自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

虫こぶ ~サクラコブアブラムシ~

2014-05-24 | 昆虫

山裾の斜面で,奇妙なすがたをした葉を見かけました。遠くから見ると真っ赤。近寄ると,茎先に花でも付けているようなすがたの木。といっても,高さが30cmほどのサクラで,赤色部分は葉が萎縮した虫こぶであることは一目瞭然。

帰ってサクラの葉にできる虫こぶを調べたら,サクラコブアブラムシと判明しました。


そのときは,とりあえず虫こぶを割って中を調べました。すると,アブラムシがたくさんいました。「こりゃ,なんじゃ」と思ったほどです。

さらによく見ると,透明感のある幼虫がいました。体長は5mm。パッと思い出したのが,ヒラタアブの幼虫です。この幼虫,アブラムシを餌にしてここで成長しているのかもしれません。いったい何という昆虫なのでしょう。


その幼虫のことが気になってきて,くわしく写真を撮っておくことにしました。

 

 
歩く速さは意外に速いので,びっくり。

 


頭は,先が細くなっている側です。


虫こぶの中にも,どうやら「食べる」「食べられる」食物連鎖が存在しているようです。 

このサクラコブアブラムシの生活史にはたいへん興味深いものがあります。越冬態は卵,6月に生まれた有翅虫が二次寄生宿主“ヨモギ”に移って,吸汁生活を送り,秋になって再びここに戻ってくるといいます。

ふしぎな生態です。黙々とヤマザクラとヨモギを往復するとは!  

 


産卵風景と卵と

2014-05-24 | アゲハ(ナミアゲハ)

アゲハの庭園にいたら,アゲハが飛来しました。その飛び方を見ていると,産卵しようとしている様子がはっきり窺えました。それでわたしは,レモンの木の脇でコンデジを構えて待つことにしました。

アゲハはキンカンで卵を産んでから,レモンの木にやって来ました。つまり,目の前に来たのです。まったくわたしを警戒する様子はありません。弱々しく飛びながら,卵を2粒産みました。「ヤッター!」と思いながら,シャッターを切りました。

 


あとには,そのとおり真珠のような卵がキラリと光沢を放っていました。薄黄色のみごとな玉です。

レモンの葉を見ていくと,他にも卵が付いていました。これまでにアゲハが訪れていたのです。


そのうちの一つにハエが付いていました。寄生バエでしょう。目敏く見つけてやって来たことに,妙に感心してしまいました。

 

卵に寄生するのか,幼虫に寄生するのか,それはわかりません。しかし,アゲハがいるところをちゃんと嗅ぎ付けて来たことはまちがいありません。自然界で生きていくのは,じつにたいへんなことです。アゲハだって楽々と生きていけるわけではありません。