自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ベニシジミの幼虫いくつも

2014-05-28 | ベニシジミ

いつものウォーキング道。田植えが進む水田に沿って,ずっと向こうまで真っ直ぐに続いています。その道端は草が刈られたり,刈られていなかったり。草はすぐに成長するので,刈られていても10cm程度にはなっています。

歩いていて,ふと,スイバとギシギシが目に入りました。そして「ベニシジミのことを忘れていたなあ」と思い出しました。この辺りは春先,ベニシジミをよく見かけたところ。いずれ,食草であるスイバとギシギシにいるベニシジミの幼虫を探してみようと思ったのでした。たくさん成虫がいたのだから,たぶん,苦労しなくても見つかるだろうという予感がありました。

探すめあては食痕の有無です。円に近いごく小さな穴がぽっかり開いた葉がたくさんありました。裏にいたのはハバチ(オオコシアカハバチ)の幼虫でした。あちこちで見つかりました。

ベニシジミの食痕は,カタバミを食するヤマトシジミの例から想像すれば,表皮が残っていたり,かたちがもっと大きく大胆であったりする筈。そんな根拠を頼りに探すと,ちゃんと見つかりました。体長が18mm。終齢幼虫でしょう。


葉とそっくりな保護色をしているので,ちょっと見つかりにくいだけで,目が慣れると,複数見つかりました。小さい幼虫もいます。タイミングよくウンコをしました。 

 
別の株で,大きな幼虫がまた見つかりました。


それにしても,葉の色となんと似ていることでしょう。 


削るようにして葉を食べるので,葉裏の薄皮(表皮)が残ります。この食痕こそ,ベニシジミの存在を示すものなのです。


幼虫を持ち帰って,スイバにのせて観察することにしました。これだけの個体があれば,羽化までの変化を見届けることができるでしょう。 

 


3齢幼虫の誕生

2014-05-28 | アゲハ(ナミアゲハ)

余程チャンスに恵まれないと,自然界で脱皮中の姿を見るとか,脱皮直後の姿を目撃するといった経験はできません。それだけ幼虫の数が少ないということになりそうです。

飼育をとおしてそういう場面を見るのは,そう困難なわけではありません。脱皮の前に,準備のために静止している時間が長く続くので,予測可能だからです。

ところで,先日はスダチの葉を観察していて,アゲハの3齢幼虫が誕生した直後を目撃しました。めったに見られない場面なので,枝を折って,その後の行動を撮影することにしました。その様子をご紹介しましょう。

頭部を見ると,薄い褐色です。脱皮直後という印象が伝わってきます。

 


脱皮し終えた位置でじっとして,活動を待ちます。 


やがてからだを反転させ,脱いだ皮に向かいました。 


皮を食べるという遺伝情報がどこに,どう組み込まれているのかわかりませんが,とにかく,ボリボリ,バリバリ食べていきました。 


皮の一かけらも残さずに食べ終わりました。そうして,またからだを元の位置に戻して静止。 

 
基本的な流れにぴったり合ったかたちで,一連の動きが流れていきました。「なんと基本に忠実なことか!」と,びっくりしてしまうほどです。 

こういう変化が,幼虫の数だけ,繰り返して起こっているふしぎを感じます。そのふしぎがわたしたち人間の想像が及ばない世界に広がっているのに,気づかない現実を勿体なく感じます。まことに身近な世界なのに!