自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

クロヒラタアブの産卵

2013-03-20 | 昆虫

思いもかかけないときに,思いもかけない事実に出合うと,ほんとうに驚きます。わたしにとって意外な発見だという場合,すっかりうれしくなってしまいます。

この程,クロヒラタアブの産卵行動と卵に巡り合いました。これもまた,驚きとうれしさの湧き上がる出合いでした。その様子を書くことにします。

過日(2月18日)の記事でホソヒラタアブの蛹の殻について触れました。先頃,それと同じ場所でクロヒラタアブを見かけました。つまりホトケノザの株があるところです。花がまだ開いていないところや,花がまったくない葉に,妙に関心を持ってホバリングを繰り返していました。ときどき,葉に止まってすぐ離れました。「おかしいなあ」と思いながら観察を続けました。

いくら経っても株から離れようとしないので,家からカメラを持ち出して,シャッタースピードを高速にしてチャンスをねらいました。そのうちに,葉に止まって,腹の先を葉の裏に回す動きを始めたのです。

下写真は産卵直前を写したものです。ほんのわずかな時間の出来事でした。

「アッ! 卵を産んだんだ!」。思わず,そうこころが叫んでいました。飛び去った後,葉の裏側を見ると,案の定,真っ白な卵が一粒付いていました。細長くって,長径が1mmぐらいです。さらに驚いたことに,葉の裏や茎に,アブラムシがどっさり付いていたのです。

卵の付いた茎を折って家に持ち帰り,写したのが下写真。 トリミングしたのでかなり荒い画像になっていますが,卵表面の模様がよくわかります。わたしにとっては記念すべき一コマになりました。

ヒラタアブの卵のことを調べてさらに納得できたのは,アブラムシがいるところを選んで産卵するという点です。孵化した幼虫は,それを餌にして成長するのだそうです。この分だと,今回見つけた株にはかなり産み付けられていると思われます。それらが孵化して幼虫になります。探せば見つかるでしょう。

また新しいたのしみが増えました。