自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ジャコウアゲハ観察記(その295)

2014-05-01 | ジャコウアゲハ

我が家にあった蛹はすべて羽化しました。毎日,たくさんのジャコウアゲハがやって来ています。

メスが圧倒的に多いのですが,オスも来ます。メスがいると,必ず近寄っていきます。もつれ合うようにして舞い上がり,離れ離れになるのがほとんどです。産卵の最中に邪魔されたらたまりません。

産卵は個体にとって大きな行動です。観察者にとってもそれを見届けるのは醍醐味があります。ようく見ていて,「あの辺りにとまるんじゃないかな」と予感すると,きっちりとまってくれることがあります。そういうときは,予めカメラのスイッチをONにしているために,ピントさえ合えばマアマア満足のゆく写真が撮れます。突然の場合は慌ててしまいます。

暇なときは別にして,たいていはコンデジをポケットの中に入れておき,それで撮ります。画質は大したことはありません。それでも,状況証拠にはなると思い割り切っています。

 


卵が写っているかどうか,それが産卵写真の出来を大なり小なり決めるポイントです。からだに付いた白いものは花粉かもしれません。 


産卵した後を見ると,なんと9個もの卵が! ウマノスズクサの高さは10cmほどです。たくさんの卵があるのはそう珍しいことではありませんが,たった1平方センチメートル程度の広さにこんなぎゅうぎゅうに詰まった例はめったに見られません。


成虫は産卵のときに,まったく適当に産み付けます。その結果,こういう例も起こるというわけです。この写真の場合,何頭の成虫が産卵したものか,不明です。産み付け方から見て,複数であることは間違いありません。

産卵行動を続けている個体を見ているとき,葉牡丹の花にとまって吸蜜を始めた個体がいました。チョウは,ひとときの吸蜜というわけではなく,いくつもの花を巡りながら時間をかけて蜜を吸い続けました。こういうときは,一眼レフでもあれば構図をしっかり考えて撮れるのですが,それは運というもので,いつかの機会に譲るほかありません。

ストロー口が伸びています。からだには,花粉と思われる白い粉状のものが付着しています。わたしがいても,動いても,まったく無頓着です。警戒心がないのです。こういう姿を目撃したら,たいていの人は愛着心が湧くのではないでしょうか。


このときは,吸蜜を終えると,また産卵行動に戻りました。

空腹だと,成虫だって産卵にかけるエネルギーが湧いてきません。このことばがふさわしいのかわかりませんが,“母”はたいへんです。

 


イモムシの受難

2014-05-01 | マンサク

葉の裏にいたイモムシのその後を見ようと,たまたま確認に行くと,びっくり! ハチが近くの枝にいて,すぐ脇に肉片が付いていたのです。もちろん,あの幼虫の色をしていました。

「ははーん,イモムシがハチにやられたな」と思い,ハチがいなくなってから観察しました。 

 
肉片は一部が残されているだけ。葉を調べても,幼虫はいません。やはり被害に遭ったようなのです。


ハチは巣作りをしながら,自分の幼虫のために餌をハンティングしてきます。見ていると,肉団子を抱えて巣に帰ってきます。つまり,ここマンサクの木はハチの餌場になったわけです。

ハチは,葉の裏を調べて幼虫を見つけたのでしょう。見つけた後は,もう簡単なものです。被害者になった幼虫には気の毒ですが,自然の摂理というものはそういうものだと諦めるほかありません。

わたしはこの幼虫の正体を見届けたいと思っていたのですが,それは叶いませんでした。