hiroshi hara: saxophoniste

日々の思考の断片

リードの日の考察

2007-12-01 23:24:37 | sax関係
先日のドゥラングル氏のレクチャーでは、様々な楽器やマウスピースを組み合わせてデモ演奏を行っていた。

その際、A17に対して3半~4番くらいの硬さのリードを付けていると話していて、周りの人たちがずいぶん驚いていたのが印象的だった。
昨年のコングレスでは、スロベニアのオーケストラとトマジの協奏曲を演奏したが、その際にはA28に4番という組み合わせだったそうだ。
ドゥラングル氏は昔から比較的固めのリードを付けているようだ。

あくまで私の想像だが、ドゥラングル氏が硬めのリードでも難なく吹くことができるのは、噛んで吹いているという訳ではなく、息の形と入れ方が非常に効率の良いものなのではないだろうか。
例えば、野球の投手が投げる球には、同じ速度でも打者の手元で伸びる球と、勢いの落ちてしまう球とがある。
楽器を吹くときも同様に、息がリードに到達したときに最も速く力強くなるような吹き方というものがある。
ドゥラングル氏はそのバランス感覚が絶妙で、楽器、マウスピース、リードをあれほど付け替えても乱れることがない。

決して速い硬いが良いという訳ではなく、リードの硬さやマウスピースのサイズに対応する為に息の速度に緩急をつけ、マウスピースやリードに到達するまでの息の形を操ることが大事なのではないだろうか。

ちなみに種々の協奏曲が収められた新しいCD「Under the Sign of the Sun」は、先日のデモ演奏のように、2種類の楽器、3種類のマウスピースを組み合わせて使用しているとのことだ。

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