私の手には負えませんでした

何の因果か、明日の祝日は一年でいちばん盛大なオシゴトの日です。
（ちっ。）
二年間の学びの成果を一人ひとりが発表する一日がかりの大舞台です。

今日も今日とて、いよいよ明日だなあ的な出来心で、
この一年みっちり付き合って来た学生二人のうち、
最後の最後まで問題児であり続けたオトナのADHDによる最終成果物を精読。

あり得ん。
人の話を聴く気も同じ過ちを繰り返すまいと気をつけようっちゅう気も皆無だ。
見るんじゃなかった。

あんなに何度も言ったのに。
あんなに原稿にアカ入れてやったのに。
あんなに「非の打ち所がない完璧な成果物か」って念押ししたのに。

なにこの赤ペン先生状態。
なにこの意味不明な日本語らしき散文。

――手は尽くしました。今夜がヤマです。

明日、どんだけプレゼンテーションがぐだぐだになっても、
明日、どんだけ質疑応答でこてんぱんに叩かれても、
もはやフォローのひと言すら思い浮かびません。

かくなる上は、もう誰にも気づかれないようにしれっと巣立ってもらって、
二度とふたたび関わり合いにならずに済むようにするしかない。

ハイ、さいなら。
（せいせい）