自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

オオイヌノフグリとヒメヒラタアブ

2013-03-18 | 昆虫と花

道端ではオオイヌノフグリ(別名「星の瞳」)の花が満開。近頃の陽気に誘われて,昆虫が訪れ始めました。まだ出始めなので,種類も数も多くはありません。それでも,目を凝らしていると何となく目にとまります。これは観察に慣れっこになっているからでしょう。

ヒメヒラタアブもその一つ。体形から判断すると,メスです。そっと近づいて行きました。ホソヒラタアブほどの警戒心はなさそうですが,それでも本能からかかなり敏いようです。最初は感ずかれたようで飛び上がりました。その後,近くのオオイヌノフグリに降りました。それで,こちらも負けちゃいられないという気持ちになって,一層慎重に近寄りました。

ところが,カメラを構えようとしているときにタイミング悪くまた飛び上がったのです。そのときはわたしに気づいていなかったようです。「しまった! チャンスを逃した!」と思って,じっと目で後を追いかけまいた。すると幸運なことに近くのタネツケバナに降りました。「これはありがたい!」。ほんとうにそんなふうにわくわく気分になりました。

よく見ると,からだには結構花粉が付着しています。オオイヌノフグリの群落には,このからだのエネルギーを満たすのにあり余る蜜が準備されている筈。どの花にとまってもよさそうなのに,そう簡単に順序よく花から花へと回っていくわけではありません。実に適当で,気まぐれなのです。

そうこうするうちに,タネツケバナを離れてオオイヌノフグリの花に移って行きました。ホソヒラタアブと比べて体形がずいぶん小さいので,花茎がグニャッと曲がることはありません。直立した花にちょこんとのっかかるといった感じです。

今回のことがきっかけで『ウィキペディア フリー百科事典』でわかったことがあります。卵から成虫に至る生活サイクルは最短の場合16日間で完了するとか。したがって,一年で9回も世代交代をするらしいのです。ショウジョウバエの10~20日には及びませんが,それでもこの回数は特筆できるでしょう。