建てることはできないと思いますが、カンボジアのゴミ山やスラム街で暮らす子どもたちに、文房具や子ども服を届けるボランティアをしたことがあります。

 スラム街には昔、日本にあった寺子屋のような子どもたちに読み書きを教える集会場がありました。

 集会場と言えば、日本の公民館みたいな建物を想像されるかもしれませんが…“掘っ建て小屋”の方がちゃんと理解してもらえるかもしれません。

 そこに集う子どもたちは、本当に人懐っこくて、何より本当の子たちの笑顔でドンドン胸に飛び込んで来てくれました。

 その子どもたちに、鉛筆とノートを渡すと、途端に掘っ建て小屋の空気が変わります…

 走り回る子は一人もいなくなり、無言でただ黙々とノートに向かいます。

 日頃、石ころや木の枝で地面にしか絵や字を書くことしかできない、子どもたちは“書くことに飢えている”のです。

 その姿に、大きなショックを受けました。

 ショックを受けたといえば、ゴミ山で生活されている、おばあさんと子どもとの出会いでした。

 その家族は、ゴミ山でココナッツの皮を拾い集め、それを燃料として生活されていました。

 私も皮拾いを手伝わせてもらいながら、話を聞くと…

 「ポル・ポトから主人と子どもを殺されました…今は残った子ども3人とこうやって生活しています…」

 なんと悲惨な…それでいてなんと逞しい…そしてなんと優しい…

 そして、いかに自分が恵まれた環境で生活をしているのか、また甘えた生活をしているのか、なんともやりきれない気持ちをこらえながら、ココナッツの皮を拾ったことを、しっかり胸に刻んでいます。

 “僕たちには世界を変えることができない”を観ながら、汗だくで歩き回ったカンボジアのことを思い出し、私は密かに誓います…

 「空は繋がっている!また逢いに行くからね!」

雑感252

2012年02月20日 23時45分37秒 | Weblog

 先日、イッテQというテレビ番組を見ました。

 芸能人のイモトアヤコさんたちが、アコンカグアという山に登るという内容でした。

 7000mを超える山にアタックするというもので、寒さや高山病と闘いながら1週間以上かけて、徐々に頂上に近づいて行きました。

 イモトさんは、一緒に登るスタッフやクルーみんなに気を配り、時には道化役で笑いを誘い、女性でありながらチームを引っ張っている姿にかなり好感を抱きました。

 そんなイモトさんも頂上が近づくにつれ、胃痛などで苦しい表情が続くようになりました。

 気圧のせいか、顔はパンパンに張れ、鼻水は白く凍り、見ているだけで痛みが伝わってくる程でした。

 それでもいよいよ頂上まで200mのところまでたどり着きました。

 番組の残り時間から考えて、このまま登頂して、ボロボロに泣き崩れながらもハッピーエンドが待っていると信じて止みませんでした…

 が!吹雪が近づいているということで、なんとそれ以上のアタックを断念!というシーンが…

 私はそれでも、次のCMの後には

 「それでも恐れることなく勇気を振り絞り、頂上を目指し歩き出しました!」

 という展開になるものだと、決め付けていました。

 しかし、下山決定は覆ることなく、イモトさんは静かな涙を流しながら帰り始めました…

 どれだけ無念だったでしょう…

 でもイモトさんの表情には、どことなく安堵の気持ちもにじんでいたようにも見えました。

 クルーのリーダーが

 「ここまで来て、進む判断より、戻る決断をする方がはるかに勇気のいることだ。」

 と言われていましたが、全くその通りだと思います。

 イモトさんたちの頑張りは誰もが認めるところで、頂上にたどり着いたハッピーエンドよりも大きな感動を与えてもらいました。

 ありがとうございました!

 当然なことながら、単純熱血な私としては、今おもいっきり山を登りたい衝動に駆られています。

 今年、2度目の富士山登山に挑みます!

 と言いたい!

 でも今は、いつか…です…