自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

カラスガイをとりに

2017-01-28 | 生物

ミュージアムには郷土の魚を展示飼育しているコーナーがあります。その中にタナゴを飼っていて,タナゴと共生関係にあるカラスガイも“います”。 “います”とカッコ付きにしたのは,いないときもあるという意味です。今はいません。

夏季,貝類は水温の上昇に適応することがたいへんむずかしく,カラスガイも同様です。それで,夏を越すとカラスガイが全滅して,タナゴがいくぶん寂しそうな雰囲気になります。とはいえ,水量の多い夏にカラスガイをとって来るのはたいへん。結局,冬にとるということになります。

さて,先日,そのカラスガイをとりに出かけました。行先は水量の減った小川。両岸には雪がまだ残り,肌寒い風が吹いていました。水は雪解け水で澄み切っていて,ヒヤッとします。手をその中に入れて,カラスガイをとるのです。

水深がわずか10cm。貝はあちこちにごろごろ。


とり上げると,足はしばらく出たまま。殻の中になかなか入っていきません。寒いので,動きが緩慢なのでしょう。 

 
カラスガイがかたまって棲息しているところには,ほんとうにかたまっていました。下写真は50cm四方を撮っていますが,その範囲に10個以上の貝がいました。

 
必要な数は8個と決めていたので,それ以上はとりませんでした。

このとき,思いがけない収穫がありました。大きなシジミが目に付いたので,泥を除いてみると,なんとシジミがどっさり!

 
ほんとうに大きいのでびっくりしました。いくつかは展示用に持ち帰りましたが,試食用としては一切採取しませんでした。いくら小川のものとはいえ,体内にどんな成分が蓄積されているかわかりません。近くの人が食用にしているならともかくとして,こういうときはそれ以上立ち入らないのが賢明でしょう。

ここは自然がまだまだ残されているのです。うれしい限り。


これで,ミュージアムの展示コーナーがすこしだけ賑やかになります。