hiroshi hara: saxophoniste

日々の思考の断片

真ん中の「レ」

2006-11-02 23:56:45 | sax関係
どの楽器も同じだが、サックスは音程を整えるのが難しい。
アルトで言えば、意外になんとかなりそうで何とかならず苦戦を強いられるのが、真ん中の「レ」ではないだろうか。
ご存知のとおり、この音は真ん中の「ド」の長2度上の音である。
しかしながら楽器の構造から見るとそうではない。
短7度下の「レ」を転回(ひっくり返す)させているのだ。

わかりやすく言うと、真ん中「レ」というのは下の「レ」をオクターヴキーによりひっくり返している。
したがって真ん中「レ」も低音「レ」と同じ吹き方でなければならない。
オクターヴ上か下かはオクターヴキーが決めることなのだ。

真ん中「レ」の音程が高くなってしまうのは、感覚的に「ド」よりも「レ」の方が高い音だと思ってしまい、アンブシュアを少し引き締めてしまうのではないだろうか。
逆に「レ」よりも「ド」の音が低いと思ってしまい、アンブシュアを少し緩めてしまい、「レ」と「ド」の音色の隔たりが生まれてしまうのではないだろうか。
あくまでサックスの構造からみたイメージ。

サックスの最も基本的な音域は最低音「シ♭」(バリトンは「ラ」)から開放「ド♯」、またはサイドキーを全部空けてもせいぜい「ミ」くらいまで。
1オクターヴちょっとしかないのである。
そこからオクターヴキーで音をシステマチックにひっくり返しているに過ぎないのだ。

楽器の構造を知り、楽器と対話しながら音を出していけば、この楽器の不具合も多少緩和できる。

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