虎尾の会

幕末の草莽の志士清河八郎の会の名を盗用しています。主人は猫の尾も踏めません。

ロマン・ロランと陽明学と歯

2006-02-25 | 日記
ロマン・ロランの思想と陽明学とは、似たところがある。
思想は行動にならなければならない、自分の内面、魂に耳傾け、その成長、実現を図る、ということ、ロランのいう魂とは、陽明学でいう「良知」と同じかもしれない。

陽明学の生き生きした精神は、漢文のことばよりも、ロマンロランの小説を読んだほうがよく実感できる感じだ。
陽明学は、大塩平八郎が悪口言われたように、1歩まちがうと、自己中心のわがまま哲学になり、往々にして反抗者になり革命家になる。
ロラン・ロランの大作の主人公もまたそうだ。自己の思想、感情の赴くままに様々の人と恋愛し(クリストフも、アンネットも既婚者との道ならぬ恋にも陥る)、社会の変革への道を進む。

今日、歯医者へ行った。歯ももう悲惨な状態(老齢)。今日、差し歯の前歯の1本を急にぬかれた。「1本くらいいいでしょう」といわれた。
昔は、前歯がなくなると、威厳がなくなって首長を引退した豪族もいたはずだ。ちょっと待って!とは、しかし、なかなかいえない。ねかされたままだもの。

治療中、顔の上で医者とアシスタントの間でこんな会話が交わされる。「ね、ここ、ターミネーターみたいだろ?中をとったら、こんなの。ロボットだよ。みんな一皮むけば、こんなの」

わたしは、目をつむったまま治療を受けていた。差し歯の1本を切り落としていたみたい。

治療が終わったあと、歯の説明を受けたがそれが終わったあと、すぐ言った。
「一言いいですか。治療中に、ターミネターとかロボットとか、患者に対して言う言葉ですか。気持ちを考えたらどうですか」

「すいません、いつもこんな失敗をして、お客さんに文句言われるのです」と謝り、タミネーターとは、歯の構造のことを言ったのだと釈明する。

そうかもしれない。しかし、人の不当なる発言には黙っていられないのが、ロマンロラン主義者、陽明学徒のタイプなのですよ(^^)。単なる性格なんだけど、こういう性格の人は、ロマンロランの小説が好きになります。それはいわなくてもいいじゃないか、気にしすぎで、つまらない争いをおこすのは、愚かだ、という人はきっとロマンロランも陽明学も好きになれないかも(笑)

思ったことは(思想)は言う(行動)。歯医者さんで、このくらいのことしか実践できていないのですが・・・。

明日から、前歯のない口で人とどう対面しようか。笑うときには、扇子を口にあてることにしよう。オホホホ。