自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ジャコウアゲハ観察記(その308)

2014-05-25 | ジャコウアゲハ

産卵はウマノスズクサの葉の裏に行われます。しかし,時として,表側に産み付けられることがあります。それは偶然にすぎません。というのは,大多数が裏側であり,その方が卵の安全を確保するには当然よいはずです。

上で,「時として,表側に産み付けられる」と書きました。『ジャコウアゲハ観察記(その299)』では「めったに見られない」とも書きました。しかし,今季は,驚くほどこの例がたくさん見られました。「こんなに例外例が多いのか」と驚くほどでした。

たぶん,産卵数が多いため,結果として例外例も多くなったのでしょう。たいせつな情報なので,最近撮った画像をいくつかご紹介しておきましょう。

その1。雨上がりの午後,水滴に覆われていました。やはり表側は自然環境の影響を直接受けがちです。


その2。大きな葉の縁に一粒載っています。 

 


その3。茎の先端に近い葉にも一粒。 

 

 
その4。二虫きょうだいの例です。

 


その5。3つの卵が縦向きに並んでいました。もちろん,おなじ成虫が産んだものと思われます。 

 


その6。四虫きょうだいが見つかりました。明らかに同一の成虫が産卵したものです。


その7。多いものでは,5個の卵の例も! 二頭以上の成虫が産卵したものでしょう。 

 


こうして見てくると,産卵模様はじつにファジーなのがわかります。どんどん産卵するのですから,原則どおりに厳密なわけがないという気が強くしてきます。理由をアゲハ語でアゲハに聞けば答えてくれるのでしょうが,そんなわけにもいきません。昆虫の行動を手がかりにしながら,観察者が妥当だと思われる範囲で推測するほかありません。じつは,ここがおもしろい点なのですが。 

 


北海こがね(ホッカイコガネ)の花

2014-05-25 | ジャガイモ

わたしが行っている一連の真正種子発芽実験は,北海こがね(ホッカイコガネ)という品種にできた実から種子を取り出して行っているものです。もちろん,それは北海こがねの性質を一部引き継いでいるものの,北海こがねそのものではありません。つまり,北海こがねと別品種の雑種です。

この北海こがねを,わたしは自分の畑に栽培しています。他に三つの品種を植えていて,北海こがねを加えると四品種になります。なぜ北海こがねを植えているかというと,実が生りやすい性質があるといわれているからなのです。できれば,意図的に採種できるに越したことはありません。できれば,それを確認したいと思うのです。

さて,この北海こがねに花が咲きかけました。それを見て思わず,「うれしいねえ」と呟いてしまいました。だって,実ができる確率がたいへん高いからです。


運がよければ実のでき始めが確認できるかもしれません。まずは,花後,花が落下してしまわないか,観察を続けようと思っています。


これで,畑の世話に出かける足取りがいくぶん軽くなりそうです。